社長つれづれ日記

私を深め、身近な人を、社員さんを、
    会社を、良き友を深める心のページ

浅野内匠頭

2006年01月16日 | 経営研究会
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平成18年1月16日(月曜)曇り、東京出張

 「私は赤穂藩の第3代藩主、浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)にはなりたくありません。いくら正義といえども、トップの一時の感情で、会社が存続できなくなるなどと、経営者として絶対にさけなければならないと思うんです」

 栄一は最近、経営者の責任の取り方について考えている。それもあってか、いつになく言うことに力が入っている。

 「確かに赤穂浪士の討ち入りの話しは、家臣の主を思う忠誠の姿として、感動的に私たちの心に受け継がれています。しかし、実際、藩は取りつぶしになり、家来の多くは職が無くなり、生活に困り、路頭に迷ってしまうわけです。・・・そうなることを、リーダーは望んでいるわけではないですよね」

 栄一の話に、大手ソリューションプロバイダ事業部長、澤登正一は頷いている。そして、優しい目で栄一の顔見ながら、

 「中小企業を経営するのは大変だね。会社のことを思い、社員さんのことを思い、そして、取引先のことを考える。一生懸命にそういうことを考えながら努力している経営者の姿は、立派だと思うよ。」

 東京都人形町、しゃれた洋風作りの居酒屋に栄一と澤登はいた。栄一は日中、経営研究会の全国理事会に出席をしている。「せっかくだから会社によらないか」という澤登の声に、栄一は出かけてきた。

 澤登は数日前、栄一がメジャーブランドとのやりとりでいやな思いをした際に、励ましのメールを栄一に送っている。今日はその時の話しも話題に上った。澤登は、大手で働いてはいるが、中小企業の悲哀をよく理解し、地域の中小企業の発展を応援している栄一の良き理解者である。

 栄一と澤登は、今後の事業展開について話が弾む。ほろ酔い加減が気持ちよさそうだ。


つづく

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本末転倒

2006年01月15日 | 仕事
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平成18年1月15日(晴れ)

 栄一は、携帯電話に転送されてきたメールを見ながら、ノーツのスケジュールに個人面談の予定を入力している。今月の面談予定は、1月と7月が生まれ月の社員が対象となっている。

 (今月は結構沢山の面談者がいる。一月は普段より面談者が多いな・・・)

 栄一はセールスサポート部(総務部)の嘉村からのメールを見ている。嘉村は先日、「日々の気づき報告」と言うことで、日常の総務関係の連絡を栄一に送っている。



 「三日坊主にならないように、頑張ります」と、併せてメールに書いているが、栄一にとっては、このような気の利いたメールは有り難いと思っている。今回のメールは、個人面談の予定、給与支給における資格手当の処理について、早退者の報告とその理由など、総務に関する日々の処理が書いてあるが、日中会社にいないことが多い栄一にとっては、効果的なようだ。

 (報告をしてほしいと言って送られてくるメールと違って、自分がどうすればよいかを考え行動する仕事ぶりは、我が社の理念にもあっている・・・)

 栄一は心の中で、そういう社員がいることを喜んでいる。 

 誰もいない日曜日の事務所は、ひっそりとした中で、空調のブーンというファンの音だけが耳に入ってくる。

 栄一はカタカタとキーボードの音をさせながら、やり残した雑務の処理をしている。

 しばらくしてもう一つのメールに目を通した。経営者仲間の山内からのメールだ。山内は医療関係の仕事をしているが、若手の女性経営者で良い感性を持っている。

 「私は、以前のブログの方が好きでしたけど・・・」

 今回のブログに対する感想を素直にメールで送ってきているが、栄一もここ最近のブログについては問題意識を持っている。

 (本来、このブログは、私の考えていることや行動を社員さんに理解してもらうことに主な目的があった。ブログの手法にこだわったり、このブログを面白く書くことが目的なったりするのは、本末転倒だろう。この小説風ってのも、気をつけないといけない。以前のように素直にブログを書く姿勢は、大事にすべきだ)

 栄一も色々考えながら、ブログを書いている。そして、また、ブログの効用も十分感じている。本来の目的を見失わず、日々社員を頭に浮かべ、丁寧にブログを書くことの大切さを再認識しつつ、栄一はデスクトップパソコンに向かっていた。

つづく

*ノーツ(社内グループウェア名称)

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会談

2006年01月14日 | 仕事
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 松山市三番町に、マルブンDKというイタリアンレストランがある。このレストランは、かつて松山市内の政財界人が出入りした、桃太郎という由緒ある料亭を改装してできたものだ。玄関を入れば土間があり、一段上がった板間の廊下を進むと、コック長が笑顔で働くキッチンが見える。そのキッチンを見ながら左に折れると、和洋折衷の洒落た広い客室がある。左には4人掛けのテーブルがいくつかあり、右にはカウンター席がある。左のテーブルの窓越しには、旧料亭の名残である、風情ある庭が見える。奥のもう一段上がった座敷には、掘りごたつ風にしたテーブルが20席ほどある。



