エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

日本風力開発、積極的なスマートグリッドへの取り組み開始

2010-02-28 19:03:27 | Weblog
 日本風力開発は、風の強弱に左右される風力発電に大容量の蓄電池を活用して安定化させるシステムを世界で初めて開発し、08年5月から青森県六ヶ所村にある同社の風力発電ファームで実証運転を開始しています。
 また、09年8月12日には、ギリシア・クレタ島の風力発電設備に対する「発電所併設NAS電池システム」提供に関して、現地の風力発電大手・EnoliaVentus.S.A(エノリア・ヴェンタス)社と基本合意し、蓄電池併設システムを応用した本格的な海外展開に踏み出しました。
 また、本格的な波力発電システムの建設で三井造船 、出光興産との協業も検討しています。
 そのような中、09年10月はスマートグリッド技術などに関する事業協力で日立製作所 との基本合意しました。日立製作所との基本合意では、とりわけ「CaFrESS」(蓄電池併設型の風力発電制御システム)技術の分野で事業協力と個々の案件の具体化を進めるとしています。

フランスの2020年に向けたエネルギーインフラ計画

2010-02-28 06:10:58 | Weblog
フランス政府が09年6月に公表したエネルギーインフラに関する2020年までのロードマップ(こちら)によると、電力、熱及びガスという3分野への複数年の投資計画により、2020年までに温室効果ガス排出量は2005年レベルから22%減少し、CO2換算で4億3700万トンになるとしています。
 また、再生可能エネルギーについては、生産量を2012年までに50%、2020年までに120%増加させ、エネルギーミックスに占めるシェアを23%に上げます。この他、電力分野では、既存の石炭火力発電所について、2015年までに半数以上を汚染の少ないガス発電に切り替えること、新規の石炭火力発電所はCO2回収・貯留システム(CCS)を備えない限り認可しないこととされました。
 また、熱分野では、地域熱供給網に参加する住宅を2倍以上にすること及びバイオマスによる熱供給を優先すること、ガス分野では、メタンの運搬・貯蔵・処理への投資を促進することなどが盛り込まれています。

ベター・プレイスのビジネスモデルとVehicle-To-Grid (V2G)

2010-02-28 00:09:33 | Weblog
 ベター・プレイスのビジネスモデルは「0円携帯」のように電気自動車の充電池を「0円」にするというものです。
 利用者は充電池をベター・プレイスから借り受け、月々の利用料を払います。毎月払う代わりに100万円以上もする充電池の金額を使い始めるときには払わなくてすむのです。これによって利用者はベター・プレイスの充電池交換所・充電所を使えることになります。
 この「0円充電池」は自動車のビジネス・モデルを大きく変えることになると思いますが、もう一つ重要だと思われるのがVehicle-To-Grid(V2G)という方式です。
 普通、電気は電力供給網から電気自動車に流れますが、電気自動車は電池のかたまりなので、そこで貯めた電気を逆にも流し、双方向の電気の流れを実現するというものです。V2Gは夢物語ではなく、アメリカでは2009年5月からデラウェア州のニューアークで実証実験が始まっています。
 電力会社からすれば、太陽光など再生可能エネルギーが大量に導入されると、そうした不安定電源に対する周波数調整などの点でメリットがあります。また、家庭にとっては、夜間のように電力料金が安いときに電気を買って、高いときに売れば差額で儲けることができます。
 現在、日本における個人所有の車両の多くは1日当たり1時間しか走行せず、残り23時間は駐車中です。また、電力使用ピーク時の15時から18時の時間帯には98%の車が駐車中です。
 家庭へのメリットですが、V2Gによる電気の売却代が月額300ドルという話もありますし、儲けが5千円~1万円だとしたら、日本の家庭のガソリン代の支出は一ヶ月約5千円ですので、ほぼトントンかプラスというることになります。しかも、電気自動車の燃費効率は約3倍であることを考えると、なんと利用者は燃料費を払うどころか毎月儲かることになるのです。
 実際には、インフラ投資・機器の購入など様々なお金がかかるため、このように単純ではありませんが、今後新しいビジネスモデルが成立する可能性は大いにあります。

