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アダム・スミス 堂目卓生著 中公新書 (その1)

2009年01月06日 00時59分25秒 | 書評 その他
アダム・スミスは「神の見えざる手」の「国富論」で有名な
18世紀のイギリスの経済学者です。

アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界
堂目卓生著 中公新書




本書は、自由放任主義者を体系化した学者として知られる
アダム・スミスの「本当の主張」がどこにあったのかを
明らかにした作品です。
2008年度のサントリー学芸賞受賞作です。


アダム・スミスはとても有名な経済学者ですが
生涯で表した著書は2冊で
一冊は有名な「国富論」。
もう一冊が「道徳感情論」です。

本書では、前半でこの「道徳感情論」の内容を
詳細に検討することで従来のアダムスミスのイメージを覆し、
単なる自由放任主義ではなく
人間が本来持つ能力によって社会秩序と繁栄がもたらされること
を明らかにしています。

本書の後半では、
前半の理解の下で「国富論」を検討し
「分業と資本蓄積」が社会の繁栄を促進すること
を考察しています。

スミスの主張が、
単に規制を撤廃すれば
「神の見えざる手」によって市場が調整され
社会の繁栄がもたらされるというほど単純なものでもない
ということがよくわかります。


従来のアダム・スミスのイメージは、
「規制を撤廃し、
利己心にもとづいた競争を促進することによって、
高い成長率を実現し、
豊かで強い国をつくるべきだ」と
主張する自由放任主義、
市場原理主義のように
考えられてきました。

しかし、
「国富論」に先立って出版された
「道徳感情論」を丹念に読み込んでいくと
従来のアダム・スミスのイメージとは異なる主張が
隠されていたことが明らかにされていきます。


小泉内閣以来の構造改革が見直される現在
一つの指針を与える書物なのではないでしょうか。

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