 (沢山人が入っている)

 この店の、夜のこの時間帯はいつも若い女性で賑わっている。

 レストランには唯一個室がある。それは広い客室に入る入り口近くにあり、四畳半ほどの広さの畳間にしてある。入り口はわざと腰の高さまでにして、頭を打ちそうな造りである。

 栄一が、かがむようにふすまを開けて入っていくと、真鍋と片岡と世良の顔があった。

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 栄一は昼から会社に行き、提出しなければならない資料づくりをしている。会社は休みだったが、セールスエンジニア部の本田とシステム開発部の日下も出社していた。

 (休みなのに、ご苦労様だ)デスクトップパソコンのスイッチをおしながら栄一は思った。 

 日下は社内のグループウェアであるノーツのカスタマイズについて色々栄一に答えている。

 「ノーツ6.5から7へのクライアントバージョンアップは、当面私と社長のところで試しておきましょう」

 「色々やることがあるようだから、社内のことは当面無理をしなくて良いよ」
 
 栄一は自社のことを「紺屋の白袴」といつも思っている。お客様のことが優先するあまり、自社のOA化が思ったように進まない。仕方がないということと、何とかしなければという気持ちとの間でいつも葛藤している。

(本音は、早くやってもらいたいのだが・・・、今は無理を言うまい)

 今回もお客様優先である。

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 真鍋はこのマルブンdkの店主である。他に2店舗を経営し、今売り出し中の経営者だ。片岡は愛媛経営研究会の会長である真鍋の女房役だ。事務局長という大変手間のかかる役割を、自分の仕事の合間を縫って器用にこなしている。世良は事務局員と言うことで片岡をサポートしている。

 遅れて三好が入ってきた。栄一はこの三好と昨日も一緒だった。よく行動がかぶる。

 「よく合いますね」

 お互い顔を見合わせて笑う。

 三好も片岡をサポートする愛媛経営研究会の事務局員だ。きょうの事務局員会議に参加をしている。

 栄一は愛媛経営研究会の「夢づくり特別委員会」の副委員長だ。愛媛経営研究会の10年ビジョンを描くことが委員会の役割だが、今日は委員長代理という立場で参加をしている。将来の事務局体制について、夢づくり特別委員会のビジョンも影響するだろうと言うことで参加をしている。

 事務局運営の話もほどほどに、互いに経営の話で盛り上がる。良き仲間の会話がそこにある。こうやって栄一たちはお互いに刺激し合い、そして、明日への活力につなげている。互いの仕事のやり方、社員教育、経営者としてのリーダーシップなど、互いに学ぶことが多い。

 (みんな色々考え、そして、努力している、遅れは取るまいぞ・・・)

 栄一は胸の奥に、静かな闘志を燃やせていた。
 
つづく

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続いている

2006年01月13日 | 仕事
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 1月13日金曜日、今日の天気は曇り、天気予報では、夕方には雨が降るような予測も出ている。
 
 松山市内にある東環状線と新空港通りとの交差点、車でこの地点を8時15分までに通過すると、栄一の会社には始業時刻5分前の到着となる。

 栄一は、今日もほぼこの時刻にこの交差点を空港に向かって通過する。朝のこの時間は交通量も多い。信号の点滅如何では車の進み具合が大きく違ってくる。

 栄一はそのことを見越して、この地点での通過時刻をリミット8時15分としている。

 (予定通り)

 いつものように通り過ぎてゆくフロントガラスの空に、栄一は意識を向ける。

 (天気があまり良くない。すっきりしない天気だ。ところで俺の気持ちもなんかすっきりしない。昨日のことがまだ尾を引いているか・・・。いや、もう気分を変えよう。いつまで考えていても仕方がない)

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 朝の栄一の会社は活気がある。特に、ITソリューション営業部は人数が多いせいか、一斉に「おはようございます」いう挨拶は、見ていて気持ちがよい。

 栄一の会社は、挨拶や電話の応対がよいことで、お客様からよく褒められている。

 (挨拶にはお金がいらない。お金をかけないで会社のことを宣伝できる。良い印象を社外に与えることで、会社の差別化にもつながっている。挨拶は戦略だ)

 栄一はそう思っている。

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 東環状線に「そば吉」という老舗のそば屋がある。丁度昼時と言うこともあり、人でごった返している。栄一は、立命館大学の松本朗教授、愛媛県中小企業家同友会の鎌田事務局長と一緒にここで食事を取っている。

