徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

2018/19シーズンのインフルエンザワクチンは足りるらしい。

2018年09月14日 08時04分24秒 | 小児科診療
 2017/18シーズンはインフルエンザワクチンが足りなくなり、政府が「13歳以上は1回接種」を推奨するという事態に陥りました。
 足りなくなった理由は、ワクチン製造株を途中で切り替えたから。
 当初、WHO推奨株に近い株を選択して生産を開始したものの、有精卵中の増殖が悪く、目標とするワクチン数にとても足りないと判断し、増殖の良好な株へ急遽切り替えたのです。
 でも結局、出来上がったのが12月だったので解決にはならなかった、という経緯です。

2017年09月27日)インフルエンザワクチン不足(2017/18)

 まあ、当院は数年前から「3歳以上は1回接種でもOK」と勧めてきたので混乱はありませんでしたが。

2015年08月31日)インフルエンザワクチン情報-3:1回接種、それとも2回接種?
2017年10月03日)インフルエンザワクチン2017/18予約受付中

 昨シーズンのトラブルに懲りて、今シーズンはWHO推奨株近似株の中で有精卵中の増殖良好なものをあらかじめ選択したそうです。
 毎年インフルエンザワクチンには振り回されるので、トラブルには慣れっこになっているのですが、今シーズンはスムーズに行くでしょうか?

□ インフルワクチン製造量、17年度上回る
2018/9/13 日本経済新聞
 厚生労働省は13日までに、今年度のインフルエンザワクチンの製造量は約2650万本で、ワクチンの供給が遅れた2017年度の使用量2491万本を上回る見通しだと明らかにした。一方、安定したワクチン供給を続けるために、17年度から引き続き13歳以上の任意接種について原則として1回接種とするように周知する方針。
 17年度はワクチンの製造過程でウイルス株を変更したため供給が遅れ、ワクチンを予定通り入荷できない医療機関が続出した。今年度は例年のワクチン使用量と照らし合わせて不足は生じない見通し。


 あれ、こちらの記事では「13歳以上は1回を推奨」を続けるとありますね。

□ インフルワクチン1回に 不足懸念、厚労省呼び掛け
2018.9.13:共同通信社
 厚生労働省は12日、インフルエンザワクチンの安定供給のため、13歳以上は原則1回接種とすることを呼び掛ける通知を出すことを決めた。
13歳未満や、医師が必要と判断した場合は2回接種で問題ない。
 昨季はインフルエンザが記録的な大流行となった上、シーズンの序盤にワクチン製造が遅れて一時的に不足した。
今季は例年の使用実績からの予測で、十分な量を確保できる見通しだが、2回接種の人が多いと12月の第1週目ごろに一時的に足りなくなる恐れがあるという。
 そこで厚労省は、ワクチンを効率的に使い、安定供給を確保するため、1回接種にすることと、必要以上のワクチンを購入しないよう医療機関に呼び掛けることにした。


 昨シーズンを経験して問題がなかったから「13歳以上は1回」をスタンダードにする方針にしたのかな。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 実は何種類もあるインフルエ... | トップ | (2018.9.14)日本全国からイ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

小児科診療」カテゴリの最新記事