作業台の前の壁には長谷川潔のコロタイブによる複製を決めているが、右の壁には、何か色彩のある物を、と。カーテン越しに日当たりも良い。それでも惜しくない物をと、ヤフオクを見ていたら、大正から昭和にかけての売れなかった画家の油彩画を見つけた。検索しても、どの風景作品も冴えない。ヌードもあったが、風景は冴えないが人物は良い、なんて事はあり得ないだろう。さらに冴えない。何でこんなモチーフを描いたのか?腕もさることながら、その着眼点にも疑問が残る。「お前に言われたくない」と聴こえたのは幻聴か? あまりに売れず、キャンバスも買えずに多くは板に描いており、酷いのになると、茶箪笥の引き戸にでも描いたか、裏側に取っ手がついたままの絵さえある。額に至っては、木切れを集めた手作りである。何か色が欲しいだけで、これなら紫外線も気にする事はない。検索して指を指されたくないので作者名は書かないでおく。私への戒めにもなろう、と思ったが、貧乏神がもれなくへばりついて来そうで止めた。