*「社長つれづれ日記」アクセスランキング上位奮闘中
*この日記は日々の行動を小説風に書き留めたものです。
1月13日金曜日、今日の天気は曇り、天気予報では、夕方には雨が降るような予測も出ている。
松山市内にある東環状線と新空港通りとの交差点、車でこの地点を8時15分までに通過すると、栄一の会社には始業時刻5分前の到着となる。
栄一は、今日もほぼこの時刻にこの交差点を空港に向かって通過する。朝のこの時間は交通量も多い。信号の点滅如何では車の進み具合が大きく違ってくる。
栄一はそのことを見越して、この地点での通過時刻をリミット8時15分としている。
(予定通り)
いつものように通り過ぎてゆくフロントガラスの空に、栄一は意識を向ける。
(天気があまり良くない。すっきりしない天気だ。ところで俺の気持ちもなんかすっきりしない。昨日のことがまだ尾を引いているか・・・。いや、もう気分を変えよう。いつまで考えていても仕方がない)
-------------------------
朝の栄一の会社は活気がある。特に、ITソリューション営業部は人数が多いせいか、一斉に「おはようございます」いう挨拶は、見ていて気持ちがよい。
栄一の会社は、挨拶や電話の応対がよいことで、お客様からよく褒められている。
(挨拶にはお金がいらない。お金をかけないで会社のことを宣伝できる。良い印象を社外に与えることで、会社の差別化にもつながっている。挨拶は戦略だ)
栄一はそう思っている。
----------------------------
東環状線に「そば吉」という老舗のそば屋がある。丁度昼時と言うこともあり、人でごった返している。栄一は、立命館大学の松本朗教授、愛媛県中小企業家同友会の鎌田事務局長と一緒にここで食事を取っている。
「私は、松本先生が松山にいるときの足みたいなものですから」鎌田流の信頼表現である。
松本は今日、京都から帰ってきた。
松本は自分が松山空港に到着する時間にあわせて鎌田を呼び出している。なにやら打ち合わせがしたかったようだ。
松本は、昨年3月まで愛媛大学法文学部の教授であった。立命館大学から請われ、現在は転籍をしている。栄一と鎌田にとっては大変世話になった恩人であり、また、良き友人でもある。
「裏切り者・・・」
栄一は松本に会うたびにそのような言葉をはいている。松本の転籍を残念に思うあまり、また、愛すべき友人としての思いからである。
-----------------------------
フェローシステムの三好は物足りなさそうな顔をして立っている。
栄一の午後は「HAIKU・コミュニティ」の打ち合わせ会議に出席している。その会議でずっと三好と一緒だった。経済産業省や松山市からの出席者もあり、熱心にこの事業の方向性について議論がなされている。途中官人は退出したが、後のメンバーで、夜7時過ぎまで議論が続いた。
そして、その後、コンソーシアム仲間との懇親会である。その中でも、まちづくりやこの事業に関する意見交換をしている。みんな熱心だ。話が尽きないこともあったが、11時にお開きとなった。
「まだどこかに行くの?」
「一緒に行きません?」
「俺は帰るよ、じゃあね」
栄一は三好の物足りなさそうな顔を振りきり、繁華街を後にした。
(今週は夜の飲食が続いている。三好とは10歳も年齢が違う、つきあいきれん・・・)
栄一の足取りは、少々「がに股」の不健康な足取りになっていた。
つづく
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1月13日金曜日、今日の天気は曇り、天気予報では、夕方には雨が降るような予測も出ている。
松山市内にある東環状線と新空港通りとの交差点、車でこの地点を8時15分までに通過すると、栄一の会社には始業時刻5分前の到着となる。
栄一は、今日もほぼこの時刻にこの交差点を空港に向かって通過する。朝のこの時間は交通量も多い。信号の点滅如何では車の進み具合が大きく違ってくる。
栄一はそのことを見越して、この地点での通過時刻をリミット8時15分としている。
(予定通り)
いつものように通り過ぎてゆくフロントガラスの空に、栄一は意識を向ける。
(天気があまり良くない。すっきりしない天気だ。ところで俺の気持ちもなんかすっきりしない。昨日のことがまだ尾を引いているか・・・。いや、もう気分を変えよう。いつまで考えていても仕方がない)
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朝の栄一の会社は活気がある。特に、ITソリューション営業部は人数が多いせいか、一斉に「おはようございます」いう挨拶は、見ていて気持ちがよい。
栄一の会社は、挨拶や電話の応対がよいことで、お客様からよく褒められている。
(挨拶にはお金がいらない。お金をかけないで会社のことを宣伝できる。良い印象を社外に与えることで、会社の差別化にもつながっている。挨拶は戦略だ)
栄一はそう思っている。
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東環状線に「そば吉」という老舗のそば屋がある。丁度昼時と言うこともあり、人でごった返している。栄一は、立命館大学の松本朗教授、愛媛県中小企業家同友会の鎌田事務局長と一緒にここで食事を取っている。
「私は、松本先生が松山にいるときの足みたいなものですから」鎌田流の信頼表現である。
松本は今日、京都から帰ってきた。
松本は自分が松山空港に到着する時間にあわせて鎌田を呼び出している。なにやら打ち合わせがしたかったようだ。
松本は、昨年3月まで愛媛大学法文学部の教授であった。立命館大学から請われ、現在は転籍をしている。栄一と鎌田にとっては大変世話になった恩人であり、また、良き友人でもある。
「裏切り者・・・」
栄一は松本に会うたびにそのような言葉をはいている。松本の転籍を残念に思うあまり、また、愛すべき友人としての思いからである。
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フェローシステムの三好は物足りなさそうな顔をして立っている。
栄一の午後は「HAIKU・コミュニティ」の打ち合わせ会議に出席している。その会議でずっと三好と一緒だった。経済産業省や松山市からの出席者もあり、熱心にこの事業の方向性について議論がなされている。途中官人は退出したが、後のメンバーで、夜7時過ぎまで議論が続いた。
そして、その後、コンソーシアム仲間との懇親会である。その中でも、まちづくりやこの事業に関する意見交換をしている。みんな熱心だ。話が尽きないこともあったが、11時にお開きとなった。
「まだどこかに行くの?」
「一緒に行きません?」
「俺は帰るよ、じゃあね」
栄一は三好の物足りなさそうな顔を振りきり、繁華街を後にした。
(今週は夜の飲食が続いている。三好とは10歳も年齢が違う、つきあいきれん・・・)
栄一の足取りは、少々「がに股」の不健康な足取りになっていた。
つづく
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