
♪He's a fool and don't I know it But a fool can have his charms・・・彼は愚か者で、私にもそれはよく判っているわ、でもバカな彼にも魅力はあるのよ、という歌詞はロレンツ・ハートとリチャード・ロジャースの名コンビによる「Bewitched」のヴァースだ。それも飛び切り美しいメロディを持っていて、主人公のどうしようもない男を自分に重ねると、より迫ってくるものがある。但し魅力があるかどうかは別の話だが・・・
魅力的なナンバーを生んだミュージカル「パル・ジョーイ」のために書かれた曲で、珠玉のメロディと切ない歌詞に魅せられるのか多くのシンガーが取り上げているが、スライディング・ハマーズの姉のミミ・ハマーがトロンボーンではなく歌っているのには驚いた。姉妹でトロンボーンを演奏するという意表を突いたデビュー盤は、美人姉妹という売り出し句で話題になったが、これが予想以上にテクニックも抜群で音楽性も優れたものだった。トロンボーン・デュオというとJ&Kという完璧な手本があるが、このスタイルに学び練習を重ね、姉妹で切磋琢磨した様子がうかがえる。謳い文句の美人は個人の判断に委ねるとしても、立ち姿は実に絵になる。
「Sings」のアルバムタイトルからわかるように全曲ミミが歌い、妹のカリン・ハマーだけがトロンボーンを吹くという仕掛けだ。「Bewitched」は勿論ヴァースからで、マティアス・アルゴットソンのピアノだけをバックに歌っており、これは歌唱力がなければ出来ない歌い出しだ。そしてこれまたヴァース以上に美しいコーラスに入るとマーティン・ショーステッドのベースが重なる。クライマックスは2コーラス目の♪Lost my heart, but what of it?・・・で、カリンのトロンボーンが歌詞の間を埋めるようにスッと入ってくる。こういう絶妙の間というのはテクニックや練習量で身につけたものではなく、同じ血が流れているからこその阿吽の呼吸なのだろう。
今では典型的なスタンダードになった「Bewitched」だが、村尾陸男著「ジャズ詩大全」によると、ブロードウェイで発表されたときの歌詞は現在歌われている歌詞とは違ったという。当時のピューリタン倫理に背くどぎつい内容だったそうだ。詞を書いたハートはゲイでアル中だったことから歌われなかった歌詞は想像が付くが、州によっては同姓婚が認められている現在のアメリカなら清教徒からお咎めがないかもしれない。
魅力的なナンバーを生んだミュージカル「パル・ジョーイ」のために書かれた曲で、珠玉のメロディと切ない歌詞に魅せられるのか多くのシンガーが取り上げているが、スライディング・ハマーズの姉のミミ・ハマーがトロンボーンではなく歌っているのには驚いた。姉妹でトロンボーンを演奏するという意表を突いたデビュー盤は、美人姉妹という売り出し句で話題になったが、これが予想以上にテクニックも抜群で音楽性も優れたものだった。トロンボーン・デュオというとJ&Kという完璧な手本があるが、このスタイルに学び練習を重ね、姉妹で切磋琢磨した様子がうかがえる。謳い文句の美人は個人の判断に委ねるとしても、立ち姿は実に絵になる。
「Sings」のアルバムタイトルからわかるように全曲ミミが歌い、妹のカリン・ハマーだけがトロンボーンを吹くという仕掛けだ。「Bewitched」は勿論ヴァースからで、マティアス・アルゴットソンのピアノだけをバックに歌っており、これは歌唱力がなければ出来ない歌い出しだ。そしてこれまたヴァース以上に美しいコーラスに入るとマーティン・ショーステッドのベースが重なる。クライマックスは2コーラス目の♪Lost my heart, but what of it?・・・で、カリンのトロンボーンが歌詞の間を埋めるようにスッと入ってくる。こういう絶妙の間というのはテクニックや練習量で身につけたものではなく、同じ血が流れているからこその阿吽の呼吸なのだろう。
今では典型的なスタンダードになった「Bewitched」だが、村尾陸男著「ジャズ詩大全」によると、ブロードウェイで発表されたときの歌詞は現在歌われている歌詞とは違ったという。当時のピューリタン倫理に背くどぎつい内容だったそうだ。詞を書いたハートはゲイでアル中だったことから歌われなかった歌詞は想像が付くが、州によっては同姓婚が認められている現在のアメリカなら清教徒からお咎めがないかもしれない。
ミュージカル「パル・ジョーイ」は、1957年にフランク・シナトラ主演で映画化され、「Bewitched」はリタ・ヘイワースが歌っておりました。邦題は「夜の豹」という妙なタイトルでした。これを機にシナトラの持ち歌になりましたが、カヴァーは女性シンガーが多いようです。今週は邦題「魅せられて」のお気に入りをヴォーカルでお寄せください。インストは機を改めて話題にします。
管理人 Bewitched Vocal Best 3
Anita O'Day / Sings The Most (Verve)
Rosemary Clooney / Sings Ballads (Concord Jazz)
Stacey Kent / In Love Again (Candid)
他にもエラ、サラをはじめドリス・デイ、バーブラ・ストライサンド、ジュリー・ロンドン、ジューン・クリスティ、ローラ・フィジー等々、多くのシンガーが取り上げております。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Rita Hayworth - Bewitched, Bothered & Bewildered
