フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

そうだったのか!中国 池上彰著

2010年04月26日 11時30分05秒 | 書評 その他
文庫本ですけど2段組みの構成で、429ページの大部な作品です。
著者の池上彰さんは記者としてNHKに勤務され
1994年から11年間は「週刊こどもニュース」の
お父さん役として活躍されていました。
現在はNHKを退局され、民放各局に出演され
そのわかりやすい解説には定評があります。

本書は、中国の現代史を驚くほど詳しく、
しかもわかりやすく説明・解説されていて、
見えにくかった現代中国の今がつぶさに語られています。

テレビだと時間的な制約や不特定多数の視聴者の存在から
内容面もそんなに深く掘り下げられないのだと思いますが、
想像以上にこの方は該博なのですね。
中国の専門家も顔負けの綿密な事実の掘り下げと
大量の資料への検討を積み重ね、
本書が出来上がっている印象を受けました。

一方でジャーナリストらしい事実の伝え方。
読者への配慮を忘れない内容の伝え方がすごい!
というほかありません。

個人的には、
毛沢東の「大躍進政策」と「文化大革命」の内容とその背景
第2次天安門事件の事実とその背景についての内容が読み応えありました。

どこの国でも権力闘争は複雑で激しいものだと思いますが
中国はとくに激しい。しかも戦後の苦しい時代を
乗り越えてきた共産党初期時代の指導者たちの権力争いが凄まじいです。
一人の巨大な権力者の一言で組織や社会を動かせるような
単純なものではなく、権力者自身も周辺のヒトや社会の動きを
見極めながら意思決定をしているようなフシがいたるところでみられ、
中国の権力構造の複雑さを垣間見る思いがします。


中国の発展はとどまるところを知りませんが、
この国をコントロールするのは並大抵ではないでしょう。
突然、とんでもない方向へ走りだす可能性だって捨てきれません。
第5世代といわれる習近平、李克強らが
今後どのような国家運営をしていくのか、
中国の現状からは目が離せないですね。


そうだったのか! 中国 (集英社文庫)
池上 彰
集英社

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文庫本版では、「21世紀の中国の光と影」が追加され
2007年6月以降の中国の現況にも触れられています。


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