 「私は、松本先生が松山にいるときの足みたいなものですから」鎌田流の信頼表現である。

 松本は今日、京都から帰ってきた。
 
 松本は自分が松山空港に到着する時間にあわせて鎌田を呼び出している。なにやら打ち合わせがしたかったようだ。

 松本は、昨年3月まで愛媛大学法文学部の教授であった。立命館大学から請われ、現在は転籍をしている。栄一と鎌田にとっては大変世話になった恩人であり、また、良き友人でもある。

 「裏切り者・・・」

 栄一は松本に会うたびにそのような言葉をはいている。松本の転籍を残念に思うあまり、また、愛すべき友人としての思いからである。

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 フェローシステムの三好は物足りなさそうな顔をして立っている。

 栄一の午後は「HAIKU・コミュニティ」の打ち合わせ会議に出席している。その会議でずっと三好と一緒だった。経済産業省や松山市からの出席者もあり、熱心にこの事業の方向性について議論がなされている。途中官人は退出したが、後のメンバーで、夜7時過ぎまで議論が続いた。

 そして、その後、コンソーシアム仲間との懇親会である。その中でも、まちづくりやこの事業に関する意見交換をしている。みんな熱心だ。話が尽きないこともあったが、11時にお開きとなった。

 「まだどこかに行くの?」

 「一緒に行きません?」

 「俺は帰るよ、じゃあね」

 栄一は三好の物足りなさそうな顔を振りきり、繁華街を後にした。

 (今週は夜の飲食が続いている。三好とは10歳も年齢が違う、つきあいきれん・・・)

 栄一の足取りは、少々「がに股」の不健康な足取りになっていた。

つづく

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悲哀

2006年01月12日 | 仕事
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 栄一は唇をかみ締めた。

 (なぜ、あんな言葉が言えるのだろう…)

 (人に頭を下げ、何とか仕事を頂いた経験のある人間なら、仕事を持ってきてくれることに関して、素直に感謝できるはずなのに…)

 (もちろん、何でも仕事が来たからOKという訳ではない。しかし、その仕事を持ってきた相手に対する敬意は払うことができるだろう。まして、その仕事に関わりたいなら、なおさらのことである)

 (天動説だ。天が動いてくれると思っている)

 栄一は、メジャーブランドの奢りに対する憤り、知名度のない中小企業の悲哀、そんなものを同時に感じていた。



 (俺たち中小企業は、会社の名前だけで営業ができるということはほとんどない。先ず、会社の名前を言ってもお客様が会ってくれない。よしんば会えたとしても、その場で門前払いだ。何度つらい思いをしたか。何度くやしい思いをしたか…)

 栄一の中で、かって営業の前線で仕事をしていたときのことを思い出す。

 (最近は、少しは地域に知られるようになってきたが…)

 (しかし、もっと力をつけたい、もっと力をつけて社会に誇れる会社にしたい)

 栄一は、なお強く、心に言い聞かせるのだった。

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 栄一が会社に帰ると、愛媛大学法文学部総合政策学科の水口教授が来社をしている。

 水口教授は愛媛県中小企業家同友会が主催する同友会大学の講師であり、また、昨年実施された四国経産局が主催する「経済人と学生による上海ミッション」の団長でもある。栄一とは色々と交流のある先生である。

 今日は、愛媛大学が今春から実施するMOT「技術経営」教育についての、企業ヒアリングで我が社を訪問していた。

 (ようわからん・・・)

 栄一は、しばらくそう思いながら聞いていた。

 「MOTって、まだよく理解できていないんですけど、どういう事ですかね」

 「ああ、MOTってのはね、技術経営って言う意味でね、それはね・・・」

 「それなら、理念と戦略と計画の整合性については、どうしても説明がいりますよね」

 「そこのところは、きちんと講義をしておいた方が良いね・・・」

 栄一と水口との会話は弾む。午前中の栄一の不愉快な思いは、ここでは消えていた。

 水口は、その親しみやすい人柄が影響するのか、それとも、経営学専攻の専門性がそうさせるのか、栄一のような中小企業経営者とも気さくに話ができる。今日も時間を忘れて、色々意見交換をしている。

 (地元に、このような学者がいるのは大変有り難いことだ)と、栄一は思った。

 水口は次の予定が迫っていたのか、時間を気にしながらあわただしく会社を出て行った。

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 この後の栄一は、また、午前中の不愉快な思いを思い出してか、事務所の中をうろうろしながらぶつぶつ独り言を言っている。

 (あーー、腹が立つ。・・・)

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 栄一は二番町の繁華街を歩いている。これから愛媛県IT推進協会の理事会・新年会へ出席するところだ。少し景気が良くなっているせいもあるのか、街は人通りが多い。

