
「バードとディズとマックス・ローチは当然と言えるが、私はなんでジョン・ラポータ、ビリー・バウアー、レニー・トリスターノがいるのか、何時も疑問を感じるのである。ラポータはバデイ・デフランコはおろかトニー・スコットとスタン・ハッセルガードの水準にさえ決して達しなかったクラリネット奏者である」(小田弘一氏訳) ジャズ批評家バリー・ウラノフが1947年に監修したモダン・ジャズ・オールスターズに、チャーリー・パーカー研究家のロバート・ブレグマンが寄せた論評である。
熱心なファンなら怒り出すブレグマンのラポータ評だが、強く否定できないのは事実だ。前出のパーカーやトリスターノをはじめレスター・ヤング、マイルス、ミンガス等、ビッグネイムとの共演暦からは相当腕の立つミュージシャンのようにみえるが、高い評価を得たことはない。レナード・バーンスタイン指揮のニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団で演奏した経験があるラポータは、バップ・ミュージシャンに比べソロが内向的で且つ実験的な音楽でもあったためスイングを信条とする一般的なファンからは敬遠されたが、ソロイストとして評価されなくともバップの情熱とクールの知性を併せ持った前向きな音楽姿勢は評価されるべきだろう。
その意欲はウラノフやミンガスの目にとまり、数枚のリーダーアルバムを録音した。エヴェレストに残した「ザ・モスト・マイナー」は、以前の作品のような難解さはなく、スタンダードを中心にワンホーンで意のままにフレーズを刻んでいる。シェークスピアの戯曲「真夏の夜の夢」を元にブロードウェイでミュージカル化された「スイング・ザット・ミュージック」の挿入歌「ダーン・ザット・ドリーム」のバラード解釈は見事なもので、歌詞をなぞるようにアルトサックスを歌わせ、アドリブラインは夢を大きく脹らます。クラリネットでクラシックの側面からジャズの可能性を探った実験的なハーモニーに挑み、アルトではバップを熱く吹く二面性を持った人だ。
このアルバムを最後にバークリー音楽院で37年間教鞭をとり、数多くの音楽教材の高い評価により国際ジャズ教育者協会から表彰されたジョン・ラポータがジャズ界の第一線に戻ることはなかった。華やかな表舞台を降り、スポットライトとは無縁の舞台裏で教育者として優秀な人材を育てあげた名誉教授にとってメトロノーム・オールスターズでマイルスやスタン・ゲッツと席を並べたのは真夏の夜の夢だったのかもしれない。
熱心なファンなら怒り出すブレグマンのラポータ評だが、強く否定できないのは事実だ。前出のパーカーやトリスターノをはじめレスター・ヤング、マイルス、ミンガス等、ビッグネイムとの共演暦からは相当腕の立つミュージシャンのようにみえるが、高い評価を得たことはない。レナード・バーンスタイン指揮のニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団で演奏した経験があるラポータは、バップ・ミュージシャンに比べソロが内向的で且つ実験的な音楽でもあったためスイングを信条とする一般的なファンからは敬遠されたが、ソロイストとして評価されなくともバップの情熱とクールの知性を併せ持った前向きな音楽姿勢は評価されるべきだろう。
その意欲はウラノフやミンガスの目にとまり、数枚のリーダーアルバムを録音した。エヴェレストに残した「ザ・モスト・マイナー」は、以前の作品のような難解さはなく、スタンダードを中心にワンホーンで意のままにフレーズを刻んでいる。シェークスピアの戯曲「真夏の夜の夢」を元にブロードウェイでミュージカル化された「スイング・ザット・ミュージック」の挿入歌「ダーン・ザット・ドリーム」のバラード解釈は見事なもので、歌詞をなぞるようにアルトサックスを歌わせ、アドリブラインは夢を大きく脹らます。クラリネットでクラシックの側面からジャズの可能性を探った実験的なハーモニーに挑み、アルトではバップを熱く吹く二面性を持った人だ。
このアルバムを最後にバークリー音楽院で37年間教鞭をとり、数多くの音楽教材の高い評価により国際ジャズ教育者協会から表彰されたジョン・ラポータがジャズ界の第一線に戻ることはなかった。華やかな表舞台を降り、スポットライトとは無縁の舞台裏で教育者として優秀な人材を育てあげた名誉教授にとってメトロノーム・オールスターズでマイルスやスタン・ゲッツと席を並べたのは真夏の夜の夢だったのかもしれない。
