エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

連合メイディにおける鳩山総理の雇用政策発言

2010-04-30 08:16:59 | Weblog
 4月29日連合メイディにおいて、鳩山総理は「成長戦略を作り替えることで多くの雇用を創出できる。連合とタッグを組んで雇用政策を作りたい」と連合に対して連携を呼びかけました。
 5月末または6月初めに閣議決定が予定されている「新成長戦略ロードマップ」において、グリーンイノベーション140万人、ライフイノベーション280万人の内実を説得的に示せるかどうか、政治的に切羽詰まった政権の鼎の軽重が問われています。

リチウムイオン電池の中国・ロシア連携

2010-04-30 00:18:36 | Weblog
 ロシアのナノテク技術の国営インキュベーター、ロスナノは、中国のリチウムイオン電池大手の雷天能源集団と合弁で、リン酸鉄リチウム(LFP)電池工場をノボシビルスクに設立します。
 雷天能源集団は、第一汽車などに向け電動のバス、マイクロバス用蓄電池を生産しています。同集団の電池は充放電を繰り返すと充電容量が縮小するように感じる「メモリー効果」が発生しない上、a.1回の充電で走行350キロ、b.最大700アンペア時の大容量、c.30分未満の短時間充電を可能とする特殊な技術、が盛り込まれています。
 また、ライバルメーカーよりも価格を安くできるため、欧州メーカーでは、既にダイムラー、フィアット、BMW、シトロエンなどの欧州自動車大手やノキアも導入実験をしています。
 ロスナノによると、11年に年産3億アンペア時の容量で製造を開始し、12年以降4億アンペア時に拡大する計画です。既に中国の電気自動車メーカーへの供給契約が締結されており、生産されたLFP電池の大部分は中国に輸出されます。段階的にロシア国内市場向けも拡大し、15年に売上高171億ルーブル(1ルーブル=約3円)を目指します。
 投資総額は138億8,000万ルーブル。ロスナノが77億4,000ルーブル、雷天が22億4,000万ルーブルを拠出し、残りの39億ルーブルは第三者から調達します。
 また、13年には開発拠点をノボシビルスクにあるロシア科学アカデミー・シベリア支部固体化学・メカノケミカル科学研究所に移設し、電動車両の走行能力を2倍にする研究を行う計画です。工場はロシアで唯一LFP電池の原料を製造している核燃料大手トベル傘下のノボシビルスク化学精鉱の敷地に置かれます。同敷地内にはロスナノが10億ルーブルを投じて科学研究センターも設立する予定です。

中国経済は沿海部から中西部の発展という段階に

2010-04-29 17:06:58 | Weblog
中国経済は2009年通年のGDP成長率が8.7%と、政府が掲げた「8%前後」の目標を達成しました。31の省・自治区・直轄市の域内総生産(GRP)をみると、26地域で成長率が2ケタを記録しました。特に上位の9地域が中西部にあり、内陸地域の成長ぶりが目立っています。
 GRP成長率が最も高かったのは内モンゴル自治区(16.9%)、次いで天津市(16.5%)、重慶市(14.9%)、四川省(14.5%)、広西チワン族自治区(13.9%)の順です。
 成長率上位11地域(第10位が同率で2地域ある)のうち、第2位の天津市、第10位の遼寧省を除いて、すべて中西部となりました。一方、1ケタにとどまったのは、広東省(9.5%)、浙江省(8.9%)、上海市(8.2%)ですが、それでも8~9%という高率です。

中国における国家能源(エネルギー)委員会の発足とその背景

2010-04-28 05:28:19 | Weblog
 中国国務院は、国家能源(エネルギー)委員会を発足させました。同委員会は、中国のエネルギー発展戦略の立案、エネルギー分野の安全と発展に関する重要テーマの審議、国内のエネルギー開発と国際協力の重要事項についての協議を行います。
 委員会の主任は温家宝総理、副主任は李克強副総理。委員21人には主要閣僚が名を連ねています。弁公室主任は国家発展改革委員会主任、副主任はエネルギー局の局長が兼任し、弁公室の実務はエネルギー局が担当します。
 中国では1980年に国家エネルギー委員会が発足しましたが、2年後に廃止されました。88年にもエネルギー部が設立されたが、93年に廃止となり、以来10年以上、エネルギーを一元的に管理する部門がありませんでした。その後08年の国務院機構改革で、国家エネルギー局の設置とハイレベルの協議機関である国家エネルギー委員会の設立が決まりまた。エネルギー局は同年8月に発足、委員会は今回ようやく発足となったものです。
 現在中国では、エネルギー問題が経済成長の制約要因として強く意識されるようになってきています。原油は国内の主な陸上油田の生産量が伸び悩んでおり、輸入量が増え続けています。海上油田の開発、石油メジャーが権益を握る中東以外からの輸入を模索する動きもみられます。
 石炭は量としては豊富で、中国の一次エネルギー生産量の4分の3を占めています。しかし、温室ガス排出削減が世界のすう勢となる中、豊富な石炭をクリーンに利用する技術が求められています。また、国土の広さ、資源の偏在、輸送インフラの未整備などから、大雪や寒波でしばしば輸送上の問題が起こり、電力不足が発生しています。
 そのほか、原子力、再生可能エネルギーの開発も、エネルギー問題の解決に向けての重要なカギです。持続的発展の実現に向け、エネルギー問題は不可避の課題です。その解決のため、各部横断的な対処が必要となっており、そのかじ取りを国家エネルギー委員会が担います。