 マフラーに少し首を縮めながら、足早に歩く。

 (今日の天秤座は、仕事運☆五つ、金運☆五つ、恋愛運☆五つの絶好調の日だったはずなのに・・・。何が絶好調だ・・・)

 栄一は、また、独り言を言いながら、会場である料亭の入り口をガラリと開けた。

つづく

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人が歴史を創る

2006年01月11日 | 仕事
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 「大野さん、これどおぉ」と栄一に頭を差し出す人物がいる。

 その人物は愛媛県中小企業家同友会代表理事、服部豊正である。今日は、栄一と、同じく同友会の鎌田事務局長を連れ添い、愛媛県庁への年始の挨拶から松山市庁への挨拶回りへと歩きながら移動をする、その道すがらであった。

 「すっきりしていますね」

 栄一は、(えっ)と一瞬けげんな顔をしながらも、服部の頭を見て、そう答えた。

 実は服部は、ここ4ヶ月ばかり、自分自身で自社で開発中の育毛剤のテストを行っている。「自分自身で納得がいかない商品はお客様には売れない」という、まさしく、商売人の鏡のような考え方である。ここ数ヶ月の成果が実り、うっすらと髪の毛が増えている。そういえば、何となく白髪も減って、少し若返った感じである。

 栄一は、それに気づかない。(散髪をしてきたのだろう…)という、単純な発想で答えてしまっている。後で理由を聞き納得をした。

 「あー、そういえば、なんか・・・、うっすらと雲がかかったような、うーーん。あーーっ、何となく・・・、なかなかいいですね。さすが経営者ですねぇ」

 栄一は、フォローになったのか、ならないのかわからないような返事をしてしまっている。

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 夕方まで挨拶回りで時間を過ごし、栄一はいったん会社に戻った。そして、夜の会食のための出かける用意をした。

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 全国大手の企業との会食である。相手は4人、四国支店長他3名。栄一の方は、他に坂野専務、堀技術部長、営業担当石田の4人である。

 今回は、ある会合で栄一と四国支店長とが同席になったところから始まる。なぜか栄一のことを気にかけてくれ、このお互いを知り合うための会食が成立した。

 気さくな支店長である。「とっておきのうまい酒がある」と言うことで、持ち込みの酒を振る舞ってくれた。飲むほどに、場が全員で盛り上がる。相手の参加者の一人は栄一の大学の後輩だった。そのこともあり、さらに意気投合する。


イメージ画像


 互いの仕事の紹介もしながら、今後の、仕事の協力の方向性など、色々な話が進む。

 初のお見合いだったが、お互い人間同士として、気が合った。

 (理屈は歴史を検証する、しかし、歴史は創らない。歴史を創るのは人間だ)

 栄一は、(人こそが歴史を動かし、良い人の輪が、良い仕事を創る)とも思っている。

 (今日の会食は本当に良かった。これからの関係が楽しみだ)

 そう思いながら、栄一は「また明日から頑張ろうな」と坂野に声をかけ、二番町の繁華街を後にした。

 日本酒が結構効いていたのか、歩きは少しふらついている。

つづく。

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「社長つれづれ日記」小説編

2006年01月10日 | 仕事
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 この物語は、四国松山の、「わが社をいずれは社会に誇れる会社にしたい」と心に念い、日夜経営に悪戦苦闘する、小さな会社の未熟な経営者の物語である・・・。


 400匹以上はいるだろうか、水深の浅い川の底を見ると、沢山の鯉がいる。その鯉を左下に見ながら、川べりを通ってしばらく歩くと、いつもの会社のゲートに着く。海に近いこの川では、満潮時と干潮時で水深が大きく違う。ここ最近、朝の早い時間は干潮時に当たっているのだろう。鯉を見るにはちょうど良い深さだ。



 栄一はセキュリティーカードを取り出し、「ピィー」っという甲高い音をさせて入り口ゲートを開いた。

 時間は8時25分。始業時刻の5分前である。

(近頃はいつもぎりぎりになっている。以前はもっと早く会社に出てきていたのに・・・)

 ここ半年ばかり、栄一は出社が始業時刻ぎりぎりになっている。寒くなればなるほど、寝床から離れにくい。

 前日寝るときには、余裕を見て目覚まし時計を6時にセットした。

 (明日こそは早く会社に行こう。もう少し余裕を持って仕事しないと・・・)

 しかし、ぎりぎりまで寝てしまっている。(意志が弱い・・・)と、栄一は軽い自己嫌悪に陥る。



 1月10日、今日は、栄一が書き始めたブログが、ちょうど半年となる日だ。

 (よく続いている。やめられん。何とか3年間は続けよう。そうすると自分の中で達成感と自信が出来る。そういえば以前、ジャパン・コーポレーションの中田副社長も言っていた。凡事徹底、そのためにWEB日記を書き始めたのだと・・・)

