日本における春の花粉症は例年、
・3月はスギ花粉がメイン
・4月はヒノキ花粉がメイン
・そしてGW明けに終了
というパターンが定着しています。
さて、スギとヒノキで症状が異なるのか?
アレルギー専門医の中でもあまり議論にはなりません。
まあ、治療が変わりませんからね。
実際のところ、どうなのでしょう。
その問題を扱った記事が目に留まりましたので紹介します。
<ポイント>
・スギは1月半ばからスタートし、ピークは2月から4月、5月にはおおむね飛散しなくなる。
・ヒノキは2月からスタートし、ピークは3月から4月、そして、6月中旬くらいまで飛散する。
・ヒノキの方がスギに比べて花粉の粒がやや小さく、粘膜に入りやすい。
・ヒノキの方が、目や喉の粘膜の炎症(目や喉のかゆみや違和感、咳)が強く出る。
・ヒノキの方が少量の花粉でも症状が出やすい。
・スギ花粉とヒノキ花粉は非常に似ている構造のため、スギの花粉症がある人はヒノキの花粉症も同時にお持ちの方が多い(約7割)。
当院でも4月下旬から、
「一旦収まっていた花粉症症状がまたひどくなった」
と来院される方が増えています。
私は「イネ科花粉症の始まり」と説明していましたが、
ヒノキ花粉症も混在している可能性がありますね。
なお、イネ科花粉症の代表であるカモガヤは、
スギ・ヒノキ花粉よりも粒子が小さいので、
咳が出やすい傾向が指摘されています。
実際に「カモガヤ喘息」という医学用語もあります。
▢ くしゃみが止まらない理由は?じつは異なる「スギ花粉」と「ヒノキ花粉」の症状の違い
(2025.05.04:@DIME)より一部抜粋(下線は私が引きました);
花粉の飛散量は前年の気温や日照時間などが影響しているというが、今年は非常に花粉の飛散量が多い春になった。
「春の花粉症」とひとくくりに話してしまいがちだが、スギとヒノキでは違う点がいくつかあるという。いったいどのような違いがあるのだろうか。耳鼻咽喉科医の木村聡子先生に教えてもらおう。
▶ ヒノキの方が目や喉の炎症が強く出る傾向に
5月になり、花粉症のピークは越えたようだが、まだまだヒノキの花粉は飛散している。
「全国一律ではなく少しずれはあるものの、飛散する時期は、
・スギは1月半ばからスタートし、ピークは2月から4月、5月にはおおむね飛散しなくなります。
・ヒノキは2月からスタートし、ピークは3月から4月です。そして、6月中旬くらいまで飛散します。」
症状は非常に似通っており、目や鼻、喉や皮膚といった場所に症状が出るのは共通している。
「ただ、ヒノキの方がスギに比べて花粉の粒がやや小さく、粘膜に入りやすいとされています。そのため、ヒノキの方が、目や喉の粘膜の炎症が強く出る傾向にある。例えば、目や喉のかゆみや違和感、咳などです。更に、ヒノキの方が少量の花粉でも症状が出やすいという特徴がありますね」
少しの違いはあるとはいえ、症状は非常に似ているため、どちらの花粉にアレルギー反応を起こしているのか、自己判断するのは非常に難しい。
「ご自身ではスギの花粉症だと思っていても、実際はヒノキの花粉症だったというケースはもちろんあります。逆のケースももちろんあります。そして、花粉というといろいろありますが、スギとヒノキは非常に似ている構造です。そのため、スギの花粉症がある人は、ヒノキの花粉症も同時にお持ちの方が多いのです。スギの花粉症の方で、約7割の人がヒノキの花粉症も持っているとも言われています」
自己判断をして、市販薬で対処をしているという人もいるだろう。しかし、アレルギー検査をして、自分が何の花粉に反応しているのかは調べてもらった方が良いこともある。
「自分がどのアレルギーを持っているのかを知ることで、“いつから”“どんな薬を”“どれくらい”使えばいいのかという目安になります。例えば、スギ花粉が飛び始める時期は、ヒノキの花粉症だけをお持ちの方はそこまで対策はしなくていいわけです。また、飛散のピークに合わせて薬の量を調整することもできます。中には自分でアレルギー性鼻炎と思い込んでいてもそうでないケースもあります。」
自分にとって必要な薬を適切な量で適切な時期に服用するには、どんなアレルギーを持っているかという情報は非常に大切だ。マスクや服装など日常の中で対策をするタイミングも変わってくる。自分がどういう物質にアレルギー反応を示すのか、一度調べてみるといいだろう。