
オシロスコープは目では見えない電気信号の変化していく様子を波形で表示するための計測器で、電気機器の故障解析に使われるようだ。これを繋げてレコードを聴くと音の高低、強弱が波形の変化により一目でわかり、アンサンブルは振幅が広い波形、ソロは小さな波形で表れ、増幅を実感をもって理解することができる。ソロだと音の強弱により波の大きさも多少変わるもの振れが少ない安定した波形を描く。
ソロをとって不安定な波形をみせるのは23歳の若さで亡くなったブッカー・リトルである。その不安定さは決して耳障りなものではなく、寧ろフリー的要素を持った感覚で聴き手に快感さえもたらす。バイオグラフィーを見るとクラシックを学んでおり、他のトランペッターと較べて音階やアドリブの展開が違うのはその素養によるものだろう。クラシックの音楽理論と楽器のテクニックがすぐさまホーンのプレイで活かされるほどジャズは単純ではないが、リトルはクラシックで学んだものをジャズの語法に置き換えることで自身のジャズの方向性を模索していたのだ。いわば志半ばにして完成しないまま夭折したトランペッターなのであった。
ファイヴスポットでエリック・ドルフィーと火の噴くようなセッションを繰り広げたリトルのリーダーアルバムは、たった4枚しかない。なかでもタイム盤は唯一のワンホーン作で、6曲中5曲がオリジナルということもあり、奏者としてのリトルと作曲家としてのリトルを十二分に味わえる作品だ。録音されたのは60年で、当時主流のハードバップの流れを汲みながら、リリカルで一味違うエッセンスをちりばめた作品は、60年代を牽引していくべき力漲ったものである。25歳で亡くなったスコット・ラファロの強靭なベースラインもこのアルバムの聴きどころであり、かつて国内盤が発売された時のタイトル「2つの流星」が、活動期間が短くとも大きな足跡を残した2人を物語っていた。
オシロスコープの縦軸は電圧、横軸は時間を表し、高速な電気信号の時間的変化も読み取れる。グラフに表示されたリトルの大きく上下に振れる縦軸は、限られた横軸の時間を拡大したものかもしれない。凝縮された一音一音が、グラフに表示されている。
ソロをとって不安定な波形をみせるのは23歳の若さで亡くなったブッカー・リトルである。その不安定さは決して耳障りなものではなく、寧ろフリー的要素を持った感覚で聴き手に快感さえもたらす。バイオグラフィーを見るとクラシックを学んでおり、他のトランペッターと較べて音階やアドリブの展開が違うのはその素養によるものだろう。クラシックの音楽理論と楽器のテクニックがすぐさまホーンのプレイで活かされるほどジャズは単純ではないが、リトルはクラシックで学んだものをジャズの語法に置き換えることで自身のジャズの方向性を模索していたのだ。いわば志半ばにして完成しないまま夭折したトランペッターなのであった。
ファイヴスポットでエリック・ドルフィーと火の噴くようなセッションを繰り広げたリトルのリーダーアルバムは、たった4枚しかない。なかでもタイム盤は唯一のワンホーン作で、6曲中5曲がオリジナルということもあり、奏者としてのリトルと作曲家としてのリトルを十二分に味わえる作品だ。録音されたのは60年で、当時主流のハードバップの流れを汲みながら、リリカルで一味違うエッセンスをちりばめた作品は、60年代を牽引していくべき力漲ったものである。25歳で亡くなったスコット・ラファロの強靭なベースラインもこのアルバムの聴きどころであり、かつて国内盤が発売された時のタイトル「2つの流星」が、活動期間が短くとも大きな足跡を残した2人を物語っていた。
オシロスコープの縦軸は電圧、横軸は時間を表し、高速な電気信号の時間的変化も読み取れる。グラフに表示されたリトルの大きく上下に振れる縦軸は、限られた横軸の時間を拡大したものかもしれない。凝縮された一音一音が、グラフに表示されている。
リトルのリーダー作は4枚しかありませんので、サイドメンとして参加した20枚を含めてお好みのアルバムをお寄せください。
管理人Booker Little Best 3
Eric Dolphy / At The Five Spot Vol.1 (Prestige)
Booker Little (Time)
