エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

90年代後半の「i」から21世紀は「eco」へ!

2008-10-31 00:15:21 | Weblog
90年代後半「IT革命」が言われたときから、「i」がファッション、流行のシンボルでした。NTTドコモの「iモード」、アップルの「iMac」、そして最近話題となったソフトバンクの「i-phone」などはそれです。
では、それらの「i」とは何を意味したのでしょうか?それを考えると、「i」に次ぐ21世紀におけるITが進化するためのファッション、流行が浮かび上がってきます。
○iモードについて
iモード」の『i』は、インタラクティブ(interactive)・インフォメーション
(information)・インターネット(internet)の頭文字の『i』、そして英語で
「私」の意味の『i』。
○i-phoneについて
iMac から始まって、 iTunes, iPhoto, iMovie. iChat, iCal など、アップル社
の製品名には頭に i の付くものが多い。音楽プレーヤiPodも同じで、その流れ
をからついたと思われる。
○では、なぜiMacが『i』か。
「 The First iMac Introduction 」 と題されたSteve Jobs ( Steven Paul
Jobs スティーブ・ジョブズ )現 Apple Inc. CEO による iMac 発表時の講演
が。その説明の中に、「 internet 」 の他に、 「 individual 」 、 「
instruct 」 、 「 inform 」 、 「 inspire 」 。

●iMacは1998年にジョブスがアップルに復帰して最初に旋風を起こした製品。
iモード開始は1999年でほぼ同時期。つまり90年代後半の流行語だったと言えます。
これに対して、21世紀ITのキーワードは「eco」です。そこには地球温暖化に伴う気候変動の深刻化、生物多様性の喪失の危機などの環境の変化に伴い「自立から自立と共生へ」というフィーリングの変化があるように思われます。

電子ポイント・電子マネーを使うことは省エネになるのか?

2008-10-30 00:06:31 | Weblog
エコポイント3・0、エコマネー2.0は、ケータイ、ICカードなどを媒体とする電子ポイント・電子マネーのITを活用するとしていますが、ITの活用はCO2排出削減にどの程度のインパクトがあるものなのでしょうか?
この点に関する定量的分析なしには、地球環境問題の解決が叫ばれる中でIT利用促進を意義付けることはできません。
90年代以降エレクトロニクス機器のIT化は急速に進展しており、組み込まれているソフトウェアの量は、ソースコードのステップ数で、自動車が500万~1000万行、携帯電話で500万行に達しています。500万行というと、1980年代半ばの金融機関のシステムに匹敵します。
従来IT化とCO2排出に関する定量的分析はなかったのですが、この10月14日「グリーンIT推進協議会」(2008年2月設立)においてはじめて、経済産業省の分析が公表されました。
それによると、IT化による社会の省エネ効果は2025年時点で4,900億kWHに達します。他方、2025年時点でのIT機器の消費電力は1,000億kWH強であるため、IT機器自身が消費する電力よりも、IT機器によって得られる社会の省エネ効果のほうがはるかに大きいことが示されています。具体例としては、役所が電子申請システムを導入することで電力を85%、自動車がITS車載ステーションを導入することでCO2を19%削減、企業が電子会議システムを導入することでCO2を79%削減できると予測されています。
家電や照明などのエレクトロニクス機器における省エネへのITの貢献度も高いとされています。家庭の消費電力は、エアコン(25.2%)、冷蔵庫(16.1%)、照明器具(16.1%)、テレビ(9.9%)で全体の7割を占めますが、ここで2010年に145億kWHの削減、2025年に457億kWHの削減が見込まれています。削減額のうちITによる貢献度は、30%程度です。