 栄一は、中田に対して一目置いている。特に中田の行動力や発想の豊かさは、自分とは雲泥の差があると考えている。

 (俺よりも年が若いのに、なかなかやる。少々しゃくに障るが、良いところは学ばんといかん)

 栄一は中田を見るたび感心している。

 栄一はこの日から、新しい取り組みをしている。ブログをさらに読みやすく、そして、より興味を持ってもらうための取り組みだ。そのために、数日前から頭をひねってきた。

 「西添さん、もうすぐ、私のブログが書き始めて半年になるんよ。で、半年を機にブログを改編しようと思うんだけど・・・。それでね、デザインを変えたいんよ。何とか考えてくれん」

 西添はまた社長が面倒なことを言い出したと思った。しかし、西添は日頃から栄一が言っている言葉を忘れていない。

 「今はまだ仕事になれるときだから、どんな仕事でも一生懸命する事が大事だよ。周りから頼まれたことは何でもやりなさい。それが、後々あなたの仕事に大いに役立ってくるからね」

 「はいわかりました」と、西添は素直に返事をした。

 西添は、昨年四月に入社した18歳の新入社員である。が、ホームページを作成することにおいては、かなりの技術を持っている。栄一も頼みやすい。

 そんなことで、今日のブログの公開となった。周りの反応はいかなるものか、栄一は興味津々である。(墓穴を掘らなければよいが・・・)そんなことも思っている。

 しかし、栄一はやる気だ。とにかく3年続けることを目標を置いている。そういえば、栄一が構想中の新中期3カ年経営計画もこの四月からスタートする。

(中期計画が終わる頃には、このブログもさらにバージョンアップされたものになるだろう。色々このブログから学べることがある。今から楽しみだ)

 栄一は明日からくるだろう原稿作成の苦しみと、また、それを乗り越えていくことの充実感と、双方の思いを感じながら、資料作成のパソコンへと向かっていった。

づづく。

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*人名、組織・団体名などは、仮名です。


予告

2006年01月09日 | 仕事
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 今日は、愛媛県中小企業家同友会のビジョン検討委員会で、10年後のビジョンを検討に、今治の鈍川温泉に来ています。山間の風情ある旅館、美賀登というところで、ひざを交えての合宿形式でやっています。

 午後の1時から夕方の6時まで、事務局長、四国中央支部幹事長、今治支部幹事長、松山支部幹事長、組織福委員長、そして、私と、6人のメンバーで熱心な議論を展開しました。ほぼ、愛媛県中小企業家同友会の10年後のビジョンが固まってきました。そして、中期3ヵ年ビジョンも併せて、詳細に詰める事ができました。あとは、理事会に議案提案できるよう、これからまとめに入ります。

 そして、ほぼ当初の目的が達成できたので、後は、おいしいお酒と食事です。皆で、気楽にお酒を交えながらの意見交換です。

 今日の食事は「いのぶた鍋」です。これは大変おいしかったですよ。体が温まって風邪にも良いらしく、私にはちょうど良い食事でした。大満足です。


          イノブタ鍋

 ところで、明日で、ブログを書き始めて、丁度半年になります。よく続いたなと思います。それで、一応区切りとして、明日からのブログは少し嗜好を凝らせて、デザイン、内容ともに手を入れたいと思っております。

 タイトルも「社長つれづれ日記・小説編」ということで、主人公「栄一」の、本音も織り交ぜた、中小企業経営の悪戦苦闘をお伝えして行きたいと思っております。

 ただし、基本的には従来どおり、ブログの中で私を取り巻く人々や会社を、深めて行きたいと思います。

 なにぶん素人が書くものですから、不十分な内容にお許しを願いたいと思います。また、このブログを通して、社員さんとの絆や、社会との絆が深まれば、本当に幸いと思います。

それでは、乞うご期待を。

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成長すると言うこと

2006年01月08日 | 仕事

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 無理をしてはいけないと言うけれど、無理をしないと器が広がらない。

 自分の今まで経験した、そして自分の経験の範囲の中でやる仕事は、手堅く仕事ができたとしても、その人の成長を促進するものではないと思うのです。

 自分の体験にもあるのですが、今までで経験をしたことのない仕事や、自分で処理できる量以上の仕事がやってきたときに、私の成長があったと思うのです。

 今までやったことがないことを何とか成し遂げようとするために、人に相談し、資料を調べ、調査に行き、色々工夫をします。また必要以上の量の仕事が来たときに、何とかやりきるために、時間の使い方を工夫し、仕事のやり方の能率を検討し、また、人に手伝ってもらうための交渉をするなど、そんなことで、知恵を出し、工夫をします。それが、その時は大変だったけれども、自分を器を広げたことになります。

