アメリカにおけるエコ活動にゲームを取り入れる「ゲーミフィケーション」２

アメリカにおける「ゲーミフィケーション」（Gamification）の第２回目です。
マイエナジー・ドットコムは、ゲーミフィケーションを用いて水道やガス、電力の節約を促進する企業です。仕組みとしては、会員登録すると、毎月の水道、ガス、電力の使用量が前年同月と自動的に比べられ、減っている分だけポイントが付与されます。取得したポイントは、提携しているチェーン店や地元の店で特典と交換できます。同社は、登録者がポイントを商品と交換したり、このプログラムを通して新規の顧客となったときに、提携企業からコミッションをもらうというビジネスモデルです。
節約のモチベーションをあげるため、毎月のエネルギー使用量を国内の全会員や州・郵便番号ごとや友人と比べられる陽になっています。実際、テキサス州では、区画ごとで競争を行った地域もあります。
現在40の州でサービスを利用でき、今後は全米に拡大する予定です。

アメリカにおけるエコ活動にゲームを取り入れる「ゲーミフィケーション」１

アメリカでは、リサイクルや節電などのエコ活動にゲームの概念を取り入れる「ゲーミフィケーション」（Gamification）が注目を集めています。ゲームの仕組みを通じて人々に競争心や達成感をもたらし、行動に影響を与えることで環境保全を推進するのが狙いです。
そのうちリサイクルバンクは、2004年ニューヨーク市で活動を開始した試みです。現在は英国でもビジネスを展開しており、米国と英国合わせて約300の市で、行政やごみ運搬業者と提携しています。仕組みは次の通りです。
提携している地方自治体で、ゴミ収集車が自動的にリサイクル資源となるごみの重さを量り、そのごみがどの家から出たものかを無線タグを使って識別し、ウェブサイトに記録します。会員はオンラインでその記録を追跡できます。会員がリサイクルすればするほどポイントがたまる仕組みで、そのポイントを使って大型チェーン店などで特典を受けられます。
リサイクルバンクの主な収入は、市町村からのごみ埋め立て費用の節約分の一部（割合は市町村ごとに異なります）と、企業からのマーケティング料、広告料などです。

オバマ大統領の予算教書におけるエネルギー政策の４本柱

オバマ大統領は2013年度（12年10月～13年9月）予算教書の中でエネルギーに関しては、①エネルギーの国産化、多様化を促進する、②石油企業への優遇税制を廃止、③クリーンエネルギー・再生エネルギーの生産を促進するような優遇税制措置を拡大。④従来の目標どおり、25年までに原油輸入を3分の1削減し、15年までに電気自動車の普及台数100万台を達成するよう方策を推進するの４つを推進するとしています。

太陽光発電に関して米化学大手デュポンは中国勢と提携戦略を展開

米化学大手デュポンは世界第２位のインリー・グリーン・エネルギー、インリー・エネルギー（ともに中国）と太陽電池用材料分野で戦略的提携について合意。
その後、太陽光発電モジュールの生産量で世界1位のサンテックパワー（中国）と太陽電池用材料の生産技術と供給に関する戦略的提携合意しました。両社は、太陽電池バックシート部分の生産技術向上とサプライチェーン、マーケティングの各分野で、グローバルな協力体制の構築を目指しています。

ＥＵの再生可能エネルギー（RE）導入状況と見通し

ＥＵの風力発電と太陽光発電の世界市場でのシェアは、新規設置発電容量でそれぞれ約23％、約76％。11年の新規設置発電容量をみると、風力発電は、欧州全体では10年とほぼ同水準。国別ではドイツ（前年比39.7％増）、英国（28.7％増）、スウェーデン（26.3％増）で拡大。特に英国では洋上風力の伸びが大。他方、フランス（40.5％減）、スペイン（28.2％減）では大きく減少。
また、11年の太陽光発電の新規設置発電容量をみると、EU全体で58％増と大幅に拡大。特に、イタリア（3.9倍）が牽引した。イタリアは手厚い固定価格買い取り制度（FIT）が成長の要因。

各国がＥＵ委員会に提出した「国家再生可能エネルギー（RE）行動計画」を基にした欧州環境庁の20年までの見通しによると、発電分野は風力発電が最も拡大し、20年には陸上風力がRE全体の29％、洋上風力は12％を占めるとされています。また、熱分野ではヒートポンプが3倍、太陽熱は4倍に拡大すると予測。

欧州の再生可能エネルギービジネスに直接影響を与える自動車のＣＯ２規制

欧州では、高まる再生可能エネルギー需要とビジネスに直接影響する環境規制として、12年から始まった自動車のCO2排出規制があります。これは、新車に対し、走行1キロ当たりの平均CO2排出量を130グラム以下にすることを義務付けるもので、20年までにさらに95グラムに削減することをもとめています。12年はメーカー別に新車の65％が適用対象ですが、この適用比率が段階的に引き上げられ、15年までに100％の新車が対象になります。

緊迫化する石油情勢

１５日に発表されたＩＥＡのOil Reportは、イラン情勢により昨年１２月以降原油価格が２０％上昇していることを示しつつ、今後の世界的な石油需給の大きな懸念を示しています。また１５日のロイター通信は、米英首脳会議で米の要請に基づき、石油備蓄放出で合意したと報道。

ブラジルの再生可能エネルギー拠点としてのセアラ州

ブラジルでは、近年、消費市場として成長目覚ましい北東部で、風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギービジネスの拠点として、セアラ州が発展しています。
同州は、風力発電では国内最大規模の発電能力を備え、石油化学や製鉄所の新規投資も計画されています。州内陸部からペセン港につながる鉄道網も2014年末までに開通する見込みで、さらなる産業発展が期待されています。

米ＤＯＥの「SunShotインキュベータープログラム」による支援状況

エネルギー省（DOE）は、起業家や中小企業を対象に、太陽エネルギー技術の市場化の加速と太陽光発電のコスト削減を目的に1,200万ドルを拠出すると発表。これは、「SunShotインキュベータープログラム」を通じた7回目の資金提供。

「SunShotインキュベータープログラム」は、早い段階で資金援助することで、起業家や中小企業が新技術を市場化できるよう後押しするもので、07年から現在までに6,000万ドルを投入。

今まで同プログラムを通じて資金提供を受けた技術には、①使用する半導体の数を最小限にすることで生産費用を大幅に削減できる太陽電池、②集光型太陽熱発電所で従来のデザインよりも鉄鋼使用量を60～65％削減できる集光ミラー、③2枚の薄いフィルム装置を重ねることで効率的に発電するパネルなどがあります。

オバマ政権の意欲的な太陽光発電推進政策

オバマ政権は2月13日に議会に提出した2013年度（12年10月～13年9月）予算教書で、エネルギー効率・再生可能エネルギー分野に前年度比29.1％増の予算を割り当てました。このうち太陽エネルギーには3億1,000万ドルが充てられ（前年度比7％増）、それが全額「SunShotイニシアチブ」に使われる予定です。
「Sunshotイニシアチブ」は、20年までに太陽光発電の費用を現在よりも75％削減し、均等化発電原価（LCOE）を1キロワット時（kWh）当たり約6セントにすることを目標としています。それを実現できれば、パネルの設置や検査なども含めた発電費用を、現在の1ワット当たり3.4ドルから1ドルに削減できるとみています。
太陽光発電の価格競争力が高まることで、30年までに国内の発電の15～18％を太陽光が担うことを目指しています。10年時点で、太陽熱・太陽光発電が国内の発電に占める割合は0.1％に満たないことを考えると、非常に意欲的な目標です。