若者の「エコ意識」が急上昇中!:パソナ調査が明かす

2008-10-29 00:08:24 | Weblog
パソナグループの「若者のエコ意識調査」(東京下北沢、サンプル数246件)によると、若者の「エコ意識」が急速に高まっていることが見て取れます。調査結果のポイントは、以下のとおりです。
●環境への意識が高いと思うサミット主要国;ドイツが第1位(27.5%)、日本はフランス、カナダに次いで第4位(15.9%)
●日本の 「クールアース50」の認知度3.7%、
●エコ活動促進のために重要と思う活動主体; 個人32.9%、企業22.5%、行政21.5%、国際機関14.7%
●エコ活動をしているかどうか;「している」30.1%、「ときどきしている」53.3%、合計83.4%
●エコ活動に取り組む理由:30歳未満では「自分がしたいから」や「「ただ何となく」が多い。これに対して、30歳以上では「地球の資源に限りがあるから」が最も多い。このことから、30歳未満の若者では、エコが生活の中の“当たり前の行為”として自然に定着しつつあることが読み取れます。(2008.7.3パソナグループ自立人協会第2回若者リサーチより)
20日のブログで、エコポイント、エコマネーの「エコ」とは「エコモード」(eco-mode)のことと書きましたが、今後のエコポイントはその意味で若者も魅了する”ファッション創造型”でなければいけないでしょう。
パソナ調査にご関心のある方は、こちらをご覧下さい。

地域商店街のICカードにもエコポイント

2008-10-28 00:50:22 | Weblog
地域商店街のICカードにおいても、エコポイントの利用が可能となっています。
長野県駒ヶ根市の「つれてってカード」、伊那市の「いいなちゃんカード」はICカードを活用した商店街クレジット・デビッド・ポイントカードシステムで、1999年~2000年当時の「エコマネー1.0」に関心を持っていただいたことがご縁となり、2度ほどお邪魔して地元の方々と熱く語り合ったことがあります。
その「つれてってカード」と「いいなちゃんカード」が連携してNTTデータよりASPサービスを受けるとともに、この4月よりエコポイントのサービスも開始しています。住民基本台帳カードもサポートできるのがシステム上の特徴です。
長らく交流がなく、どうしておられるのかと思っていましたが、私が8,9年前に蒔いた種が芽を出し、青々と成長しているようです。
商店街のICカードシステムでエコポイントを導入しているものとしては、他に東京世田谷区千歳烏山が有名ですが、ASPを活用すれば日本全国の元気ある商店街に拡大する可能性があります。このASPシステムは3~4年前に実現に向けて努力したものであり、今後の展開が注目されるところです。
「つれてってカード」と「いいなちゃんカード」のエコポイントに関しては、こちらをご覧下さい。

気候変動東京会議でもエコポイントに関係する行動計画

2008-10-27 00:11:56 | Weblog
23日のブログでご紹介した「気候変動東京会議2008」は、地球温暖化対策として世界の大都市が取り組む13の共同行動計画(①省エネ型の都市づくりの推進、②冷暖房抑制など住民行動の見直し、③再生水等の利用拡大事例の共有化、④気候変動を踏まえた治水対策等)をまとめました。
東京都は13項目すべてに参加、横浜市は①と②に参加するそうです。②がエコポイントに関係する事項ですが、各都市は来年5月ソウルで開く次期会合で進捗状況を報告することになっています。
石原東京都知事は「温暖化対策は抽象論では意味がない。参加都市から具体策について同意を得ることができた」とこの会議の成果を強調しています。議長であるトロント市のミラー市長は「世界で排出される温暖化ガスの78%は大都市が占めている。われわれの行動がきわめて重要だ」と述べています。
来年エコポイントの活用に関して世界の都市の間で具体的な共同行動計画がまとまることを期待したいと思います。
ジャーナリズムによる東京会議の結果への評価に関しては、こちらをご覧下さい。