 その次に同様の仕事が来た場合には、この経験が生きて、以前よりも楽に仕事をこなすことができます。人間の器が広がるとか、成長するとかは、こういう事だと思います。

 ですから、成長する人は、常に、そういうチャレンジをしているわけで、今まで経験のないことで悩み、苦しむわけです。そして、時には失敗もし、痛みも伴います。

 成長する、器を広げると言うことは、そういう意味で苦労や痛みはつきものですが、それがあって成長し、人間が大きくなれると思うのです。

 先週、総務のKさんから相談がありました。やることがたくさんあり、そのことでプレッシャーを感じている新人さんへの教育のあり方でした。

 私は、前述のような話をして、新人さんへの信頼の念や、周りのサポートの大切さを二人で確認しました。

 みなさん、日々、戦ってくれています。

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ライブは生き物

2006年01月07日 | 趣味・音楽

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 今日は日中、バンドの練習、そして、夜は身内でのミニ・コンサートでした。


         ライブ風景(油絵調)

 しかし、ライブ演奏は難しいですね。ライブハウスでの演奏でしたが、音響のセッティングや場内の観客の雰囲気など、色々なものが影響して、結果として演奏の質が変わってきます。なんというか、気持ちよく歌えたり、そうでなかったり、なんか変な音が出ていたり、パシーっと音があったり、曲毎に変わります。

 「今日はなんか変だよね」と仲間に言うと「ライブは生き物ですから」という返事です。「だから難しいし、また、おもしろいんですよね」とも、言いました。

 なかなか経験者は語りますね。

 きちんとした練習とセッティングができた環境での演奏は、なかなか気持ちの良いものですが、どうも聞くと、ライブの場合そうでない場合が多いようですね。場の雰囲気を読みながら、現場にあわせながら演奏をする。そして、それなりの結果を出す。それが、ライブ演奏だそうです。良い経験になりました。

 そういえば経営もまさしく「ライブ演奏」ですね。良い条件ばかりで経営はできません。外部環境、内部環境の分析をきちんとしておきながら、状況あわせて戦略を打つ。なるほどーって感じです。

 今日はよい息抜きとなりました。風邪気味だった体調も吹っ飛び、元気になりました。なお、ITソリューション営業部の皆さんは大変場を盛り上げていただき、ありがとうございました。 

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健康には注意!

2006年01月06日 | 仕事

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 今日は東京から来られた重要取引先のY氏と、日中、ずっと打ち合わせをしていました。今年取り組む事業の詳細を詰めておりましたが、色々な検討事項があり、あっという間に時間が過ぎていました。途中、いくつかの取引先から年始の来訪があり、打ち合わせを中断しては、その対応をし、本当に気ぜわしい一日となりました。Y氏とN氏には打ち合わせに集中できず、ご迷惑をおかけしました。お許しください。

 各社の来訪は、こちらの方から年始のご挨拶に行かなければならないところですが、わざわざ弊社に出向いていただき、本当に恐縮しております。我が社のできることは、各社のご期待に添い、良い仕事の成果を生むことが使命だと思っております。非礼はご勘弁を頂きたいと思います。

 夕方からは、積み上がっている諸課題について再度洗い出しを行い、スケジュールへの落とし込みをしていました。そして、当面やらなければならない、提案書の作成なども、併せて行っておりました。

 気がついたら深夜12時を回っておりました。

 しかし、まだ、ITソリューション営業部のI君とY君、システム担当者のKさんが残って仕事をしており、「本当によく仕事をするなあ」と感心しながら、また、「うまく、時間のやりくりをしてもらって、楽しんで仕事をしてほしい」 と心配しながら、倉庫にあった栄養ドリンクを渡しておきました。

 「ありがとうございます」と元気に返事をしてくれましたが、いや、本当にみんなやる気ありますよ。そんな姿を見ていたら、私は弱音が吐けませんね。「克己」です。

 今日は若干熱っぽく、昨日、自宅の居間でうたた寝をしたのが響いていたのか、風邪気味でした。

 だめですね。ホットカーペットの上で横になってテレビを見ていると、直ぐ、眠たくなってしまいます。おそらく、うたた寝をしている姿は、周りから見ると、粗大ゴミ状態なのでしょうね。



 「健康には気をつけないと」と、そんなことを思っておりますが、今日の日中は、気ぜわしさのためか風邪気味なことをすっかり忘れていました。


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仕事始め

2006年01月05日 | 仕事

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          年始の神事の様子(三島神社神主殿)

