エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

ドイツで進む「ヴァーチャル発電所」

2010-04-03 17:13:00 | Weblog
 再生可能エネルギーの問題を解決するひとつの方法と見られるのが、いくつもの小型発電施設をネットワーク化して、ひとつの大型発電所のように見立てる「ヴァーチャル発電所」の構想です。ここでは、太陽光発電や風力発電など発電量の変動が大きい発電施設に、気象条件などに左右されないバイオマス発電やコジェネレーションシステムなどを組み合わせ、これらの施設をインターネットなどの情報通信技術を使ってネットワーク化して管理し、それによってひとつの発電所を建設したかのように動かすという考え方です。
 すでにドイツでは、小規模な実証を行いながらその規模を拡大させています。たとえばウナ市(ノルトライン・ヴェストファーレン州)の場合では、5つのコジェネレーションシステム2つのウィンドパーク、1つの太陽光発電施設、1つの小型水力発電施設を組み合わせて、これらの施設のある地域に電力と熱を供給するヴァーチャル発電所が運転されています。
 このヴァーチャル発電所は、ウナ市の年電力公社と電力コンサルティング・エンジニアリング会社であるEUS社によって運営されており、その中核となるシステムはEUS社によって開発されました。同システムは、需要予測システム、中央管理システム、自動化システムで構成されていますが、特に重要となる需要予測システムForecastは、過去10年間の電力需要実績から90%の制度で24時間後の電力需要を予測できます。試運転期間中は95%から98%の精度を記録しており、今後精度の向上とネットワークに拡大を図る予定です。
 また、ゴスラール市などを中心としたハルツ地方西部(ニーダーザクセン州)では、ヴァーチャル発電所を電力需要のピーク時に利用する調整電力用エネルギープールとして、大手電力会社Eonから購入する電力量を抑えるために利用しています。地元の配電会社であるハルツエネルギ社は、独自の発電施設を持っておらず、大手電力会社から電力を購入して地域一体に電力を供給していますが、電力需要の変動に効率的に対応するため、地域の個人住宅に設置された小型のコジェネレーションシステム(約200基)と小型水力発電施設、非常電源施設をネットワーク化してヴァーチャル発電所としています。それによって、電力需要のピーク時に電力を供給し、大手電力会社からの電力購入量にできるだけ変動がでないようにしています。

太陽光発電・LED照明による植物工場

2010-04-03 05:02:45 | Weblog
 太陽光発電を使い食料を生産しようという宇都宮大農学部の実習農場が宇都宮市内のキャンパスに完成しました。
 宇都宮え大学によると、太陽光発電で農場内の電気を賄う仕組みで、農村での再生可能エネルギー利用に着目した実習施設は国内初で、「近未来型農業」を目指すとしています。
 名称は「サステーナブル(持続可能な)ビレッジ」。広さ約800平方メートルで‘日本の農村’をイメージして、講義をする建物は木造です。
 最大10キロワットの発電が可能な太陽光パネルを設置し、その電力を利用した植物工場で人工照明である発光ダイオード(LED)ランプを使い、ランプの色の組み合わせで、栽培する野菜の栄養価を高める実験をします。ヒートポンプなど省エネ装置を持つイチゴ栽培のビニールハウスも作っています。
 宇都宮大学は「将来的には風力発電やバイオマスも取り入れ、農場内での資源循環を目指す」としています。