ジミー・ヴァン・ヒューゼンは、「ポルカ・ドット・アンド・ムーンビームズ」をはじめ多くの歌曲を書いておりますが、なかでも美しいメロディを持つ「ダーン・ザット・ドリーム」は多くの名唱、名演があります。今週はホーンのインストでお好みをお寄せください。ピアノ、ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 Darn That Dream Horn Best 3
Art Farmer / Modern Art (UA)
Dexter Gordon / Daddy Plays The Horn (Bethlehem)
John Laporta / The Most Minor (Everest)
多くの名演がありますので何が挙げられるのか楽しみです。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
dukeさん1位のアート・ファーマー。ファーマーはどうやらこの曲を大好きなようで、3回も吹き込んでいます。UA盤以外でも、argoのThe Jazztet at Birdhouseでも吹いてます。さらにハンク・モブレイのPoppin'(bluenoteの未発表音源だったもの)でも登場してます。あと管楽器奏者ものでいろいろとありそうで、しかし思い出せないのでAMG(all music guide)で検索しながら持ってる音源を聴いてみました。ファーマーの3version~どれも悪くないのですが、dukeさんセレクトとかち合うのも面白くないので(笑)違う人で選びました。私のベスト3は以下~。
1.「チャーリーマリアーノの真髄」(bethlehem)B面1曲目。
前半はメロディを忠実に吹き、後半でほんの少しだけ崩す・・・そのさじ加減が絶妙。こういうチャーミングなメロディ曲には、マリアーノ特有のちょっと切羽詰っような音色がよく似合う。
2.ジミー・スミス+LD(bluenote)
これ、前半はほとんどジミースミスがメロディを弾く。だいぶ経ってからようやく出ました、ルー・ドナルドソン(as) 但し、元メロディは吹かずにアドリブの箇所だけ。しかしその重くてけだるいアルトの音色は、このdarn that dreamというある意味、沈鬱な感じの曲に実によく合うのである。ホントは全編、ルー・ドナルドソンにテーマを吹いてほしかった(笑)
3.ケニー・ドーハム/Kenny Dorham Quinte(debut)
ちょっとかすれた音色でわりと淡々と吹くドーハム。メロディをほとんど崩さないのが逆にチャーミング。ピアノのソロの後、ドーハムはサビのところで強引にas time goes byのメロディを吹いてしまう(笑)でも全体に端正ないい演奏だと思います。
「ピアノはまたの機会に」ということですが・・・ちょい反則で(ああ、これは4438さんの特許だったか:笑)ホントはモンクが独りで弾くdarn that dreamを推したかったのです。
ファーマーは何度も録音するほどのお気に入りようですが、ベストはUA盤と思います。ゴルソン好きの私としては外せませんし、エヴァンスも光ります。ジャケのあの恐い顔から美しい音は想像できませんので、基本的にこれを聴くときはジャケは伏せておきます。(笑)
ベツレヘムのマリアーノは以前、拙ブログでマリアーノ・ベスト3を話題にしたときトップでした。今回、ラポータかマリアーノか迷った1枚です。ともにバークリーの教授ですので甲乙付け難いですね。マリアーノを聴くとじつにバラード表現が巧みだなぁと感心して涙が出ます。煙が目に沁みただけですが。(笑)
ジミー・スミスとドナルドソンは音楽志向が似ていることもあり、単なる組み合わせ以上の効果が出ておりますね。スミスは目立ちたがり屋ですので先発で決めたのでしょう。
若かりしケニー・ドーハムもいいですね。ドーハムのいいところは歌物のメロディを崩さないことです。その姿勢が美しいブルー・ボサを生んだのでしょう。
ピアノも近いうちに話題にしますが、モンクとエヴァンスで間違いなく票が割れるでしょう。次点は俺が弾くと豪語する SHIN さんです。(笑)
今回は、ダーン・ザット・ドリームですか。良い曲ですね。
一番好きなのは、モンクの「The Unique」なのですが・・・残念!(笑)
お気に入りは、
「One Flight Up」Dexter Gordon
ドリューのイントロに続いて、彼独特の後ノリ+ルーズなリラックスした雰囲気でゆったりと歌い上げるゴードン・・・痺れる!
大好きだ!
Daddy Plays The Horn も素晴らしい(何十年も聴いている。)のだが、後ノリやゆったり感がないのでこちらにしました。
「 Modern Art 」Art Farmer
音色良し!歌心あり!良いラッパだ!