超電導技術とCO2削減

2010-02-27 17:30:21 | Weblog
 低温下で電気抵抗がゼロになる超電導現象。これまでMRI(磁気共鳴画像装置)など先端医療機器にその応用はとどまってきましたが、地球環境やエネルギー問題解決の本命として注目されるようになっています。
 2008年7月、G8洞爺湖サミットにおいて、住友電気工業は小型の超電導モーターを搭載した世界初の超電導電気自動車を公開しました。自動車はひとつのデモンストレーションにすぎません。省エネ性の本領が発揮される重電分野への応用は幅広くあります。
 超伝導の歴史において画期的な発見は、1986年に高温超電導材料が発見されたことです。それまでの絶対温度9度(セ氏マイナス264度)でしか使えなかった材料に比し、このイットリウム系材料は同90度(同183度)で超電導になるというものです。
さらに、その2年後の88年に、日本の研究者がビスマス系の材料を発見しました。このビスマス系は、同110度(同163度)で超電導になるので、液体窒素(絶対温度77度)で冷やせば十分余裕をもって能力を発揮でき、イットリウム系に比べ加工しやすいという特性がある優れものです。セラミックスなのでもろい点に関しては、多芯化により曲げても線が切れないように工夫しています。
 住友電工は、ビスマス系の超電導材料を使用した電線、磁石、モーターなど様々な製品開発を行ってきたいますが、最も実用化に近いものが船舶用モーターです。IHIなどと共同開発しており、ディーゼルエンジンに比べてコンパクトで船底に置かなくてもいいので、同じ大きさの船でも積載量が増し、CO2排出も減少します。
 自動車へは、冷却装置込みで普通の自動車のボンネット内に収まる大きさのモーターを開発しています。省エネ性に加えてトルク(回転力)が大きいので、バスや宅配便のトラックなど稼働率が高く発進・停止が頻繁な使い方に適しています。世界の路線バス60万台(年間走行距離5万キロ)をすべて超電導電気自動車にした場合、普通の電気自動車で置き換えた場合より13%程度CO2排出が減少すると試算しています。
 送電線への応用について、米国が最も進んでおり、DOEが支援したプロジェクトが複数進行中です。韓国も熱心に取り組んでいます。日本では、2010年度から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトで、東京電力・旭変電所(横浜市)内で初めて送電網に組み込む実験が開始されます。
 今後日本では都市の電力需要は増えますが、既存の銅の電線を超電導に置き換えれば、地下の狭いスペースをそのまま利用しながら送電量を増やせます。地下送電線は日本全国で2万キロ以上ありますので、その効果は非常に大きなものがあります。
 さらに超電導は、再生可能エネルギーの利用拡大を推進する上で大きな効果を発揮します。巨大な太陽光発電所を砂漠などに設けて消費地まで電気を送る構想がありますが、長距離の送電をするなら、超電導の直流送電は送電損失がなく非常に効果があります。

米オバマ政権のスマートグリッド支援助成の大半はスマートメーター

2010-02-27 06:55:24 | Weblog
米オバマ政権は、スマートグリッド関連の計100事業に対し、総額34億ドル(約3100億円)の助成金を交付すると発表しましたが、その大半は現在の電力メーターに替えてスマートメーターを設置するというものです。
 たとえば、米電力・ガス大手Centerpoint Energy(本社:ヒューストン)は、送電システムの対応能力と信頼性を高めるため、インテリジェント機能を持つスマートメーター220万台とセンサー装置数百台を設置する6億3900万ドル(約580億円)の事業に対し、2億ドル(約180億円)の助成金を獲得しました。
 同様な助成対象事業には、Baltimore Gas & Electric ,ALLETE&Minessota Power,City of Fulton(Missouri),Marblehead Municipal Light Department,Cocsolidated Edison Company of New York,Duke Energy Business Services LLC,Florida Power & Light Company,Progress Energy Services LLC,Oklahoma Gas & Electric,Electric Power Board of Chattanooga,Potomac Elertcic Powerのスマートメーター事業があります。
 また、米オハイオ州ウォズワース市も、スマートメーターを1万2500台増設し、電気自動車充電用の送電網を整備するスマートグリッド事業に対し、540万ドル(約5億円)の助成金を獲得しました。

