北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

床それとも天井

2005年11月08日 | カラマツ住宅
 床なのか天井なのか?
 2階の床材には、35mmのトドマツの床三層パネルを直接張っています。
ですから通常の根太という床下地材や構造用合板を省略しています。
根太がないので直接横架材(梁)に釘打ちとなるので、床の剛性がUPして構造的に粘り強い建物になります。
 また、床の下に天井を作らないで床三層パネルの裏面を仕上げとしています。
ですから通常の天井も省略しています。
よって床と天井を兼ねることによりローコストになっています。
さらに天井がないので部屋の高さが30cmほど高くなり、広い空間になります。
また、カラマツの梁が力強く見えませんか。

でも良い事ばかりではありません、施工者はちょっと大変なのです。
取り付けた床三層パネルが即仕上げ材ですから、傷を付けないように養生をしたりと気を使わなければなりません。
更に照明器具などの配線をどの様にするか悩むところです。
天井がないので配線が丸見えになってしまいます。
そこで露出配線などでよく使うモールをカラマツに溝を付けて取り付けてみました。
黒い円筒状のダウンシーリングが2ヶ所取り付けているところがそうです。
また、2階のコンセントの配線も上の天井から配線となるので、気をつけないといけませんね。
まあ、これらは施工サイドの問題で、オーナーさんのデメリットではないです。
ただ、2階の音が良く聞こえるといったことがあります。
M邸ではリビングに吹抜けがあり、2階と一体の空間になっているので音の問題は承知のことでした。

設計者はデザインばかりではなく電気・設備といったトータルなディテールを考えなければなりません。

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