http://www.youtube.com/watch?v=GIpQggP0WvI
9月になって、今度は豪雨です。
先日の火山灰は流れましたが・・(笑)
ヴォーカルものは苦手なのですが、ジャズを聞き始めの頃にエラのオペラハウスを購入して、未だレコードが数十枚の頃でしたから、良く聴いたものです。
「Bewitched」はエラの唄で好きになったようなものですので、エラに一票。
今はケニー・ドリューに捉まってまして、リバーサイド盤「パル・ジョーイ」を聴いております。
とにかく、良い曲ですね。
良い試合でしたね。(笑)連敗中だけに嬉しい勝ちでした。
噴火に豪雨にとそちらは大変ですね。こちらは秋の風が吹いてきました。
エラのオペラハウスは私もよく聴きましたよ。この曲の手本ともいえる歌唱です。
ドリューの「パル・ジョーイ」を聴くとこのミュージカルにかけたロレンツ・ハートとリチャード・ロジャースの意気込みが伝わってきます。
女性歌手で歌っている人が多く、沢山のヴァージョンがありました。映画もDVDで見ましたが、美女出演の映画で、シナトラはいい役だなと思った次第。美女が似合う歌かもしれません。一番は、アニタしか思い浮かびません。
①Anita O'Day / Sings The Most (Verve)
②Ann Richards / Ann, Man ! (Atco)
③Linda Ronstadt / For Sentimental Reasons (Asylum)
②は、バーニー・ケッセルのギターだけで歌っています。美形ジャケットとしても知られていますが、このアルバムは内容もよいですね。③は、素直に歌っていて、かえっていいと思います。他にも、ゴギ・グラント、イヴ・ボズウェル、トニ・ハーパーなどありました。
アン・リチャーズの「Ann, Man!」いいですね!
ケントン・ガールズの中では僕は一番好きな人。
中でもこのアルバムは最高傑作と思います。
Masquerade Is Over もノリが良くて、大好き。
リンダのBewitched も、なかなかですよね。
最近、パーキンソン病になったと聞いて
悲しんでます。
あと、舌足らずのToni Harper も悪くない。
Helen Forrest 、Eve Boswell ,
Ruth Brownも歌ってますね。
「夜の豹」は私も見ました。古き良き時代の典型的なアメリカ映画だけにシナトラがよく似合います。邦題も古き良き時代の昭和ですね。(笑)
トップにアニタ、そしてアン・リチャーズがきましたか。ジャケに吸い込まれそうな美しさですが、歌もいいですね。
リンダ・ロンシュタットは豪華なバック陣ということあり一段と華やかです。伸びのある声に惹かれます。
ゴギ・グラントは「Torch Time」ですね。「Thrill Is Gone」もいい内容ですが、この曲もなかなかのものです。
アン・リチャーズはケントン・ガールズの中では一番の美女ですね。ケントンが惚れるのも無理はありません。アンのアルバムはほとんど揃えましたので話題にしたいですね。
リンダのパーキンソン病は大きく報道されておりましたが、また元気な歌を聴きたいものです。
トニ・ハーパーにヘレン・フォーレスト、イヴ・ボズウェル、ルース・ブラウン、ベストに挙げなかったものの一聴の価値がある歌唱ばかりです。
しかし、良い曲ですね、素人が歌うには難しい歌ですねぇ・・
この曲なら、
Anita O'Day / Sings The Most (Verve)
Rosemary Clooney / Sings Ballads (Concord Jazz)
これに加えてエラのオペラハウスですね。
しかし、アンちゃんやリンダちゃんが登場してきて、こっちの方向性も良いですね。
「夜の豹」という映画の題名は小学生の頃でしたか・・母親の読んでいた映画雑誌でみて何だろうと思った記憶があります。
今週は暑さボケで品悪く迫ってみました。
PS:しかし、ハクエイ君の新譜、ジャズというジャンルをまるでビッチェズブリューが破壊したように突き抜けた作品でなかなか良いですね!
テクニックではメルバが上をいきますが、ステージ映えするのはやはりこのシスターですね。メルバも機をみて話題にしましょう。リストにあります。(笑)
アニタ、ロージー、エラと定番が並びましたね。多くのシンガーが取り上げておりますが、手本としたのはこの定番かもしれません。
「夜の豹」は何度もテレビで放映されておりました。未だに邦題がピーンときません。
ハクエイさんの新譜はボーダレス・アワーですね。エレキを使った意欲的な作品のようですので、聴いてみましょう。
Bewitched Vocal Best 3
Anita O'Day / Sings The Most (Verve)
Ella Fitzgerald / At the Opera House (Verve)
Ann Richards / Ann, Man ! (Atco)
多くの投票はいただけませんでしたが、アニタが一番人気でした。奇しくもアニタとエラのバックはともにピーターソンです。シンガーを鼓舞するのが伴奏者としての役目ならピーターソンはこの点でも一流といえます。
他にもローズマリー・クルーニー、ステイシー・ケント、リンダ・ロンシュタット等々、多くの名唱が挙がりました。それぞれ持ち味を発揮した素晴らしいものばかりです。今宵はお気に入りのシンガーに魅せられましょう。