カリフォルニア州の高速鉄道建設計画

2010-04-27 07:06:21 | Weblog
 カリフォルニア州では、環境対策、渋滞解消、地域経済活性化、雇用創出などを目的として、08年11月の住民投票で「州縦断高速鉄道建設計画」が承認されましたが、同州では、まず20年までにサンフランシスコ~アナハイム間の全長465マイル(748キロ)の高速鉄道完成を目指しています。35年までには、州都サクラメントからサンディエゴまでの800マイル(1,287キロ)をつなぐ計画です。
 サンフランシスコ~アナハイム間は総工費430億ドルに達するといわれる巨大プロジェクトで、これを州(90億ドル)、連邦(170~190億ドル)、地域(40~50億ドル)、民間(100~120億ドル)で賄うことになっています。
 この高速鉄道計画には、米国国内はもちろん日本、フランス、イタリア、ドイツ、中国なども積極的に自国技術の売り込みを図っています。2010年中に入札が行われ、落札者が決定されることになっています。

ニュージーランドのユニークな排出量取引制度

2010-04-27 00:14:58 | Weblog
 ニュージーランド国会は09年11月25日、排出量取引制度関連法案を可決し、10年7月から実施されます。その内容は、排出量取引と炭素税を合体したようなユニークなものです。
 NZ政府は、既にGHGの排出量を1990年比で20年までに10~20%削減する方針を決めています。10年7月から排出量取引制度の対象となる産業は、電力・エネルギー関連と製造業。ガスと廃棄物関連産業は13年1月から、最も排出量が多いとされる農業・酪農部門は15年1月から対象となります。酪農を中心とする農業部門が国内のGHG排出量のおよそ半分を占めており、特に温室効果の大きいメタンガスの発生源となっています。
 産業界ごとの排出量算出に当たり、NZ政府はまず産業界から報告された排出量を審査し、産業界別に排出量を策定します。それにより当該産業に属する企業は、排出量相応の価額を支払う義務を負います。
 ただし、NZ政府は企業負担を軽減する目的で、移行期間(10年7月から12年12月まで)を設け、その期間中は1ユニット(NZU:New Zealand Unit)を2トン分と計算し、移行期間が過ぎ、同制度が正式に開始されると、1ユニットを1トン分と計算します。つまり移行期間中は企業負担は半額となります。
 1ユニットは25ニュージーランド・ドル(NZドル、1NZドル=約65円)と設定されました。企業はNZ政府からこのユニットを購入することもできます。
 さらにNZ政府は、この制度の施行によって企業が海外移転を加速するのを阻止するため、排出量を企業の活動領域に応じて、企業からの申告ベースで、無償の特別枠(フリーユニット)を与えます。この特別枠は、排出量の60%もしくは90%を無償で与えるという大胆な軽減措置で、これにより企業負担は60%あるいは90%軽減されます。
 無償枠は13年から順次1.3%ずつ減少され、さらに2年後と5年後に見直されます。既にガラス、メタノール、シリコンの製造企業は90%の無償特別枠を得ています。

「地球温暖化対策基本法案」には画期的な条文が盛り込まれています

2010-04-26 00:00:12 | Weblog
 3月12日に閣議決定されて国会に提出された「地球温暖化対策基本法案」の中には、第33条「政策形成への民意の反映等」と題して、次のような画期的な条文が盛り込まれています。
「国は、地球温暖化対策に関する政策形成に民意を反映し、並びにその過程の公正性及び透明性を確保するため、地球温暖化対策に関する学識経験のある者、消費生活、労働及び産業の領域を代表する者その他広く事業者及び国民の意見を求め、これを考慮して政策形成を行う仕組みの活用を図るものとする」
20年までの中期目標「90年比25%減」にしろ、50年までの長期目標「90年比80%減」にしろ、それらに関する国の地球温暖化対策に関する政策形成にこうした民意を反映する「仕組み」の設定が法律で規定されることは画期的なことで、前例はありません。ただ、「仏造って魂入れず」にならないよう、今後ここで謳われた「仕組み」の具体化が望まれるところです。

IBMの冷凍機やスケートリンク、プールを活用したユニークな蓄電機能

2010-04-25 18:53:22 | Weblog
 スマートグリッドを構築する際のの蓄電機能に関しては、一般的にはリチウムイオン電池(車載用、家庭用)が想定されていますが、IBMがドイツのマンハイム市で取り組んでいる「E-Energy」の中では、冷凍機やプールやスケートリンクなどを電力変動吸収のために使う仕組みの実証事業が行われています。