パナソニックと三洋によるトータルエネルギーソリューション戦略

2010-02-26 21:02:35 | Weblog
 パナソニックと三洋電機は、パナソニックによる三洋の買収について最終合意に達しました。パナソニックは公開買い付けを実施し、09年度末までに三洋を子会社化します。
 半導体、白物家電については、リストラが必要ですが、両社では、エネルギー事業を中心に1,000億円の投資を行い、統合による事業のシナジー効果を発揮させる計画です。
 エネルギー事業では、「創エネ」として三洋の太陽電池とパナソニックの燃料電池を中核に据え、「蓄エネ」では両社のリチウムイオン2次電池で民生、車載、据置き(家庭用のバックアップなど)を幅広くカバー、それにパナソニックが持つ「省エネ」技術を加え、家やビルを丸ごとエネルギー・マネージメントするトータルエネルギーソリューションを提供します。

ナショナルセミコンダクターのSolarMagicは太陽電池パネル設置場所を拡大

2010-02-26 07:02:44 | Weblog
 米ナショナルセミコンダクター(National Semiconductor)社が太陽電池パネルの出力を最大限に上げるためのデバイス、SolarMagicパワーオプティマイザーを欧米市場に引き続き、日本市場にも出荷しています。SolarMagicパワーオプティマイザーは、太陽電池パネルの年間発電量を32%増加させます。
 これまでの太陽電池パネルは、日影やごみ、鳥のフン、落ち葉、雪などがパネルの一部にのると、その太陽電池パネルの出力がてりかし、パネルを直列接続している太陽電池全体の出力が下がってしまうという欠点がありました。
 SolarMagicパワーオプティマイザは、日影などの多い住宅にも太陽電池パネルの設置が可能となるものと期待されています。

パナソニックと三洋によるトータルエネルギーソリューション戦略

2010-02-25 23:17:35 | Weblog
 パナソニックと三洋電機は、パナソニックによる三洋の買収について最終合意に達しました。パナソニックは公開買い付けを実施し、09年度末までに三洋を子会社化します。
 半導体、白物家電については、リストラが必要ですが、両社では、エネルギー事業を中心に1,000億円の投資を行い、統合による事業のシナジー効果を発揮させる計画です。
 エネルギー事業では、「創エネ」として三洋の太陽電池とパナソニックの燃料電池を中核に据え、「蓄エネ」では両社のリチウムイオン2次電池で民生、車載、据置き(家庭用のバックアップなど)を幅広くカバー、それにパナソニックが持つ「省エネ」技術を加え、家やビルを丸ごとエネルギー・マネージメントするトータルエネルギーソリューションを提供します。

日本風力開発、「スマートグリッド」関連事業に参入

2010-02-25 04:05:41 | Weblog
日本風力開発は次世代送電網「スマートグリッド」関連事業に参入します。風力発電などからの送電量と、家庭などの消費量のばらつきを制御し、送電を安定させる中枢システムを開発。10年度以降、スマートグリッド構築を請け負う大手企業などに提供していく予定です。
 新システムは、ベンチャー企業のハネリューコーポレーションから買収する事業を基に、蓄電池を使って自然エネルギー発電を制御する自社の技術と組み合わせて新システムを開発します。
 インターネットを通じて顧客の電力使用状況を管理し、使われている電気機器を止めたり、再稼働させたりして消費電力量を安定させるという内容です。機器の消費電力量などの情報を収集し、適切な制御を自動的に判断するソフト技術などが中核となっています。
 日本風力開発は日本国内に保有する風力発電所の発電能力で第3位の企業です。08年、世界で初めてNAS蓄電池を併設した風力発電所を青森県六ケ所村で稼働させました。

アラブ首長国マスダール・シティのスマートグリッド

2010-02-24 20:51:35 | Weblog
アラブ首長国連邦のアブダビで推進されている「マスダール・シティ計画」は、再生可能エネルギーを大規模に活用する砂漠の中の「ゼロ・エミッション都市」で、将来は約4万人の人間がこのグリーンテクノロジー関連技術の開発・製造の集積地で働くことになっています。
 マスダール・シティといえば、大規模な再生可能エネルギー関連のプロジェクトがもっとも有名です。そうしたプロジェクトのなかには、複数の太陽光発電所やソーラー・パネル製造施設への投資、そして10億ドルをかけて建設される風力発電施設などがあります。
 「マスダール・シティ計画」では、それらとともにスマートグリッド関連のインフラ整備も進めようとしています。デンマークのスマートグリッド・ネットワーク企業のアンプレックス(Amplex)によると、マスダールのこの計画には120万個のスマートメーターや変電所、制御施設などの展開が含まれるということです。