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*この日記は日々の行動を小説風に書き留めたものです。
平成18年1月21日(土曜)晴れ
栄一が小説風ということでブログを書き始めて、10日が過ぎようとしている。その間、栄一は何人かからこのブログについての感想を聞いている。
「前とあまり変わってないような気がするんだけど」
「前の文章に栄一と付けただけじゃない」
「大変だね、書くの・・・」
「前の方が書き手の素直な気持ちが伝わったと思うんだけど・・・」
「あれ、そういえば、文章に何々・・・というのが多いですね、あはは」
栄一はそういった言葉を聞くたびに、やめておけば良かったと、後悔している。そして、自分に言い聞かすように、やり始めたことだから、もう少し続けてみようとも思っている。
(小説を書くということを安易に思いつきすぎた。そもそも、自分の学生時代を振り返ってみても、理工系の勉強は一生懸命やったが、文系の勉強は全く横に置いていた。国語だの文学などという勉強は、好きくないと思っていた。それなのに、何を血迷ったのか、くくくっ)
栄一は一昨日まで参加していた、経営者セミナーでの会話を思い出していた。
(しかし、みんな人ごとだと思って好きなことを言ってくれる。こっちは一生懸命書いているのに、もう少し気を遣えよ・・。特に三好は落胆の顔をして言っていた。優しく微笑みながら言ってくれれば、少しは気が楽になるのに・・。全然気を遣わないんだから。俺だったら年上の先輩にはもう少し言葉を選ぶし、気を遣う。)
栄一は八つ当たりしているという自覚は持っている。しかし、自分の気持ちが収まらないのだ。
------------------
栄一は午後から会社に出社した。専務の坂野と摂津が一生懸命仕事をしていた。自動車部門の徳永も出社している。年度末の3月に向かって、仕事の追い込みになっている。栄一の方も溜まっている仕事の処理に会社の出てきた。今日、明日とやっておかないと大変になるということからだ。
栄一は夕方会社を離れ、もう一度仕事のために会社に戻っている。もうすでに坂野と摂津と徳永は退社をしていた。入れ替わりにシステム開発の日下が出社をしている。
日下が栄一のところに近づき、いつもの冷静な顔でおもむろに言う。
「社長、いつもブログは見ているのですけど、個人的には前の方が良かったと思うんですよ。前の方が、社長の気持ちが素直に出ていたと思うんですけど」
栄一は、(また言われた)と、一瞬心が動揺した。栄一は気を取り直し、ここは気に障った顔をしてはいけないと、何事もないような顔で対応する。
「あぁ、そう、なかなか難しいんだよね。まあ、もう少し、見ててね。見なれてくると、もっと良くなってくるから」
栄一は「見慣れる」という問題ではない、「内容の問題」であるということをわかっている。それだけにつらい。心ここにあらずということか、栄一が日下とする会話は上滑りとなっている。
-------------------
栄一は、夜12時を回って帰宅をした。妻の理香がパソコンを見ている。
「あのー、ブログだけど、前の方が良かったと思うんだけど・・」
栄一は、仕事疲れが幸いしてか、脳が反応しなかった。
栄一は黙って理香が見ているパソコンを交代し、検索サイトに”小説の書き方”というキーワードを入力した。
栄一はしばらくじっとパソコンを眺めている。
つづく
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平成18年1月21日(土曜)晴れ
栄一が小説風ということでブログを書き始めて、10日が過ぎようとしている。その間、栄一は何人かからこのブログについての感想を聞いている。
「前とあまり変わってないような気がするんだけど」
「前の文章に栄一と付けただけじゃない」
「大変だね、書くの・・・」
「前の方が書き手の素直な気持ちが伝わったと思うんだけど・・・」
「あれ、そういえば、文章に何々・・・というのが多いですね、あはは」
栄一はそういった言葉を聞くたびに、やめておけば良かったと、後悔している。そして、自分に言い聞かすように、やり始めたことだから、もう少し続けてみようとも思っている。
(小説を書くということを安易に思いつきすぎた。そもそも、自分の学生時代を振り返ってみても、理工系の勉強は一生懸命やったが、文系の勉強は全く横に置いていた。国語だの文学などという勉強は、好きくないと思っていた。それなのに、何を血迷ったのか、くくくっ)
栄一は一昨日まで参加していた、経営者セミナーでの会話を思い出していた。
(しかし、みんな人ごとだと思って好きなことを言ってくれる。こっちは一生懸命書いているのに、もう少し気を遣えよ・・。特に三好は落胆の顔をして言っていた。優しく微笑みながら言ってくれれば、少しは気が楽になるのに・・。全然気を遣わないんだから。俺だったら年上の先輩にはもう少し言葉を選ぶし、気を遣う。)
栄一は八つ当たりしているという自覚は持っている。しかし、自分の気持ちが収まらないのだ。
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栄一は午後から会社に出社した。専務の坂野と摂津が一生懸命仕事をしていた。自動車部門の徳永も出社している。年度末の3月に向かって、仕事の追い込みになっている。栄一の方も溜まっている仕事の処理に会社の出てきた。今日、明日とやっておかないと大変になるということからだ。
栄一は夕方会社を離れ、もう一度仕事のために会社に戻っている。もうすでに坂野と摂津と徳永は退社をしていた。入れ替わりにシステム開発の日下が出社をしている。
日下が栄一のところに近づき、いつもの冷静な顔でおもむろに言う。
「社長、いつもブログは見ているのですけど、個人的には前の方が良かったと思うんですよ。前の方が、社長の気持ちが素直に出ていたと思うんですけど」
栄一は、(また言われた)と、一瞬心が動揺した。栄一は気を取り直し、ここは気に障った顔をしてはいけないと、何事もないような顔で対応する。
「あぁ、そう、なかなか難しいんだよね。まあ、もう少し、見ててね。見なれてくると、もっと良くなってくるから」
栄一は「見慣れる」という問題ではない、「内容の問題」であるということをわかっている。それだけにつらい。心ここにあらずということか、栄一が日下とする会話は上滑りとなっている。
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栄一は、夜12時を回って帰宅をした。妻の理香がパソコンを見ている。
「あのー、ブログだけど、前の方が良かったと思うんだけど・・」
栄一は、仕事疲れが幸いしてか、脳が反応しなかった。
栄一は黙って理香が見ているパソコンを交代し、検索サイトに”小説の書き方”というキーワードを入力した。
栄一はしばらくじっとパソコンを眺めている。
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