幸運にも生き延びたこのビーグル犬には、その強運に因んでラック(Luck)という名前が付けられた…。
ここが見知らぬ家である…などということは端から頭にないらしく…ガツガツと御飯を食べ…普通に散歩を強請り…下の弟に対しては威張っていた…。
犬は自分を家族の下から二番目くらいに位置付けるという…。
鼻黒の時もそうだったのだが…下の弟はラックからも完全になめられていた…。
自分の位置付けをしたということは…ラックは一日経つか経たないかの内に…すでにこの家族(群れ)を自分の居るべき場所として認識していたことになる…。
ものすごく順応性の高い犬だ…。
けれども…同時にそれは…ラックの心と身体の飢えの酷さを表している…。
ほとんど飲まず食わず…ひとりぼっちで…繋がれていた期間の長さを物語っている…。
見知らぬ他人を疑いもせず…仲間…と思うほどに…。
山菜の季節はともかくも…冬場は滅多に人が歩いて通ることのない森の道…。
それでも…たまにはハンターが森へ入るわけだから…もし…誰かの通報で保護センターに引き取られていたとしたら…ラックの運命はどうなっていただろう…。
もとの飼い主は…成長して手に負えなくなったラックの世話に困り…猟犬種のビーグルだから狩場においておけば誰かが拾ってくれる…などと安易に考えて森に繋いでおいたのかもしれない…。
或いは…あまり考えたくないことだが…戻ってこられないように…人通りの少ないところへ繋いでおき…餓死させる気だったのかもしれない…。
ちょっと見は前者の方が良心的に思えるが…同じこと…。
どう育ったかも分からず…血統書も無く…すでに成犬になったビーグル犬を拾ってわざわざ猟犬として訓練するハンターは…まず…いない…。
放しておけばまだしも…繋いだままの状態では餌も獲れず…早かれ遅かれお迎えが来る…。
運良く通報されてセンターに保護されても…それは数日命が延びただけのこと…。
引き取り手が無ければ殺される運命である…。
子犬でさえも里親探しが難しいのに…成犬の引き取り手が果たして有るや否や…。
ビーグル種は身体から想像するよりずっと声が大きい…。
声だけ聞いていたら大型犬が居るのかと思うだろう…。
ラックの声も相当なものだ…。
やたら鳴かせると近所迷惑だが…防犯ベルの代わりには…なるかな…。
子犬の時には縫いぐるみのように可愛いが…後々のことを考えると…見た目で選んではいけない犬の最たるものだと…思う…。
猟犬種であるだけに成犬ともなれば牙も鋭く顎の力も非常に強い…。
動作も機敏で攻撃力もある…。
大人用の重たい毛布をスクリューのようにブンブン振り回すくらいのことは平気でする…。
庭中に穴を掘りまくる…。 近くに在る物はぶっ壊す…。
実に上手く脱走する…。 めちゃくちゃ力が強い…。 逃げ足が速い…。
体当たりの勢いも半端じゃない…。 人一倍(犬一倍…か)運動量が必要…。
何気なく飛びつく…。 かなり高い位置までジャンプする…。
ビーグル種は…縫いぐるみのように見えても…小さな子供や体力のない人が育てるには…不向きな犬…。
拾った端のラックの状態がそんなふうだったから…特にそう感じられたのかも知れないが…。
鼻黒より身体の大きなラックは…どうやら鼻黒用に作られた小屋の入り口を狭いと感じたらしく…ガリガリと噛んで小屋の板を割り…自分で間口を広げた…。
ちょうど…勢いよく小屋に飛び込んでも…身体に触れない程度の大きさに…。
それ以上は大きくしなかったところを見ると…ちゃんと考えて設計・改造しているようだ…。
なかなかに…優れものである…。
次回へ…。

この物語を読んでくださる方が…捨て犬や捨てネコについて少しだけ…興味を持ってくだされば幸いです…。
この物語を書く決心をさせてくれた記事です。
http://blog.goo.ne.jp/wildboar_36/e/a86629d45b6e4487bf2eecdc41ab92b0
ここが見知らぬ家である…などということは端から頭にないらしく…ガツガツと御飯を食べ…普通に散歩を強請り…下の弟に対しては威張っていた…。

