脱ケミカルデイズ

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中国で14年間禁止されていた発泡樹脂使い捨て食器再解禁

2013年05月10日 | 化学物質

サーチナ2013年5月1日(水)10時23分配信
なぜ?…使い捨て食器、環境問題で禁止14年後の再解禁=中国
http://news.nifty.com/cs/world/worldalldetail/sech-20130501-20130501_00009/1.htm

 中国で発泡樹脂の使い捨て食器の利用が1日に解禁された。主に弁当箱などで、14年前に「環境汚染の原因」との理由で禁止されていた。解禁を決めた国家発展改革委員会(発改委)は「回収と再利用が可能だから」などと説明したが、疑問を持つ人は多い。

 業界団体は2010年ごろから、該当商品を「環境にやさしい」との主張を強めていたが、中国政府・環境保護総局(現、環境保護局)は否定的な見解を示していた。

 中国で発泡樹脂の使い捨て食器は、1986年に鉄道車内で販売する弁当の容器として使われ始めた。乗客の多くは窓を開けて不要になった容器を捨てた。乗務員も車内を清掃するが、同様に車外に捨てた。自然環境下で分解されにくいため、白い容器が線路脇にびっしりと残り「白い長城」、「白色汚染」などと呼ばれるようになった。

 批判の声を受け、中国政府は14年前の1999年、発泡樹脂の使い捨て食器の生産を禁止した。しかし2013年2月に発改委が発表した「産業構造調整指導目録(2011年版)」にかんする調整では「淘汰されるべき生産品リスト」から発泡樹脂の使い捨て食器が削除された。「調整」は5月1日の施行となった。

 発改委は発泡樹脂の使い捨て食器の製造解禁の理由を◆国家食品包装用具の関連基準に合致◆使用後に回収と再利用が可能◆国際的にも多くの国と地域が使用を続けている◆石油資源を節約できる◆社会環境が変化した――と説明した。

 中国ではよくあることだが、発泡性樹脂の食器は中央政府が生産を禁止しているにもかかわらず、実際には生産され続けてきた。消費者には禁止について知らず、「解禁」の報を聞いて改めて懸念を示すようになった人もいる。

 環境保護団体は、発泡樹脂製は「回収しても利用価値が低い」、「軽いので大量ほうきされやすい」として、改めて深刻な「白色汚染」が発生する可能性があると憂慮を示した。

 中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)が2010年に放送した、発泡樹脂製食器に有害な物質が添加されているとの番組も、人々の記憶によみがえることになった。容器の中に毒性がある工業用炭酸カルシウム、滑石、さらに食品の包装材料への使用が厳禁されている蛍光増白剤が添加されている場合があったという。(編集担当:如月隼人)