中国でもスマートエネルギークラスターの形成が進む

2010-04-25 00:12:46 | Weblog
 中国の国家プロジェクトとして太陽電池産業基地に指定されている遼寧省錦州市で、太陽電池の生産高が05年の5億元(1元=約13.5円)から09年の80億元(見込み)へ急増しています。
 錦州市は2007年8月15日「国家火炬(たいまつ)計画」(88年8月にスタートしたハイテク産業の開発、振興を目的とする一大国家プロジェクト。主な対象は新素材、バイオ、電子・情報、光・機械・電子一体化、新エネルギー、高効率省エネ、環境保全など)で太陽電池産業基地として認可された後、「太陽電池産業発展規画」(08~12年)を制定しました。同市の「太陽電池産業基地建設に関する実施意見」では、太陽電池産業を強化し、産業チェーンを拡大し、太陽電池製品の市場展開に今後の産業指導の重点を置き、10年に太陽電池産業生産高を150億元とし、中国最大のシリコン材料生産基地を目指す、としています。
 遼寧省政府と錦州市政府は太陽電池産業を育成するため、「太陽電池産業基地建設に関する実施意見」(07年2月)、「太陽電池産業の発展促進の若干規定」(07年3月)、「太陽電池産業の起業奨励弁法」(09年3月)、「太陽電池産業を強化する関連規定」(09年6月)、「太陽電池産業基地建設に関する遼寧省政府指導チーム結成」(09年8月)など、支援策を打ち出しています。
 同市で00年に設立された陽光能源(ソーラーギガ・エナジー)は太陽電池用素材メーカーで、単結晶シリコンインゴットと太陽発電設備関連素材の生産高は中国本土第2位ですう。年産能力は太陽電池向けシリコンインゴット2,000万トン、シリコンウエハー5,600万枚で、生産量・品質面で中国トップクラスの企業です。また、世界でも数少ないシリコン原材料の再生事業も推進しています。08年3月に香港証券取引所に、09年12月には台湾証券取引所にそれぞれ上場しました。同社のウェブサイトによると、大連理工大学や渤海大学などとの産学連携や海外とのビジネス提携を進めており、住友商事が同社に出資して製品販売や顧客開拓などで提携しています。
 現在、同市には太陽電池関連メーカーが23社あります。多結晶、単結晶、シリコンウエハー、太陽電池と、それに関連した石英るつぼ、石英材料、高純度グラファイトなどの製造・加工企業の進出により、産業チェーンが形成されつつあります。15年の同産業の生産高は1,053億元と予測されています。
 09年9月22日、遼寧省戦略重点支援地域である錦州市娘娘宮臨港産業園内に太陽電池産業パークが開園しました。研究開発センター、原材料エリア、シリコン電池・部品エリア、CIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン化合物)および非結晶シリコンの薄膜電池エリア、変電所・応用製品エリアなど多くの機能が集積しています。10月23日には全国で初めて錦州市政府内に太陽光発電発展局が新設されました。
 シリコン材料は世界的に品不足が続いており、太陽電池メーカーの増産の足かせになっている。錦州市も多結晶シリコン材料の海外依存度が高いため、渤海大学の太陽電池技術開発センターは化学物理法を用いた低コストの多結晶シリコン製造方法を自主開発中です。また、市内の多くの大学に太陽電池専攻学科を新設するほか、2年以内に太陽光職業技術学院の開校を目指すなど、人材育成に力を入れています。
 同市は「遼寧沿海経済帯」の重点地域。太陽電池関連製品の需要が高まる中、国内最大のシリコン材料生産基地、東北最大の太陽電池生産基地、遼寧省のグリーンエネルギー都市となることを目指し、太陽電池産業を市の経済発展を支える支柱産業とすることを目標にしています。

ドイツの100万台の電気自動車導入と地域の動き

2010-04-24 14:29:13 | Weblog
 ドイツは、2009年8月に「エレクトロ・モビリティー国家開発計画」を発表し、20年までに100万台の電気自動車を国内に普及させる目標を立てています。
 この目標達成のために国内に8ヵ所の「e-モビリティーモデル地域」を指定し、各地域に達成目標を割り振っています。ノルトライン・ウェストファーレン州州はその1つとして連邦全体の目標の25%を担い、「マスタープランe-モビリティー」を策定して20年までに25万台の電気自動車を普及させる方針です。
 具体的には総額5,000万ユーロ(連邦と州で折半、約60億円)の助成金を用意し、プロジェクトの提案を募り、州内の6ヵ所の地域で実証を行っていく計画です。技術分野は、大きく分けてバッテリー技術、車両技術、インフラ技術の3つで、どの分野に重点を置くかは地域によって異なります。
 また、デュッセルドルフ市は09年夏からフィアットの車を改造した電気自動車をPR用に導入するとともに、充電ポイントなども実験的に整備しています。