犬は自分を家族の下から二番目くらいに位置付けるという…。
鼻黒の時もそうだったのだが…下の弟はラックからも完全になめられていた…。
自分の位置付けをしたということは…ラックは一日経つか経たないかの内に…すでにこの家族(群れ)を自分の居るべき場所として認識していたことになる…。
ものすごく順応性の高い犬だ…。

けれども…同時にそれは…ラックの心と身体の飢えの酷さを表している…。
ほとんど飲まず食わず…ひとりぼっちで…繋がれていた期間の長さを物語っている…。
見知らぬ他人を疑いもせず…仲間…と思うほどに…。

山菜の季節はともかくも…冬場は滅多に人が歩いて通ることのない森の道…。
それでも…たまにはハンターが森へ入るわけだから…もし…誰かの通報で保護センターに引き取られていたとしたら…ラックの運命はどうなっていただろう…。

もとの飼い主は…成長して手に負えなくなったラックの世話に困り…猟犬種のビーグルだから狩場においておけば誰かが拾ってくれる…などと安易に考えて森に繋いでおいたのかもしれない…。
或いは…あまり考えたくないことだが…戻ってこられないように…人通りの少ないところへ繋いでおき…餓死させる気だったのかもしれない…。

ちょっと見は前者の方が良心的に思えるが…同じこと…。
どう育ったかも分からず…血統書も無く…すでに成犬になったビーグル犬を拾ってわざわざ猟犬として訓練するハンターは…まず…いない…。

放しておけばまだしも…繋いだままの状態では餌も獲れず…早かれ遅かれお迎えが来る…。
運良く通報されてセンターに保護されても…それは数日命が延びただけのこと…。
引き取り手が無ければ殺される運命である…。
子犬でさえも里親探しが難しいのに…成犬の引き取り手が果たして有るや否や…。

ビーグル種は身体から想像するよりずっと声が大きい…。
声だけ聞いていたら大型犬が居るのかと思うだろう…。
ラックの声も相当なものだ…。

やたら鳴かせると近所迷惑だが…防犯ベルの代わりには…なるかな…。
子犬の時には縫いぐるみのように可愛いが…後々のことを考えると…見た目で選んではいけない犬の最たるものだと…思う…。

猟犬種であるだけに成犬ともなれば牙も鋭く顎の力も非常に強い…。
動作も機敏で攻撃力もある…。
大人用の重たい毛布をスクリューのようにブンブン振り回すくらいのことは平気でする…。

庭中に穴を掘りまくる…。 近くに在る物はぶっ壊す…。
実に上手く脱走する…。 めちゃくちゃ力が強い…。 逃げ足が速い…。
体当たりの勢いも半端じゃない…。 人一倍(犬一倍…か)運動量が必要…。
何気なく飛びつく…。 かなり高い位置までジャンプする…。

ビーグル種は…縫いぐるみのように見えても…小さな子供や体力のない人が育てるには…不向きな犬…。
拾った端のラックの状態がそんなふうだったから…特にそう感じられたのかも知れないが…。

鼻黒より身体の大きなラックは…どうやら鼻黒用に作られた小屋の入り口を狭いと感じたらしく…ガリガリと噛んで小屋の板を割り…自分で間口を広げた…。
ちょうど…勢いよく小屋に飛び込んでも…身体に触れない程度の大きさに…。

それ以上は大きくしなかったところを見ると…ちゃんと考えて設計・改造しているようだ…。
なかなかに…優れものである…。

次回へ…。

この物語を読んでくださる方が…捨て犬や捨てネコについて少しだけ…興味を持ってくだされば幸いです…。
この物語を書く決心をさせてくれた記事です。
http://blog.goo.ne.jp/wildboar_36/e/a86629d45b6e4487bf2eecdc41ab92b0