Booker Little And Friends (Bethlehem)
4月からあらゆる物が値上がりしておりますが、「物価低下」を望みたいですね。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
リーダー作が4枚だけとは知りませんでした。
なんと言っても、Eric Dolphy / At The Five Spot Vol.1 が名演だと思います。
それから、Booker Little Out Frontが印象に残っています。フリージャズっぽい雰囲気もあるのですが、それともまた違う。全体的に暗い感じもしますが。
Eric Dolphy / At The Five Spot Vol.1 (Prestige)
Booker Little (Time)
Booker Little Out Front (Candid)
直ぐに決定した上位2枚が同じとは嬉しいですね。リトルは同世代のトランペッターや、当時主流のハードバップとは一味違うのが魅力でしょうか。
Out Front も素晴らしい内容でして、オープニングの曲の中盤で唐突に吹きだすドルフィーはゾクッとくるものがありますね。唄うローチのドラミングがこれまた凄い。おっしゃるように暗い感じがしますが、全曲リトルの作品ですので、クラシックの影響もあるのでしょう。2曲目は葬式用ですね。(笑)
duke様、皆様、こんばんは。
若い頃はハチャメチャに生きて30歳まで生きられれば良いと思っておりましたが、惰性で生き続け、気がつけば不良中年になってしまいました。(笑)
ブッカー・リトルには彼だけの世界があると思います。早死にしなければ凄い仕事をしたのではないかと思っております。
お気に入りは、やはり
「エリック・ドルフィー・アット・ザ・ファイヴ・スポットVol1」
30年以上前に初めてブッカー・リトルを聴いたアルバムです。
ここでのリトル・・最高の出来だと思います。
「ブッカー・リトル」(タイム)
非凡さと将来性を感じます。
この2枚は、外せないと思います。
「エリック・ドルフィー&ブッカー・リトル・メモリアル・アルバム」
2曲目が大好きなのです。
全て違うレーベルってのも、面白いですね。
7~8年前に、CJCから出た
「Sounds of The Inner City/ Booker Little & Booker Ervin」
双頭セッションみたいですけど、これもリトルの
リーダーと見なしていいのでは?
珍しくスターダストなんか、やってます。
馬齢を重ねると言いますが、午年生まれでしょうか。(笑)
ジャズに限らず「もし」はありませんが、リトルが一般的な寿命を保っていれば60年代のジャズの展開も変っていたことでしょう。
上位2枚は決定の感がありますね。ともにリトルという非凡なプレイヤーを垣間見ることができます。
メモリアル・アルバムの2曲目というとブッカーズ・ワルツですね。これも素晴らしい内容でして、2人のメモリアルとして記憶に残ります。
レーベルのデパートは親分のローチに倣ったのでしょうか。(笑)
ダブル・ブッカーは発売されたときにはコンピかと思いましたよ。双頭セッションですが、リトルがクレジットでも演奏でも前に出ておりますのでリーダーと見なしていいのかもしれません。スターダストは意外な選曲ですが、やはりハードなイメージの2人だけに緩いですね。
コルトレーンはあまり好みませんし、もう長らく
聴いてもいないので記憶もおぼろげですが、
「アフリカ・ブラス」って、リトルとドルフィーが
トレーンと共演した、空前絶後の作品じゃなかったですか?
といっても、リトルのソロは、それほど鮮烈には
記憶に残っていないんですが。
「アフリカ・ブラス」にはリトルとドルフィーがオーケストラに参加しておりますが、ソロはありません。トレーンの独壇場ですが、インパ後期に聴かれる濁音をあまり使わず聴き易いほうでしょう。ジャズ喫茶ではB面のグリーンスリーブスが人気でした。久しぶりに取り出しましたが、マッコイのソロが素晴らしいですね。
duke様、25-25様、こんばんは。
>ジャズ喫茶ではB面のグリーンスリーブスが人気でした。
このアルバムは、グリーンスリーブスだけが素晴らしくあとの曲は失敗作では・・・と思っているのですが・・・。