 今日からわが社の仕事めでした。年始の恒例で、三島神社の神主さんをお招きし、社内安全、商売繁盛の御祈願を頂きました。もう18年目になるでしょうか、区切りのときに心を厳かにし、自分や仲間の安全と会社の将来を祈願するのは、良いわが社の文化だと思っております。お神酒を全員に注ぎ、私の音頭で年始の乾杯をさせていただきました。

 
 

 仕事始めの神事が終わり、続いて恒例の「今年の抱負」の発表を全員で行いました。各自、お正月に「2006年今年の抱負」を原稿用紙に書いてもらっていました。各自が順番に全員の前に立ち、きちんと「今年の抱負」を発表する姿は、年の初めとしてのけじめある姿で、大変すがすがしいものを感じました。皆さんの真摯な姿勢で、気持ちよく一年スタートが切れました。

 私のほうも「今年の社長としての抱負」ということで、次の5点を重要事項に挙げました。戦略的なものは中期経営計画や、年度計画で示すとして、今年、「特に力点を置いて経営をしたいこと」ということで、示しました。

 経営指針(理念・ビジョン・戦略・計画)の実現を通じて、マネジメント(プラン・ドゥ・チェック・アクション)の仕組みを定着させる
 微差・僅差の強化改善を徹底する
 各部門の専門性を遺憾なく発揮させる
④ 人事考課・人材育成の仕組みを確立する
⑤ 委員会運営の定着を図る

 どの項目に関しても、現在進行形のものばかりですが、更なる質向上を目指して、全社で注力して取り組んで行きたいと思っています。各項目の詳細は「今年の抱負」でお話をした通りです。社内のグループウェアのほうにもアップしておきますので、社員さんにおいては再度詳細を確認して置いてくださいね。

 今年は長年手がけてきたことが、実績として社会に示すときが来たとも思っています。全員ですばらしい年にしたいと思っています。よろしくお願いいたします。


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凡事徹底

2006年01月04日 | 仕事

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バンド練習風景

 昨日の夜は、コンサートに向けて、最後の追い込み練習でした。でも、所詮アマチュアバンドですから、最後のところは「みんなで楽しんだら良いよね」ということで、完成度という点については折り合いがつきました。

 まあ、コンサートとはいってもライブハウスを借りきってのミニ・コンサートです。仲間でお酒を飲みながら、音楽楽しもうということですから、簡単に言うと、私たちのバンドはお酒の肴みたいなものです。まずい肴にならないように、とにかく練習をしておこうという事でした。

 愛器「マーチンD45」

 あと、もう一回くらい練習が必要かな、ということで、みんなとは別れました。本番のできはどうでしょうか。おたのしみに。

 ところで、今日はお役所などの仕事始めでしたが、わが社は恒例で、明日までお休みです。午前中は、まだまだ遅れている文献レポートの作成(私が言いだしっぺですから、責任あります)をしました。今日の課題文献は「凡事徹底」(鍵山秀三郎著)でした。

 以前にも読んだことのある文献ですが、あらためてじっくり読むと、またまた、いろいろな気づきがあります。特に「微差、僅差の積み重ねが、結果的に大きな成果につながる」という部分は、これからのわが社にも大切な考え方だと思いました。

 小さなことの積み重ねを辛抱強く行うこと、多くの人は馬鹿みたいに思えて、なかなかできていないのが現状です。でも、その小さな積み重ねが「絶対差」につながるということ、しっかり学ばなければなりませんね。

 午後からは経営研究会のメンバーと打ち合わせ、そして、夜はお客様からの緊急の呼び出しなどで、会社は仕事始めではありませんでしたが、個人的にバタバタとした仕事始めとなりました。

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克己

2006年01月03日 | ノンカテゴリー
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 昨日は、日中ずっと課題文献のレポート作成をしていました。少し手を抜いていたので、未作成の文献がたまってきています。昨年の暮れ、文献委員のY君から、社員さんの文献提出状況の一覧が公開されましたが、自分の提出状況をあらためて確認し、大いに反省をした次第です。



 昨日の文献は「自己を勇気づける言葉」田舞徳太郎著・ですが、結局レポート作成が原稿用紙21枚になってしまいました。この文献はエッセイ集なので、細かくテーマが分けられています。なので、要約しようとすると、それぞれに文字数が必要となり、最初は原稿用紙10枚程度を目標としていましたが、それでは全く要点を掴むことにはなりませんでした。

 あらためて、文章を要約することの大変さを感じた一日でした。

 しかし、やはり本を丁寧に読むというのは良いことですね。色々な学びがあります。今回の文献も筆者が50歳の時に書かれた本ということで、私との意識レベルの差や、考え方の差、人生に対する取り組み姿勢の差を感じることができ、刺激を受けました。

