エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

アメリカの電力会社デュークエネジーによるスマートメーター大量導入

2009-08-30 16:31:07 | Weblog
 アメリカの電力会社デュークエネジーは、オハイオ州とインディアナ州においてスマートメーターを大量に導入することを決め、スマートメーター会社であるエチェロンと契約しました。第1弾の契約金額は1580万ドルですが、全体では1億5000万ドルとなります。
デュークエネジーは、オハイオ州において70万台のスマートメーターを導入する法的な手続きをすでに終了しており、インディアナ州においても手続きが進行中です。
 ご関心の方は、こちらをご覧下さい。

日本IBMのスマート減CO2の取組みとその評価

2009-08-29 00:55:03 | Weblog
先日、日本IBMスマータープラネット技術推進担当の丸山執行役員のプレゼンをお聞きしました。日本IBMの取組みはいろいろ報道されていますが、その他の試みの中で、今後の市場から評価されるのではないかという観点から、以下の点に関心を持ちました。

1 System S
ー大量のセンサー情報の処理
ーストリーム処理技術
ー米政府NSA:大量の情報の中からテロリスト情報を探知するところから
ーIBM基礎研、程なく製品化

2 アナリシスソリューションセンター
ーデータ分析、最適化
ー全世界で4000人の数理科学者を動員
ー日本では東京基礎研の14人

3 万能センサー
ー統計数理研究所
ー火災、侵入、地震などを一つのセンサーで検知

4 社会システムの複雑化への対応
ー複雑なシステムの設計は、論理設計から機能設計へ
ー手法としての「道具化」(instrumentalization)=センサー、アクチュエーターなどをデジタル化して、道具として使えるようにする
ーITベンダーこそが全体設計をすべき

DOEのEnergy Innovation Hub構想

2009-08-28 06:33:29 | Weblog
スマートグリッドの一つの側面は、環境エネルギ一分野のイノベーションの創造です。その関係で、米エネルギー省(DOE)は画期的な「Energy Innovation Hub構想」を2010会計年度からスタートさせようとしています(ご関心のある方は、こちらをご覧下さい)。
イノベーションを必要とする次の8つの分野ごとに、2つの大学と1つあるいは複数の企業等からなるHubを作り、Hubごとに初年度に10百万ドルの助成金を交付し、次年度以降2千5百万ドルの支援を行おうとするものです。
必要な資金はキャップ&トレード方式の排出量オークション収入から捻出しようとしています。

1 Solar Electricity Energy Innovation Hub:PVとCSPに関する先端研究開発

2 Focus of Grid Materials,Devices and System Hub:先端パワーエレクトロニクス素材・デバイス・システム、スマートセンサー・デバイス研究開発

3 Energy Innovation Hub-Fuel from Sunlight:先端太陽光エネルギー研究開発

4 Energy Innovation Hub-Batteries and Energy Storage:電池とエネルギー貯蔵に関する研究開発

5 Energy Innovation Hub:Energy Efficient Building Systems Design:先端省エネ構造実現に関する研究開発

6 Energy Innovation Hub for Extreme Materials:原子力発電、廃棄物貯蔵・処理に関連する素材関する研究開発

7 Energy Innovation Hub for Modeling and Simulation:第3世代+軽水炉のモデリングとシミュレーションに関する研究開発

8 Energy Innovation Hub for Carbon Capture and Storage:CCSに関する研究開発

これらは、「科学局」(Office of Science)、 「省エネ・新エネルギー局」(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy)、「電力配送・エネルギー安定供給局」(Office of Electricity Delivery and Energy Reliability)、「原子力エネルギー局」(Office of Nuclear Energy)、「化石燃料局」(Office of Fossil Energy)の機能を8つの分野ごとに横割りに再編成して、スマートグリッド展開に必要な環境エネルギ一分野ごとのHubで、イノベーション創造を集中的に推進しておこうというものです。

米グリーンIT市場第2四半期の総括

2009-08-27 00:00:48 | Weblog
米調査会社による米グリーンIT市場の第2四半期(09年4月~6月)の総括が公表されています(詳しくは、こちらをご覧下さい)。
それによると、依然としてエネルギー貯蔵(蓄電)と標準化・インターオペラビリティの確保が課題として残ってはいるものの、pHV市場が伸長しました。
 太陽光と風力については、第1四半期に比して売り上げは伸びているものの、両分野への投資は激減しています。バイオ燃料も第1四半期に引き続き下降傾向です。
 キャップ&トレード方式の国内排出量取引制度の導入を規定したワックマンーマーキー法案(Waxman-Markey bill)がアメリカ議会下院を通過しましたが、その動向が注目されるところです。

