エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

中国における国家能源(エネルギー)委員会の発足とその背景

2010-04-28 05:28:19 | Weblog
 中国国務院は、国家能源(エネルギー)委員会を発足させました。同委員会は、中国のエネルギー発展戦略の立案、エネルギー分野の安全と発展に関する重要テーマの審議、国内のエネルギー開発と国際協力の重要事項についての協議を行います。
 委員会の主任は温家宝総理、副主任は李克強副総理。委員21人には主要閣僚が名を連ねています。弁公室主任は国家発展改革委員会主任、副主任はエネルギー局の局長が兼任し、弁公室の実務はエネルギー局が担当します。
 中国では1980年に国家エネルギー委員会が発足しましたが、2年後に廃止されました。88年にもエネルギー部が設立されたが、93年に廃止となり、以来10年以上、エネルギーを一元的に管理する部門がありませんでした。その後08年の国務院機構改革で、国家エネルギー局の設置とハイレベルの協議機関である国家エネルギー委員会の設立が決まりまた。エネルギー局は同年8月に発足、委員会は今回ようやく発足となったものです。
 現在中国では、エネルギー問題が経済成長の制約要因として強く意識されるようになってきています。原油は国内の主な陸上油田の生産量が伸び悩んでおり、輸入量が増え続けています。海上油田の開発、石油メジャーが権益を握る中東以外からの輸入を模索する動きもみられます。
 石炭は量としては豊富で、中国の一次エネルギー生産量の4分の3を占めています。しかし、温室ガス排出削減が世界のすう勢となる中、豊富な石炭をクリーンに利用する技術が求められています。また、国土の広さ、資源の偏在、輸送インフラの未整備などから、大雪や寒波でしばしば輸送上の問題が起こり、電力不足が発生しています。
 そのほか、原子力、再生可能エネルギーの開発も、エネルギー問題の解決に向けての重要なカギです。持続的発展の実現に向け、エネルギー問題は不可避の課題です。その解決のため、各部横断的な対処が必要となっており、そのかじ取りを国家エネルギー委員会が担います。