【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「それでも恋するバルセロナ」:中葛西五丁目バス停付近の会話

2009-07-04 | ★亀29系統(なぎさニュータウン~亀戸駅)

こんなところに欧風の古城が・・・。
なんだかんだ言って、みんなヨーロッパには憧れてるからね。
とくに日本人の女性はな。
アメリカ人でも憧れるんじゃないの?
ああ、「それでも恋するバルセロナ」なんて観ると再認識する。
アメリカの若い女性二人がバルセロナでバカンスを過ごすという、ウディ・アレンの新作ね。
女性二人がバルセロナに行くなんていったら、求めているものはアバンチュールしかないわけで、話はそのとおりに展開する。
二人の間に情熱的な男性が現われて、あっという間に三角関係。
ところがそこに、男の元妻が現われて、話は奇妙な四角関係に発展していく。
ヨーロッパのリゾートで繰り広げられる恋のさやあてっていったら、本来はエリック・ロメールの独壇場だけどね。
実際、道具立てだけを見るとそうなんだけど、香りゆたかで微笑ましいエリック・ロメールの映画に比べると、この映画はアメリカ映画だから、やっぱりどこかドライで身も蓋もないところがある。
ウディ・アレンにしては、ペダンチックなところが抑えられて、観光映画に徹しているんだけど、やっぱり皮肉や毒気がにじみ出てくる。
どんよりとした風景を好むウディ・アレンがこんな陽光さんさんな土地を選ぶなんて珍しい。
たぶん、スカーレット・ヨハンソンの存在が大きいと思うな。ウディ・アレンって知的でありながら、ダイアン・キートンとかミア・ファローとかそのときどきの女性の影響をもろに受けちゃうからね。
ここのところは、ちょっとハスッパな感じのスカーレット・ヨハンソンに首ったけってことか。
かといって、彼女を魅力的に撮るわけでもないっていうのが不思議なんだけどね。
今回の女優陣でいちばん光っていたのは、男性のヒステリックな元妻を演じていたペネロペ・クルスだもんね。
いかにもスペイン人らしく、感情の塊のような役。
これで、ウディ・アレンがスカーレット・ヨハンソンからペナロペ・クルスに乗り換えたら、彼の映画にもまた新たな展開が始まるんだろうけどな。
それは、ありえないでしょう。あんな情熱的な女性、ウディ・アレンには、なんか不釣合いだもん。
そのうちまた、ニューヨークに戻って元の映画に回帰するのかな。
それはわからないけど、この映画自体、彼のアバンチュールみたいなもんだからね。
このブログ自体、俺たちのアバンチュールみたいなもんだもんな。
それも、ありえないでしょう。
だよな。




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ふたりが乗ったのは、都バス<亀29系統>
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