脱ケミカルデイズ

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都の排ガス規制強化後脳卒中死亡率8.5%減

2012年07月03日 | 化学物質

朝日新聞2012年6月26日 都の排ガス規制強化後脳卒中死亡率8.5%減

東京都がディーゼル車の規制を強化した2006年を境に、東京都区部で脳卒中の死亡率が8・5%滅った、と岡山大などが推計した。研究チームは、排ガスなどから生じる「PM2・5」という大気汚染物質の濃度低下と関係していると見ている。大気には、窒素酸化物など汚染物質が混ざってできた微粒子が漂っている。このうち、スギ花粉の10分の1程度のごく小さな粒子をPM2.5と呼び、区別している。肺の最深部から全身の血流に入り込むため、呼吸器病に加え脳卒中など循環器病のリスクまで高めるとされている。

岡山大の頼藤貴志准教授(環境疫学)らは、都がディーゼル車規制を強化した06年4月の前後各33ヵ月にわたり、都が測定しているPM2・5濃度と、都区部での脳卒中死者数を1日ごとに調べ、比較した。その結果、02年に1立方メートルあたり27・5マイクログラム(マイクロは100万分の1)あったPM2・5は、09年には15・9マイクログラムまで減っていた。一方、脳卒中による死者は、規制強化前33ヵ月間は2万460人、強化後33ヵ月間は1万9728人だった。

全国的な脳卒中死者数の推移や、気温と湿度、インフルエンザや熱中症の多発など、死亡率に関係すると考えられる要素を省く手法で、脳卒中の死亡率は規制強化で8・5%低下したと推計した。規制強化がなければ死者数は実際よりもさらに増えていたと見られ、東京都区部の人口に当てはめると、1年あたり632人の脳卒中死を防いだことになる。(編集委員・中村通子)

国立循環器病研究センター病院予防健診部の小久保喜弘医長の話

厚生労働省は、国民の平均血圧を約2下げれば脳卒中の死亡率が6・4~8・5%減り、死亡者は全国で約1万人減ると見込んでいる。大気汚染の改善は、これに匹敵する健康インパクトがあることになる。

 

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