エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

中国でも進む国内排出量取引市場の整備

2009-11-30 06:44:49 | Weblog
日経エコロミーにおいて、本郷尚氏(国際協力銀行環境ビジネス支援室長)は、
①現在中国には、上海、天津に京都クレジットの排出量取引所があるが、次の狙いは国内排出量取引であることを紹介し、
②韓国でも排出量取引制度導入が計画され、官民協力による京都クレジット獲得ファンドがスタートすることから、
③将来は、日本が中国や韓国の事業から京都クレジットを買う協力から、さらに国内排出量取引市場を通じた中国、韓国、日本の新しい協力の可能性が生まれてくると予想しています(こちらをご覧ください)。

ニューヨーク州でスマートグリッドコンソーシアム結成

2009-11-30 00:04:11 | Weblog
 ニューヨーク州でスマートグリッドコンソーシアムが結成されました。同州は、2013年までに再生可能エネルギーの割合を25%にするという目標を設定していますが、パターソン知事は今回のコンソーシアム結成を電力コストに引き下げと新規雇用の増大にあるとしています。
 活動資金の10%はニューヨーク州が拠出しますが、その他はは連邦政府からの支援で賄う予定です(こちら)。

中国太陽光パネルメーカーのサンテックの日本進出の目的は?

2009-11-29 06:17:15 | Weblog
 中国太陽光パネルメーカーのサンテックの日本市場に進出して価格破壊を起こそうとしています。
 しかも、サンテックの日本市場に進出のねらいは、家庭用太陽光パネル市場のノウハウを日本市場で習得し、それを梃子として家庭用が拡大する世界市場におけるシェアを拡大することです。
 サンテックパワージャパンの山本社長は、「欧州の市場低迷によって、新たな市場を模索した結果としての日本進出だったという側面は確かにあるだろう。
 ただ、日本市場進出の目的はそれだけではない。欧米の需要は大型発電所向けが多いが、日本は8割が家庭用で、世界的に見れば特異な市場だ。今後、スマートグリッドが欧米でも構築されれば、電気を使う場所である家庭で発電しようとする需要は増えるはずだ。日本で主流の太陽光発電装置を家庭で導入する流れが、世界に広がってくる可能性は大きいだろう。
 日本で『BtoCビジネス』のノウハウを蓄積することが、海外での新たな太陽光発電ビジネスにつながる」と語っています(こちらをご覧ください)。

GEの海外スマートグリッド活動

2009-11-29 00:37:24 | Weblog
 GEの海外スマートグリッド活動として、インドとノルウェーの活動を紹介しましょう。
 GEはインドの電力会社North Delhi Power Limited(NDPL) に協力して、スマートグリッド構築に乗り出しています。IEAによると、インドの電力需要は2030年までに2倍以上となると予測されていますが、GEは主として停電管理に協力しています(こちらをご覧ください)。
 
 また、ノルウェーでは、風力発電会社を買収し、洋上発電を戦力的に展開しようとしています(こちらをご覧ください)。

「チャレンジ25」のアジェンダにサマータイム制度の導入を!

2009-11-27 06:50:16 | Weblog
 新しい中期目標「90年比25%減」をいかに達成するか議論され、鳩山政権は、国民あげて目標達成の機運を盛り上げるため、新しい国民運動「チャレンジ25」をスタートさせようとしています。
 私は、このチャレンジ25のアジェンダとして、サマータイム制度の導入を位置づけることを提案したいと思います。
 一般の人々にとっての新中期目標は、日常生活からは遠く、感覚の外にあります。しかし、目標値の達成のためには一部の部門や産業界での努力だけでとても達成される水準ではなく、むしろ家庭やオフィス部門からCO2排出削減することが求められています。
 欧米諸国でのサマータイムの導入は、省エネルギーが主目的です。ある。日本でも2度の石油危機の後にサマータイムの導入が検討されましたが、いまだに導入に至っていません。
 サマータイム導入によるCO2削減効果について、住環境計画研究所は、明るい時間帯が1時間長くなることによる照明需要の省エネ効果、午前中気温が低いことによるオフィスなどでの冷房需要の低下などにより、原油換算91万キロリットル、CO2換算で151万トンの削減効果があると推計しています。
 これだけのCO2を太陽電池でまかなおうとすると、約370万キロワット、約100万世帯の住宅に普及したのと同等の水準となり、効果はきわめて大きいと言えます。
 住環境計画研究所は、サマータイム制度導入に必要なコストについても推計しています。それによると、電力メータ、信号機などハードウェアの改修コストと官民での時間を制御するソフトウエアの改修コストを合わせて約1000億円程度がかかると推計しています。ただ、太陽電池の大規模導入には、安く見積もってもおおよそ2兆円(太陽電池の導入コストを54万円/キロワットとすると)がかかるので、サマータイムのコスト効果は1ケタ高いとしています。
 サマータイム制度の導入に当たっては様々な調整と検討が必要です。早急なる国民的議論が開始されることが必要だと思います。