金融危機脱出のため日本は環境・エコエネルギー投資を:エコノミスト提言

2008-10-24 08:08:51 | Weblog
昨日(10月23日)日本経済新聞社が主催して「2008年景気討論会」が開催されました。日経平均株価が8,000円を割れるかもしれないという緊張感の中で(結局は、終値前日比213円安の8,460円)、木内登英(野村證券チーフエコノミスト)、小島順彦(三菱商事社長)、武藤敏郎(大和総研理事長)、深尾光洋(日本経済研究センター理事長)が最新の経済動向について慧眼を披露しました。
これらエコノミストの発言については、こちらをご覧いただきたいのですが、私が最も関心を持ったのは、小島社長が「すでに90年代末から3つの過剰(過剰設備、過剰債務、過剰雇用)を処理しキャッシュ・リッチな状態にある日本企業としては、国内のみならず国外においても省エネを含む環境・エコエネルギー投資を加速化し、日本経済の浮揚のみならず世界経済の活性化にも貢献しなければならない」と強く提言したことでした。
また深尾理事長も、麻生内閣で第2次経済対策として検討されている定額減税は景気浮揚の点でほとんど効果はなく、中国に対するグリーン投資とCDMや共同実施(JI)の活用などが世界的な景気浮揚とCO2排出削減を行う一石二鳥のものだと指摘しました。
私が「エコマネー2・0」をゴールとして掲げている理由には、世界的に”非エコ化”している資本主義を再駆動させ、環境に優しい「グリーン・キャピタリズム」を構築することがありますが、従来より個人的にエコマネーに共感していただいている小島社長や普段は物静かなエコノミストである深尾理事長の鋭い指摘は、まさに「我が意を得たり!」という感じでした。

東京からの減CO2(ゲンコツ)発信:気候変動東京会議2008

2008-10-23 08:09:01 | Weblog
昨日(10月22日)東京芸術劇場大ホールにおいて、主催者である東京都をはじめとする世界32都市の代表、東京都民など1,000人が集まり、「気候変動東京会議(C40)2008」が開催されました。
C40とは、世界五大陸の40大都市および15提携都市で構成する世界大都市気候先導グループのことです。東京のほか、ニューヨーク、ロンドン、横浜、北京、上海、バンコク、ムンバイ、カイロ、モスクワ、パリ、リオデジャネイロ、シドニーなどが参加して、各国の中央政府よりも先行して大都市が都市計画、防災、CO2排出削減対策、ヒートアイランド対策などに関する経験・ベストプラクティスの共有、技術交流、専門家交流などの具体策を推進するための協議を行う場です。
詳しくは、こちらをごらんいただきたいと思いますが、私が印象に残った発言は以下のとおりです。
●石原東京都知事:国よりも都市のほうが動きが早い。その特性をいかして大都市連携による具体的な共同計画をまとめ世界へアピールしていきたい。
●パリーIPCC適応作業部会議長:大都市連携で最も緊急なのは高潮対策。IPCCの2度上昇にとどめるというのは、とりあえずのコンセンサス。
●山本東大教授:北極圏の氷の縮小がIPCCの予測より早く進むなど温暖化は急速に進展。被害の現実化により”温暖化地獄絵”の様相になっている。材料、製品、建築物のみならず、都市そのもののエコデザイン化が必要。
●マリク研究員(バングラデシュ):途上国の都市は支援を受ける権利がある。他方、洪水などに関して途上国のノウハウを先進大都市に提供する用意もある。
●ローゼンツヴァイク上級研究員(アメリカNASA):地方都市では国を裁判に訴えてでも国を飛び越えて連携していこうという動きもある。
●末吉国連UNEP・FI:都市は国よりも動きが早いとともに、地球環境保全に向けた”文化”の創造者としてのアドバンテージも有する。市民の行動が大事で「グリーン投票」により民主主義を変革していくことが大事。
最後は1,000人の人々が感動と地球環境を守るという決意の拍手を送り、東京から「減CO2(ゲンコツ)ムーブメント」が発信されました。