GEとTendrillがスマート機器に関して戦略提携

2009-08-26 07:13:02 | Weblog
HAN・HEMSの市場が拡大しています。このような中で、アメリカの電気製品供給大企業であるGEとこの分野のスタートアップ企業であり、TREE(Tendrill Residential Energy Ecosystem;Zigbeeを活用したエネルギーマネージメントソフトを電力会社と消費者に提供する)で急速に市場に浸透しているTendrillがエネルギー負荷制御やエネルギーマネージメントのアルゴリズム開発に関して戦略提携を発表しました。
 このことは、スマートグリッド、スマートメーター対応のスマート機器を市場に送り込もうという動きが本格化し、大企業とスタートアップ企業の戦略提携にまで発展してきたことを意味します。
 GEとTendrillの戦略提携の詳細に関しては、こちらをご覧下さい。

ミネアポリスのAMIではブロードバンド無線が活躍

2009-08-25 01:00:35 | Weblog
 米ミネソタ州ミネアポリスでは、ライトヘネピン共同電力会社(Wright Hennepin Cooperative Electric Association)がAMI(Advanced Metering Infrastructure)などのスマートグリッド関連サービスを4万5000人に提供していますが、そこではアルカディアンネットワークス(Arcadian Networks)社が提供する700MHzのブロードバンド無線IP通信が活用されていることが特徴です。
 関連記事については、こちらをご覧下さい。

Power Secure Internationalによるエネルギー&スマートグリッドサービス拡大

2009-08-24 00:27:55 | Weblog
 電力会社へのエネルギー&スマートグリッドサービス提供会社であるPower Secure Internationalの発表によると、同社による電力会社へのピーク電力予測等のサービスが急速に拡大しています。09年第Ⅰ四半期は、前年同期比21%の伸びを示したということです。
 Power Secure Internationalは、電力会社だけではなく、石油ガス会社に対しても同種のサービスを提供しています。
 同社の発表に関しては、ビジネス・ワイアードが論評しています。ご関心のある方は、こちらを参照して下さい。

GEがスマートグリッド対応製品を発表!

2009-08-21 00:45:03 | Weblog
 GEは、Net Zero Home Projectとしてスマートグリッド対応製品を発表しました。
 これまでも展示会などでネットワークに接続されたアプライアンスが出展される例は日本を含め多々ありましたが、実際にSスマートグリッドのサービスの提供が開始されただけに現実感があります。
 今後、少数の牽引者となるメーカから少数機種のスマートグリッド対応製品が発表され、試行錯誤を経ながら機能が進化していくものと思われます。
 GEの発表にご関心のある方は、こちらをご覧下さい。

Google Power Meterの威力

2009-08-20 00:51:05 | Weblog
Google Power Meterは,消費者の電力利用状況をグラフィカルに表示させるための技術です。Google社は,2つの利用形態を想定しています。
第1は、電力事業者が家庭に敷設するスマートメーターを使って,家庭の電力利用状況を把握するというものです。
 ここでは,スマートメーターを使って,電力利用データを蓄積したり,外部のサービス事業者に提供したりします。スマートメーターの機種によって,15分~60分の間隔で情報のアップデートができます
 第2は、スマートメーターではなく,消費者が各自で購入する電力量計測機器を使う手法です。この場合には,機器メーカーがアプリケーション・ソフトウエアを開発するためのAPI(application programming interface)が必要になりますが、Google社 は、7月中旬Google PowerMeterで利用するAPIを機器メーカーなどに提供する方針を明らかにしました。Google社がAPIを提供するのは,機器メーカーの開発を促進させる狙いがあります。
 Google Power Meterは、スマートフォンでの動作も可能としており,既に試作も完成しています。Google社はさらに、PowerMeterの機能を,さまざまな情報通信機器に組み込むことを想定しています。
 そうなると、スマートフォンだけでなく,ディスプレイを備えた様々な機器で,Google Power Meterのアプリケーション・ソフトウエアを実行できることになります。テレビやパソコンといった一般的な家電機器のすべてに,リアルタイムに電力利用量を表示する機能が付く日もそう遠いことではありません。
Google Power Meterについては、こちらをご覧下さい。

スマートグリッドの新定義が及ぼすインパクト

2009-08-19 06:58:02 | Weblog
スマートグリッドとは何か?その定義に関してはいまだ定まったものがありませんが、2008年11月にスマートグリッドの標準化を行うことを決定したIECは、次のような定義を考えています(TC8での用語の定義(60050-617))。
 現在審議が始まったばかりのものですが、実質はアメリカがリードしており、①「双方向の通信・制御」と②「分散型データ処理とセンサ」の2つを要件としていることなどは、日本にも大きなインパクトを与えるものと考えられます。
1 スマートグリッドの定義
「双方向の通信・制御」と「分散型データ処理とセンサ」を用いる電力ネットワーク
electric power network that utilizes two-way communication and control technokogies,distributed computing and associated sensors,including equipment installed on the premses of network users
ここでnetwork usersには、発電事業者と需要家の双方を含みます。
2 上記定義への注記
スマートグリッドが備える機能の例(例示)
系統の自動化
電力品質の管理
分散型電源の管理
デマンドレスポンス
スマートメータリング
予防保全
停電時の管理
エネルギー貯蔵の管理
Note:smart grids are intended to increase the quality of the electricity supply by providing functions such as
network automation
power quality management
distributed generation management
demand response
smart metering
preventive maintenance
outage management
energy storage management