徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

散歩道で拾った話…第五百一「たぬき」

2011-12-08 22:45:22 | 生き物
 今日の散歩道…曇り後雨…寒くはなかったので散歩に出かけました…。
カメラの使い方をよく把握していないdoveは薄暗い日の撮影が苦手…風の強い日もイマイチ…。
晴れたら晴れたで逆光に弱く…。
…雨…降ってるしなぁ…。
(…つまり…どんな天気でもあかんってこっちゃね…。)

 さて…本日の画像は…タヌキ…。
このブログを書き始めた頃にたった一度だけ川の中洲で見かけただけで、それ以来数年間、まったく出現したことのなかったタヌキです。
以前に雪の下さんもタヌキを画像に収めておられるので、doveの見間違いなどではなく、確かに居るということは証明されていましたが…。

 これは四日ほど前に遭遇した時の画像です。
もう一度この目で見たいという積年の夢が叶って嬉しくて大興奮でした…最初は…ね…。

        

この子…とても可愛いでしょう…?
ずっと目を細めていて…夜行性だから陽射しが眩しいのか…くらいに思ってました…。

        

…が…これがとても深刻な事態だということに気づくまで…そんなにはかかりませんでした…。
この時期の野生動物はすでに冬毛…ふかふかのもふもふになっているはずなのに…。

        

抜け毛がひどくてまるで半分裸…犬か猫かと喧嘩でもして怪我をしているのかと…その時は…。
しかし…裂傷などは見当たらず出血した痕もないようで…。

        

帰宅して画像を拡大してみると皮膚自体がひどい状態であることが解りました。
御覧のとおり…ボロボロです…。

        

素人なので確かなことは分からないですが…もしかすると…疥癬症(センコウヒゼンダニ症)なのでは…。
そのせいで瞼がふさがっているのだとすると、この子はこの冬を乗り切ることはできないかもしれません。

        

目に見えないほど小さなダニが体内で増殖することによって起こる感染症なので自然治癒することはないそうです。
投薬で治療できるそうですが、野生動物であるこの子にはその機会はありません…。

        

この辺りには複数のタヌキがいるようなので、他のタヌキへの感染も心配されます。
さらに、この子がもし犬や猫と接触すると、感染はそれらにも広がる可能性があり、それが飼い犬や飼い猫だった場合、人間にも感染が及ぶ可能性があるそうです。

        

無論…人間とペットは治療が受けられます…。

 ペットや人への感染拡大のことも考えて、地域の役所の野生動物の担当に目撃報告の電話してみましたが、電話した目的も聞かずに、野生のタヌキを保護したり、治療したりすることはしないと言われました。
保護だの治療だのの要請ではなくて…人やペットへの感染の虞があるから知らせた方が好いのでは…と思い電話しているのだと説明しましたが、そうした感染する虞のある個体の目撃報告であっても、まったく必要ないと言われてしまいました。
感染しているかもしれない病気の名前や症状さえも聞いてはもらえませんでした。

他県では他の動物にも感染拡大するのを防ぐ為に報告するのが当たり前というところもあるそうです。
しかも…感染したタヌキを捕獲して治療して山へ戻している県もあるとか…。

それが望ましいには違いないですが…其処までやれとは言わない…せめて他への感染を防ぐ為にも地元の野生動物の状況を把握して欲しかった…。
感染しているのはこの子だけとは限らないし…ね。

もし…感染しているタヌキがこの子だけなら…他のタヌキへの感染はできれば避けたいし…。
(本当はこの子も保護して助けてもらいたいんだけど…それは無理だろうから…。)

タヌキの疥癬症は、もともとは人と暮らす犬や猫から感染したものらしく、人との関わり合いの中で感染に至ったと聞けば、この子の置かれた現状にさらに胸が痛みます。

 翌日から…この場所に様子を見に行っていますが…あれ以来この子は現われません…。
そう遠くには行けない状態でしょうから…何処かに潜んでいるとは思うのですが…。

山が無くなっても森が無くなっても何とか生き延びたタヌキたち…この町のタヌキが全滅してしまわないよう祈るしかありません…。