脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

肥満大国アメリカの元凶は貧困

2013年01月07日 | 食品

朝日新聞201年1月16日 米国、毎日フライデー 揚げ物大好き、3人に1人太りすぎ

米国では3人に1人が太りすぎだとされ、肥満は国家的課題だ。以前、息子を託児所に預けた時、耳を疑った。毎週金曜は「ピザの日」で、離乳したての1歳児もピザを食べるという。そりゃ太るわけだわ。
ニューヨーク市はファストフード店にカロリー表示を義務づけたが、効果のほどは疑問だ。

(略)

いる、いる。目測でも優に120キロは超えている人たちが大勢いる。肥満を探し求め、ディープサウス(深南部)と呼ばれるミシシッピ州の郡部を訪ねた。この州は全米で最も肥満率が高く、米疾病対策センター(CDC)によると、約35%が肥満(BMI30以上)だとされる。
コンビニのレジにはフライドチキンが盛られ、午後4時、アフリカ系(黒人)女性らが買い求めていく。177センチ、67キロの私の倍ほどもある腰回りで、二の腕は太もも並みの人が続々と。

(略)

いったい、以前はどんな食生活だったのですか? 

「一日中、揚げて揚げて揚げる。朝からディープフライした(たっぷりの油で揚げた)チキンなんかを子どもにも与えていたの」

ディープフライするとカロリーは倍になるとされる。あとは豆、米、ひき肉などが副菜だったという。

野菜や果物などは食べないんですか?

「私はシングルマザーで4人の子に食べさせないといけなかったから」。

減量指導をしたウィリー・ダウイーさん(69)が補足する。

「安価な食品ほど脂肪分とカロリーが高い。貧困が肥満を招くんだよ」

実はミシシッピ州は貧困率も約22%と全米一だ。貧しいと太るというのは、ちょっとのみ込みにくいが。同州の肥満問題に取り組むNGOの専務理事、サンドラ・シェルソンさんは「肥満は飢えの裏返し」とまで断言する。「いつも空腹に悩まされていたら、カロリーの高いものを選ぶのは当然でしょう」

その上、「塩、砂糖、脂肪を大量に含む食品には中毒性がある」と言う。太るのは自制心に欠けるからではと思っていたが、決してそうではないようなのだ。

生鮮店は40キロ先

そして、もう一つの間題が「距離」である。「この一帯はフードデザートです」。栄養土のウィル・ローランドさんは耳憤れない言葉を口にした。近くにファストフード店しかなく、生鮮食料を売る店まで40キロ以上離れている。だから「食品砂漠」だ。日本の「買い物難民」に近い。
訪れたミシシツピデルタは過去、奴隷による綿花栽培が盛んで、今も人口に占める黒人の率は高い。貧困、人種間格差、大量生産大量消費、極端な車杜会。この国の負の部分を煮詰めると肥満問題になる。黒人のオバマ大統領が再選しようが、まるで変わらない米国がここにある。

(略)

(真鍋弘樹 ニューヨーク)