EU首脳会議、COP15に向けて前進

2009-11-26 06:32:55 | Weblog
 EU27ヵ国首脳は、10月29~30日、ブリュッセルで欧州理事会(EU首脳会議)を開き、COP15での合意形成に向けて前進しました。
 まず首脳会議は、議長総括 <こちらをご覧ください> で、野心的な温室効果ガス排出削減目標を掲げることに伴う地球規模での取り組みに対して、EUは相応の負担を受け持つ用意があると明記しました。
 途上国の温暖化対策費用として、途上国自身の努力、(クリーン開発メカニズムなどの)国際的炭素市場での取引、国際的な公的支援を合わせ、20年までに年間およそ1,000億ユーロ(1ユーロ=約133円)かかるとの欧州委員会の試算に言及し、必要とされる国際的な公的支援総額は、20年までに年間220億~500億ユーロの範囲に達する見込みとはじいています。さらに、後発開発途上国を除いた全世界の国々がこれら支援に貢献すべきだとする一方、EUと加盟国もまた貢献の用意があると明記しました。
 また、包括的でバランスがとれ、かつ野心的なコペンハーゲン合意を後押しするために、国際的資金援助の迅速な実施が重要と指摘し、13年までの当初3年間で年間50億~70億ユーロの資金援助が必要との欧州委員会の試算に留意しつつ、具体的数字はコペンハーゲンでの会議結果を踏まえて決定すべきとしています。
 欧州委員会のバローゾ委員長は、首脳会議終了後、COP15に向けて、「われわれは今やコペンハーゲンに向けての動きを主導していく立場にあるといえる。コペンハーゲンの会議の成功を危ぶむ声も多く聞かれるが、われわれは会議を成功に導くことができる。EUはこの主導的役割を真摯にとらえている」と発言 <こちらをご覧ください> しています。
 また、欧州議会のブゼック議長は首脳会議を前にしてのスピーチで、気候変動との関連で、「EU市民にとって、エネルギー政策は気候変動への取り組みでもあり、エネルギー安全保障の問題でもある」と指摘し、「欧州は20世紀に石炭鉄鋼共同体とユーラトムを必要としたが、21世紀は欧州エネルギー共同体を必要としている」と述べ、エネルギー安全保障の重要性についても言及した。
 「欧州エネルギー共同体」というコンセプトが注目されます。

カーボンフットプリントマーク添付商品とエコポイント

2009-11-25 00:07:11 | Weblog
10月商品の製造、使用時などに排出される二酸化炭素(CO2)の総量を表示する「カーボンフットプリント制度」(原料調達、生産、使用、廃棄まで、商品の全工程で出る二酸化炭素の排出量を計算、表示する制度。消費者の商品選びの際の参考になるよう、認定商品に専用マークと排出量を記載する。算定基準は品目ごとに政府が認定する。こちらをご覧ください)で、政府はイオンの申請していた3商品に専用マークの使用を許可することを決め、公表しました(こちらをご覧ください)。
 認定されたのは、イオンが販売する「うるち米」「菜種油」「衣料用粉末洗剤」。これらの3品目について政府がCO2排出量の算定基準(PCR)を認定したことから、排出量を同社が計算。第三者機関の検証を受けた結果です。
 カーボンフットプリントは地球温暖化対策の一環として欧州を中心に導入が進んでいます。日本でも今年度から試行開始。即席めんや文具など41品目についてPCRづくりを進めています。
 今後このカーボンフットプリントマーク添付商品の購入にエコポイントをインセンティブとして付与することが考えられます。

ベンチャー企業による排熱回収スターリングエンジン開発

2009-11-24 00:04:07 | Weblog
石油や天然ガスなどの1次エネルギーは、その約10%が排熱として捨てられています。そこで、工場排熱に多い摂氏300〜500度の熱で発電するスターリングエンジンを開発するベンチャー企業が登場しました。
 パナソニックの社内ベンチャー、eスター(こちらをご覧ください)がそれで、2009年6月からパナソニックのホームアプライアンス社・奈良工場で、開発した新しいエンジンの実証実験を行っています。
 スターリングエンジンは、1816年に英国の牧師スターリングが考えだしたもので、シリンダーの外部から熱を加え、中の気体を膨張させ、加熱と冷却を繰り返してピストンを動かすエンジンです。理論上、熱効率が高く、多様な熱源が使えるため、理想的な外燃機関とされています。
 しかし、スターリングエンジンは熱源の温度差によって発電するので、摂氏1000度以上の非常に高い温度の燃焼ガスを使うエンジンは可能でも、工場排熱に多い摂氏300〜500度の熱で発電するエンジンは実用化されていません。
 eスターの「排熱回収スターリングエンジン」は、工業炉、ボイラー、原動機などから出る排熱を利用して発電ができます。発電効率は摂氏450度の排熱を使った場合で15%です。従来のスターリングエンジンに比べ、部品点数を3割ほど減らし、コスト面でも実用レベルに到達しました。
 実証実験では、排気ガスの煙道に開発したエンジンを装着し、500ワットの発電が可能となっています。2009度中には約5〜10キロワットの発電ができるエンジンを開発する計画で、2011年度の商品化を目指しています。