社長つれづれ日記

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会談

2006年01月14日 | 仕事
*「社長つれづれ日記」アクセスランキング上位奮闘中
*この日記は日々の行動を小説風に書き留めたものです。


 松山市三番町に、マルブンDKというイタリアンレストランがある。このレストランは、かつて松山市内の政財界人が出入りした、桃太郎という由緒ある料亭を改装してできたものだ。玄関を入れば土間があり、一段上がった板間の廊下を進むと、コック長が笑顔で働くキッチンが見える。そのキッチンを見ながら左に折れると、和洋折衷の洒落た広い客室がある。左には4人掛けのテーブルがいくつかあり、右にはカウンター席がある。左のテーブルの窓越しには、旧料亭の名残である、風情ある庭が見える。奥のもう一段上がった座敷には、掘りごたつ風にしたテーブルが20席ほどある。



 (沢山人が入っている)

 この店の、夜のこの時間帯はいつも若い女性で賑わっている。

 レストランには唯一個室がある。それは広い客室に入る入り口近くにあり、四畳半ほどの広さの畳間にしてある。入り口はわざと腰の高さまでにして、頭を打ちそうな造りである。

 栄一が、かがむようにふすまを開けて入っていくと、真鍋と片岡と世良の顔があった。

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 栄一は昼から会社に行き、提出しなければならない資料づくりをしている。会社は休みだったが、セールスエンジニア部の本田とシステム開発部の日下も出社していた。

 (休みなのに、ご苦労様だ)デスクトップパソコンのスイッチをおしながら栄一は思った。 

 日下は社内のグループウェアであるノーツのカスタマイズについて色々栄一に答えている。

 「ノーツ6.5から7へのクライアントバージョンアップは、当面私と社長のところで試しておきましょう」

 「色々やることがあるようだから、社内のことは当面無理をしなくて良いよ」
 
 栄一は自社のことを「紺屋の白袴」といつも思っている。お客様のことが優先するあまり、自社のOA化が思ったように進まない。仕方がないということと、何とかしなければという気持ちとの間でいつも葛藤している。

(本音は、早くやってもらいたいのだが・・・、今は無理を言うまい)

 今回もお客様優先である。

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 真鍋はこのマルブンdkの店主である。他に2店舗を経営し、今売り出し中の経営者だ。片岡は愛媛経営研究会の会長である真鍋の女房役だ。事務局長という大変手間のかかる役割を、自分の仕事の合間を縫って器用にこなしている。世良は事務局員と言うことで片岡をサポートしている。

 遅れて三好が入ってきた。栄一はこの三好と昨日も一緒だった。よく行動がかぶる。

 「よく合いますね」

 お互い顔を見合わせて笑う。

 三好も片岡をサポートする愛媛経営研究会の事務局員だ。きょうの事務局員会議に参加をしている。

 栄一は愛媛経営研究会の「夢づくり特別委員会」の副委員長だ。愛媛経営研究会の10年ビジョンを描くことが委員会の役割だが、今日は委員長代理という立場で参加をしている。将来の事務局体制について、夢づくり特別委員会のビジョンも影響するだろうと言うことで参加をしている。

 事務局運営の話もほどほどに、互いに経営の話で盛り上がる。良き仲間の会話がそこにある。こうやって栄一たちはお互いに刺激し合い、そして、明日への活力につなげている。互いの仕事のやり方、社員教育、経営者としてのリーダーシップなど、互いに学ぶことが多い。

 (みんな色々考え、そして、努力している、遅れは取るまいぞ・・・)

 栄一は胸の奥に、静かな闘志を燃やせていた。
 
つづく

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