 そして、いくつかの「珠玉の言葉」もありました。そういう意味で文献レポートといい「男たちの大和」といい、心の栄養という意味では大変有意義な一日でした。

 今日はこれから会社で仕事です。S専務と仕事の打ち合わせです。S専務も年末年始返上で、大事な資料作成に取り組んでいます。日中は会社に隠り、彼としっかり打ち合わせをしたいと思います。

 さて、私の今年のテーマは「克己」です。10年ビジョンも明らかになり、中期3カ年計画、単年度計画も、この3月までで明らかになります。会社の仕組みに関しても、一定の仕組み作りができてきました。後は目標に向かってやるだけです。

 そして、そのことに、誰よりも熱意をもって取り組まなければならない私が、「自分に負けない」事だと思います。私の妥協や諦めや怠惰が、社員さんのやる気を失わせることにもなりますね。大変厳しい言葉ですが「克己」を今年のテーマ、いやこれから10年のテーマにして、自分を戒めてゆきたいと思います。

 昨日の文献「自己を勇気づける言葉」の中にあった「道に徹する」という部分に、「中途半端に生きている人間にはわからぬ修羅場もあるが、道に徹する人はその苦労さえも自分の肥やしにする。何の世界にしろ、道はその人を大きくする」という事が書いてありました。

 私は、我が社が歩む道を、大切にして行きたいと思います。

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教えられるもの

2006年01月02日 | 仕事
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♪それでも この国をたまらなく愛しているから
 もう一度生まれ変わったら わたしの名を呼んでください
 寒さに震える夜も 流れる涙積もる夜も
 もう一度生まれ変わったら あなたをけっして離しはしない

 私の胸の中へ帰っておいで 気高いあなたの勇気を抱きしめたい 
 ひそやかな海に咲いた白い花たちが 今わたしの体に折り重なる

 クローズ ユア アイズ 瞳を閉じれば
 あなたがわたしに微笑みかけるよ
 クローズ ユア アイズ 希望へ駆け上る
 あなたが永久に生きている・・・♪

「男たちの大和」エンディングテーマ (長渕 剛 クローズ ユア アイズ)
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<昭和20年4月7日>
12時35分頃・・第1次攻撃開始、敵機約90数機が急降下爆撃を開始

12時41分・・・後檣附近に中型爆弾2命中

12時45分・・・魚雷が1本、左舷に命中。射撃を目測に頼る対空砲火は、厚い雲に阻まれて大和は主砲を使うことができなかった

13時35分・・・第2次攻撃開始、アメリカ軍の雷撃機が、6本の魚雷を投下、3本命中

13時44分・・・さらに2本がまた左舷に命中、大和は左に傾いたが、ここで注排水システムが作動、平衡を取り戻す。アメリカ軍は巧妙だった。魚雷はほとんど、大和の左舷ばかりを狙う。大和の注排水システムは、やがて限界に達した。その直後、3本の魚雷が大和に命中、再び傾いた大和は、バランスを取り戻すことはできなかった

14時17分・・・またも魚雷が左舷中央部に命中、大和は傾斜が大きくなった。長官は、戦闘続行不能を認め、特攻作戦中止命令を下す

14時22分・・・大和は横転、大爆発を起こした。沈没によって命を落とした乗組員は、3000人以上

 攻撃開始から撃沈されるまでの時間は、わずか1時間50分足らず。世界に誇れる不沈戦艦は3000以上の死者を伴い、沖縄沖の海に沈む。

参考資料:原勝洋著作
「真相・戦艦大和ノ最期」KKベストセラーズ(2003年)
「戦艦大和のすべて」インデックスコミュニケーションズ(2005年)


 「進歩のない者は決して勝たない。負けて目覚めることが最上の道だ。日本は進歩ということを軽んじすぎた。私的な潔癖や徳義にこだわって、真の進歩を忘れていた。敗れて目覚める。それ以外に、どうして日本は救われるか。今、目覚めずしていつ救われるか。俺たちは、その先導になるのだ。日本の新生に先駆けて散る。まさに本望じゃないか。」

 映画の中で長嶋一茂扮する海軍士官の言葉が耳に残ります。

 今日は久しぶりに映画を見に行きました。何度も何度も眼が熱くなり、涙を禁じ得ませんでした。わたしは戦争体験者ではありませんが、これほどの沢山の人が死んでゆかなければならない戦争は、二度と起こってほしくありません。

 まだ、世界のどこかで戦争が起こっています。早く世界の人々が平和に暮らせる日が来てほしいと、本当に願っています。

 私たちは、過去の戦争から教えられるものがあると思います。そして、それらのことをこれから先の人たちにも、きちんと伝えていく役割があると思います。
 これから先に、けっして同じ過ちを繰り返さないためにも・・・。

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