夜道の鼻歌ご用心

今日も今日とて会社を出て実家へ行く前にスーパーに寄って買い物をし、実家への道を急いでいました。
午後７時過ぎの道はすれ違う人もおらず、車道を走る車のライトが時おり辺りを照らすのみ。
つい気が緩んで鼻歌を歌っておりました。
か～れはち～るし～ろォ～い～テラスの午後３時～♪
声はだんだんと大きくなって、伴奏つきでノリノリでした。
ボ、ボボン、ボンボン、よんじゅういっさいの春だから～ワワワワ～♪
最後まで歌い上げたところで、工事現場の囲いの中から作業服姿の若い男性が３人、突然出てきて一斉に後ろを振り向き、私を見ました。
その中の１人がプッ、と吹き出すと３人はワハハハハ～と笑いながら走り去って行きました。
闇の中に１人取り残された私は、めっさ恥ずかしかった。
この時間帯、この道はしばらく通るまい、と心に決めました。
９時過ぎ実家の帰り道、車道を挟んだ向こう側を自転車で走る女性がノリノリで、映画タイタニックの主題歌を歌っていました。
そして私に気づいたとたん、歌はピタッと止みました。
誰もいない夜道には、何か人の心のタガを外してしまう魔力があるのでしょうか。