エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

IBMの冷凍機やスケートリンク、プールを活用したユニークな蓄電機能

2010-04-25 18:53:22 | Weblog
 スマートグリッドを構築する際のの蓄電機能に関しては、一般的にはリチウムイオン電池(車載用、家庭用)が想定されていますが、IBMがドイツのマンハイム市で取り組んでいる「E-Energy」の中では、冷凍機やプールやスケートリンクなどを電力変動吸収のために使う仕組みの実証事業が行われています。

中国でもスマートエネルギークラスターの形成が進む

2010-04-25 00:12:46 | Weblog
 中国の国家プロジェクトとして太陽電池産業基地に指定されている遼寧省錦州市で、太陽電池の生産高が05年の5億元(1元=約13.5円)から09年の80億元(見込み)へ急増しています。
 錦州市は2007年8月15日「国家火炬(たいまつ)計画」(88年8月にスタートしたハイテク産業の開発、振興を目的とする一大国家プロジェクト。主な対象は新素材、バイオ、電子・情報、光・機械・電子一体化、新エネルギー、高効率省エネ、環境保全など)で太陽電池産業基地として認可された後、「太陽電池産業発展規画」(08~12年)を制定しました。同市の「太陽電池産業基地建設に関する実施意見」では、太陽電池産業を強化し、産業チェーンを拡大し、太陽電池製品の市場展開に今後の産業指導の重点を置き、10年に太陽電池産業生産高を150億元とし、中国最大のシリコン材料生産基地を目指す、としています。
 遼寧省政府と錦州市政府は太陽電池産業を育成するため、「太陽電池産業基地建設に関する実施意見」(07年2月)、「太陽電池産業の発展促進の若干規定」(07年3月)、「太陽電池産業の起業奨励弁法」(09年3月)、「太陽電池産業を強化する関連規定」(09年6月)、「太陽電池産業基地建設に関する遼寧省政府指導チーム結成」(09年8月)など、支援策を打ち出しています。
 同市で00年に設立された陽光能源(ソーラーギガ・エナジー)は太陽電池用素材メーカーで、単結晶シリコンインゴットと太陽発電設備関連素材の生産高は中国本土第2位ですう。年産能力は太陽電池向けシリコンインゴット2,000万トン、シリコンウエハー5,600万枚で、生産量・品質面で中国トップクラスの企業です。また、世界でも数少ないシリコン原材料の再生事業も推進しています。08年3月に香港証券取引所に、09年12月には台湾証券取引所にそれぞれ上場しました。同社のウェブサイトによると、大連理工大学や渤海大学などとの産学連携や海外とのビジネス提携を進めており、住友商事が同社に出資して製品販売や顧客開拓などで提携しています。
 現在、同市には太陽電池関連メーカーが23社あります。多結晶、単結晶、シリコンウエハー、太陽電池と、それに関連した石英るつぼ、石英材料、高純度グラファイトなどの製造・加工企業の進出により、産業チェーンが形成されつつあります。15年の同産業の生産高は1,053億元と予測されています。
 09年9月22日、遼寧省戦略重点支援地域である錦州市娘娘宮臨港産業園内に太陽電池産業パークが開園しました。研究開発センター、原材料エリア、シリコン電池・部品エリア、CIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン化合物)および非結晶シリコンの薄膜電池エリア、変電所・応用製品エリアなど多くの機能が集積しています。10月23日には全国で初めて錦州市政府内に太陽光発電発展局が新設されました。
 シリコン材料は世界的に品不足が続いており、太陽電池メーカーの増産の足かせになっている。錦州市も多結晶シリコン材料の海外依存度が高いため、渤海大学の太陽電池技術開発センターは化学物理法を用いた低コストの多結晶シリコン製造方法を自主開発中です。また、市内の多くの大学に太陽電池専攻学科を新設するほか、2年以内に太陽光職業技術学院の開校を目指すなど、人材育成に力を入れています。
 同市は「遼寧沿海経済帯」の重点地域。太陽電池関連製品の需要が高まる中、国内最大のシリコン材料生産基地、東北最大の太陽電池生産基地、遼寧省のグリーンエネルギー都市となることを目指し、太陽電池産業を市の経済発展を支える支柱産業とすることを目標にしています。