宴の後

今日は仕事先にて、お招きという名の強制参加型忘年会でありました。
毎年お招きにあずかる宴は豪華絢爛でありますが、すべてが虚飾に見えてしまうのはきっと私の心がひねくれているからでありましょう。
恭しく始まるファンファーレは、畏れ多くもノーベル賞のパーティーの始まりと同じ楽曲で、乾杯しながらも貼りつけた笑顔が苦笑いになってやしないかといつも緊張してしまいます。

せっかくの料理にも手をつけず、数十あるテーブルを蝶のように舞い、瓶ビールを片手にお偉い様方のテーブルを回る者、今夜のために精一杯のお洒落をした人、各地の支店から駆け付けた方など、組織内の力関係や悲喜こもごもが凝縮された年に一度の虚飾の宴。

終わる頃には疲労困憊、ああやっと今年も年貢を納めることが出来て良かったと、どこかで一杯ひっかけて厄落としでもして帰りたいけれど、お土産の大きな袋が邪魔で諦めました。
けれども日付が変わる前に家路につくことができただけでもありがたい、家に近づくにつれヒールの音も軽やかになってゆくのでありました。