エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

カリフォルニア州の高速鉄道建設計画

2010-04-27 07:06:21 | Weblog
 カリフォルニア州では、環境対策、渋滞解消、地域経済活性化、雇用創出などを目的として、08年11月の住民投票で「州縦断高速鉄道建設計画」が承認されましたが、同州では、まず20年までにサンフランシスコ~アナハイム間の全長465マイル(748キロ)の高速鉄道完成を目指しています。35年までには、州都サクラメントからサンディエゴまでの800マイル(1,287キロ)をつなぐ計画です。
 サンフランシスコ~アナハイム間は総工費430億ドルに達するといわれる巨大プロジェクトで、これを州(90億ドル)、連邦(170~190億ドル)、地域(40~50億ドル)、民間(100~120億ドル)で賄うことになっています。
 この高速鉄道計画には、米国国内はもちろん日本、フランス、イタリア、ドイツ、中国なども積極的に自国技術の売り込みを図っています。2010年中に入札が行われ、落札者が決定されることになっています。

ニュージーランドのユニークな排出量取引制度

2010-04-27 00:14:58 | Weblog
 ニュージーランド国会は09年11月25日、排出量取引制度関連法案を可決し、10年7月から実施されます。その内容は、排出量取引と炭素税を合体したようなユニークなものです。
 NZ政府は、既にGHGの排出量を1990年比で20年までに10~20%削減する方針を決めています。10年7月から排出量取引制度の対象となる産業は、電力・エネルギー関連と製造業。ガスと廃棄物関連産業は13年1月から、最も排出量が多いとされる農業・酪農部門は15年1月から対象となります。酪農を中心とする農業部門が国内のGHG排出量のおよそ半分を占めており、特に温室効果の大きいメタンガスの発生源となっています。
 産業界ごとの排出量算出に当たり、NZ政府はまず産業界から報告された排出量を審査し、産業界別に排出量を策定します。それにより当該産業に属する企業は、排出量相応の価額を支払う義務を負います。
 ただし、NZ政府は企業負担を軽減する目的で、移行期間(10年7月から12年12月まで)を設け、その期間中は1ユニット(NZU:New Zealand Unit)を2トン分と計算し、移行期間が過ぎ、同制度が正式に開始されると、1ユニットを1トン分と計算します。つまり移行期間中は企業負担は半額となります。
 1ユニットは25ニュージーランド・ドル(NZドル、1NZドル=約65円)と設定されました。企業はNZ政府からこのユニットを購入することもできます。
 さらにNZ政府は、この制度の施行によって企業が海外移転を加速するのを阻止するため、排出量を企業の活動領域に応じて、企業からの申告ベースで、無償の特別枠(フリーユニット)を与えます。この特別枠は、排出量の60%もしくは90%を無償で与えるという大胆な軽減措置で、これにより企業負担は60%あるいは90%軽減されます。
 無償枠は13年から順次1.3%ずつ減少され、さらに2年後と5年後に見直されます。既にガラス、メタノール、シリコンの製造企業は90%の無償特別枠を得ています。