かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版 馬場あき子の外国詠393(中欧)

2018年01月19日 | 短歌一首鑑賞
 ブログ版馬場あき子の外国詠54(2012年7月実施)
   【中欧を行く 虹】『世紀』(2001年刊)109頁~
   参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:藤本満須子
   司会と記録:鹿取未放


393 心の翳り幾重に深き日に開くホフマンスタールの訳詩集あり

     (レポート)
 作者の心に陰鬱なかげりがおおいかぶさるとき、ホフマンスタールの訳詩集を読む。読むことによって少しかげりがうすれていく。ホフマンスタールの若き日の詩集であろうと想像する。(藤本)


      (当日意見)
★あり、と現在形で詠われているが、日本にいて心の翳りが深い日に折々繙いた、そういう訳詩
  集があるよ、持っているよということだろう。(鹿取)
★エレクトラは復讐の劇だが、詩集の中には翳りを薄れさせるような明るい詩もあるのだろうか。
     (慧子)
★いや、私もホフマンスタールを読んだことはないが、明るいから心の翳りが薄まるとは限らな
 い。395番歌(エレクトラ熱唱する大き影ゆれてかく呪ふことわれを励ます)では呪いによっ
 て励まされているわけで、暗い詩に共感することで、心が軽くなる場合だってある。(鹿取)
★ユダヤ系の芸術家に対する思い寄せがここにも表れているのだろう。(藤本)



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