エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

リチウムイオン電池の中国・ロシア連携

2010-04-30 00:18:36 | Weblog
 ロシアのナノテク技術の国営インキュベーター、ロスナノは、中国のリチウムイオン電池大手の雷天能源集団と合弁で、リン酸鉄リチウム(LFP)電池工場をノボシビルスクに設立します。
 雷天能源集団は、第一汽車などに向け電動のバス、マイクロバス用蓄電池を生産しています。同集団の電池は充放電を繰り返すと充電容量が縮小するように感じる「メモリー効果」が発生しない上、a.1回の充電で走行350キロ、b.最大700アンペア時の大容量、c.30分未満の短時間充電を可能とする特殊な技術、が盛り込まれています。
 また、ライバルメーカーよりも価格を安くできるため、欧州メーカーでは、既にダイムラー、フィアット、BMW、シトロエンなどの欧州自動車大手やノキアも導入実験をしています。
 ロスナノによると、11年に年産3億アンペア時の容量で製造を開始し、12年以降4億アンペア時に拡大する計画です。既に中国の電気自動車メーカーへの供給契約が締結されており、生産されたLFP電池の大部分は中国に輸出されます。段階的にロシア国内市場向けも拡大し、15年に売上高171億ルーブル(1ルーブル=約3円)を目指します。
 投資総額は138億8,000万ルーブル。ロスナノが77億4,000ルーブル、雷天が22億4,000万ルーブルを拠出し、残りの39億ルーブルは第三者から調達します。
 また、13年には開発拠点をノボシビルスクにあるロシア科学アカデミー・シベリア支部固体化学・メカノケミカル科学研究所に移設し、電動車両の走行能力を2倍にする研究を行う計画です。工場はロシアで唯一LFP電池の原料を製造している核燃料大手トベル傘下のノボシビルスク化学精鉱の敷地に置かれます。同敷地内にはロスナノが10億ルーブルを投じて科学研究センターも設立する予定です。

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