経産省がエコポイントで地域NPO、民間団体を支援

2008-10-22 08:08:00 | Weblog
経済産業省は「環境負荷低減国民運動支援ビジネス推進事業」としてエコポイントを活用した地域のNPO、団体の活動を支援しています。
これは、地域において企業、市民等が連携して協議会を作り、CO2排出削減ビジネスの展開することを支援するものです。公募により1事業あたり800~1200万円の補助金(10分の10)が交付されるものです。
平成20年度にこの事業に採択された地域のエコポイント事業は、以下のものが代表例です。
NPOソフトエネルギープロジェクト(横浜市中区):省エネ家電買い替え促進事業
NPOエコデザイン市民社会フォーラム(名古屋市中区):EXPOエコマネー事業の発展
NPOまちづくりネットワーク(松江市):山陰共通エコポイントシステム普及推進事業
NPOタウンモービルネットワーク(北九州市小倉北区):公共交通を補完する「ちょこ乗り交通」とエコポイント付与システムの構築
石垣市商工会(沖縄県石垣市):いしがきエコアイランド推進事業(CO2削減エコツアー等)
経産省の補助事業の詳細は、こちらをご覧下さい。

公明党がエコポイント全国運動を提唱、東京都でも

2008-10-21 08:16:58 | Weblog
エコポイント国民運動を展開して、草の根から家庭部門のCO2排出削減を推進しようと公明党が提唱しています。
公明党は過去循環型社会形成推進基本法、クールアースディの制定などの環境政策をリードしてきましたが、今最も力を入れている政策が「エコポイント事業の全国展開」です。
この10月、国会で浜四津代表が代行参議院代表質問で取り上げたほか、東京都議会においても、大規模事業所への排出義務、それを前提とした排出量取引に引き続き、国に先行して東京都が都内共通エコポイントの導入により家庭部門におけるCO2排出削減を推進するよう働きかけを行っています。
公明党幹部による福田前総理への要望書に関しては、こちらを、最新の公明党の動きに関しては、こちらをご覧下さい。また、東京都議会公明党の動きに関しては、こちらをご覧下さい。

「エコ」とは「エコモード」(eco-mode)のこと!

2008-10-20 08:06:27 | Weblog
エコマネー2・0の「エコ」、エコポイント2・0や3・0の「エコ」とは、どのような意味なのでしょうか?
通常「エコ」は、環境に優しい、有害物の少ない、省エネが進んでいるなど「環境」のエコと考えられていますが、そもそも「エコロジー」(19Cドイツの生物学者ヘッケルがオイコスとロゴスを合成して作り出した言葉)の「エコ」は、ギリシア語の「オイコス」を音写したラテン語から来ています。ギリシア語のオイコスは、狭義にはイエを意味しますが、広義には生息地、生息圏を意味します。
そうすると、本来の「エコ」とは人間が生態系の一部として地球と共生しながら生きる、その生き方そのものを指しているということができます。
「エコ」とは狭い意味での環境に限られたものではなく、われわれ人間の活動すべて(経済、福祉、医療、教育、政治、行政など)が地球と共生する「エコモード」(eco-mode)となることを指しているのです。2~3年前に流行した「ロハス」(LOHAS)というライフスタイルも、ほぼ同義といってよいでしょう。
最近では、最先端の分野でもこのような意味で「エコ」が使われるようになっています。IT企業の「エコシステム」、技術開発・イノベーションの分野での「エコ・イノベーション」などは、「環境」という意味を超えてIT企業と他の事業体との共生ネットワーク、供給側からではなく、人間生活、需要サイドから見たイノベーションという意味で使われています。
これからのインターネット、IT、電子ポイント・電子マネーも、最近言われているような環境負荷が少ないIT機器という「グリーンIT」を超えて、われわれの「エコ」なライフスタイルをクリエイトする「エコモード」(eco-mode)のクリエーターを目指さなければいけないと私は考えています。
ビジネスの「エコシステム」に関心のある方は、こちら
「エコ・イノベーショイン」に関心のある方は、こちらをそれぞれご覧下さい。