3枚目は、悩みました。bassclefさんのコメントを覗き見すると、あるではないですか、
「チャーリー・マリアーノの真髄」
bassclefさん、有難うございます。
カンニングをしながら作成した、ベスト3です。(笑)
ゴードンでも「One Flight Up」がきましたか。私はめくるめくフレーズの「Daddy Plays The Horn」が好きですが、こちらもペデルセンに刺激を受けたのでしょう、なかなかのものです。ジャケからは健康体が窺えますが、多分に酔っ払っていてあのスタイルでないと立てないのかもしれません。私がススキノでタクシーを待つスタイルです。(笑)
ファーマーにマリアーノ、ジャズの真髄をみる思いです。
カンニングは受験生の皆さんにはお薦めできませんが、ジャズにはありです。カンニングしても答えは同じでないのがジャズです。
○Brown & Roach Incorporated
○Live at The Olympia Paris 1960 / Jerry Mulligan
○Live at MCG / Gerry Mulligan & Billy Talor
○Lee Konitz Meets Jimmy Giuffre
○Chet Baker Big Band
○I'm Old Fashioned / Rick Culver Trio
既出の物も含め、まだ全く聴き込んでおりませんので、
一通り聴いた上で、3枚挙げたいと思います。
そんなに器量が小さい訳じゃネェ、言いたいだけ言えばいい。
ところで、「Darn That Dream」と来たら・・最初はファーマーしかないな。
勿論、UA盤につきる。
次が問題だな、何しろ良い曲なので、やっているヤツが多い。
マリアーノはどうも可も無く不可もなくという作品が多くて・・
私は、25先生が挙げている、マリガンの60年のオランピアのライブ盤が好きだなぁ・・・というのは、マリガンは結構この曲を好きで何度も録音をしている、しかし、マイルスの盤でも自分の9重奏団の時もヴァーカル入りなので反則になるね。
後はロリンズかゴードンか・・・そうだボントロでスティーブ・デイヴィスとかがやっていたのを持っていたかな・・(Stretch盤)あれも味があったなぁ・・・。
というところで、
1、アートファーマー/モダンアート(UA)
2、ジェリー・マリガン/1960オランピア・ライブ盤
3、デクスター・ゴードン/ダディ・プレイズ・ザホーン(Bethlehem)
ジム・ホール(とエバンス)<これはジム・ホールをリーダーにすれば、ピアノ盤ではない、法の盲点をついた選択!)なのだが・・・また違法行為と言われる恐れがあるので・・・。
そう言えば思いだした!
ギターでタル・ファーローのPrestige盤があったけど、あれもいいな、次点にしよう!
毎日が灼熱地獄の東京・・・「Darn That Dream」どこではない・・・悪夢の日々だ、夢心地も悪いことこの上ない!
長居をしました・・失礼!
今回、リック・カルバー以外は私も聴き返しました。ベスト3以下、選ぶとすればオランピアのマリガン、コニッツ、ブラウンといったあたりです。以前聴いた記憶では、カルバーは重い感じがしました。リックを背負っているわけではありませんよね。(笑)
25-25 さんの予想はつきませんが、ファーマーは外れないでしょう。
この曲は何度も録音するケースが多いようですね。コード進行はわかりませんが、発展が面白いのでしょう。マイルスのはケニー・ヘイグッドのヴォーカルが入っておりましたが、マリガンは「Re- Birth Of The Cool」で、メル・トーメを入れてマイルスを偲んでおりました。マリガンのなかでは私もオランピア・ライブを選びます。
ロリンズはマイルストーン盤でしたね。トミフラ参加で朗々と歌っておりました。
スティーブ・デイヴィスのStretch盤はポートレート・イン・サウンドでしたか。イラストのジャケは覚えておりますが、印象が薄いですね。エレピが入っていたような気がします。
ジム・ホールに、タル・ファーロー、それは弦楽器ベストで話題にしましょう。でも3枚目が思い浮かびませんのでパスです。(笑)
札幌は少し涼しくなりました。涼しげな「Darn That Dream」では、アーチー・シェップのソプラノの「バラード・フォー・トレーン」があります。
ここのご常連さんも歳のせいか、パワーのある場外乱闘につながるコメントが少ないですね。(笑)
しかし、一皮むけば元は硬派のジャズ・ファン。誰かが刺激を与えないといけないようですね。(笑)
久しぶりに、木刀でも振り回すか!(笑)
毎度お馴染みの酔っぱらいの戯言です。
退散!