徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

子宮頸がんワクチンの副反応を証明する実験データは“ねつ造”だった?

2016年11月27日 07時34分01秒 | 小児科診療
 混迷を極める子宮頸がんワクチン問題。
 反対派の根拠となる副反応のメカニズムを証明する信州大学池田教授による実験データが「科学的ではない」と批判されています。

 医学部の大学教授とは、研究者がエビデンスを積み重ねて論文を発表する中でも秀でた一握りの人がたどり着く地位。
 その“教授様”の見識・倫理観ってこの程度だったの? 
 それとも、何か裏があるのかな? 

■ 子宮頸がんワクチンデータ捏造疑惑「科学的議論不足」...信大に研究再実験要求〔読売新聞〕
(2016.11.16:読売新聞)
 子宮頸がんワクチンの副作用などを研究する厚生労働省研究班代表、池田修一・信州大学教授の発表にデータ捏造の疑いが指摘された問題で、同大の調査委員会は15日、証明されていない実験結果を証明されたかのように伝え、誤った情報が広まったとする調査結果を発表し、実験のやり直しとその結果の公表を求めた。
 ただ、意図的なデータの捏造や改ざんなど不正行為はなかったと結論づけた。これを受けて、同大の浜田州博(くにひろ)学長は同日、池田教授と、研究に携わった別の男性教授、男性特任教授の計3人を口頭で厳重注意した。
 子宮頸がんワクチンをめぐっては、健康被害を訴える女性63人が7月、国と製薬会社2社に総額約9億4500万円の損害賠償を求める集団訴訟を東京、大阪など全国4地裁に起こした。こうした中、池田教授の研究は同ワクチンが副作用を起こす仕組みを解明し、治療法の開発にもつながると大きく注目されていた。
 池田教授の発表は今年3月、厚労省内で行われた。マウスに子宮頸がんなど3種のワクチンと生理食塩水を接種した結果、子宮頸がんワクチンのマウスの脳にだけ異常が起きたと説明した。
 しかし、月刊誌が実験手法やデータに疑問を投げかける記事を掲載。同大は9月、外部有識者5人で構成する調査委員会を設置し、調査を行ってきた。
 調査結果によると、実験は各ワクチンをマウス1匹ずつにしか接種しておらず、そのマウスの脳を調べる実験でもなかった。これは予備的な実験だったが、公表段階では証明された結果のように伝えられた。
 男性特任教授から男性教授、池田教授へと報告され、公表される過程で「科学的な議論と意思疎通をはかる努力をしていれば不正の疑いは生じなかった」とした。
 池田教授は、名誉を傷つけられたとして月刊誌の発行元と執筆したジャーナリストに損害賠償などを求める訴訟を起こしており、弁護士を通じ「捏造も不正もなかったことを実証していただき、たいへん安堵した」などのコメントを発表したが、反省や謝罪の言葉はなかった。


<参考>「新潮45」2016年12月号

 さらに、厚生労働省からの見解が発表されました。

■ ワクチン研究問題の信大教授、「社会的責任大きく大変遺憾」...厚労省見解〔読売新聞〕
(2016年11月25日 読売新聞)
 池田修一・信州大学教授が厚生労働省研究班の代表として行った子宮頸がんワクチンの副作用に関する研究発表が不適切と指摘された問題で、厚労省は24日、「池田氏の社会的責任は大きく、大変遺憾」という見解を公表した。
 池田教授は今年3月、マウスにワクチンを接種したところ脳に異常が起きた、などとする研究結果を発表した。しかし、信州大の調査委員会が「不正はなかった」と結論づけたものの、少数のマウスを使った予備的な実験結果を証明されたかのように公表した、などの問題を指摘した。


 この問題が“科学的エビデンス”に基づいて議論され、解決されることを切に望みます。


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(インフルエンザ情報:2016.11.19)今流行しているのは「A型」です。

2016年11月19日 15時01分13秒 | 小児科診療
 当院でも数名、インフルエンザ陽性者が出ました。
 すべてA型です。

 情報によると、現在日本で流行しているのはA香港型がメインで、小児ではAパンデミック型も多いとのことです;

■ インフルエンザ、流行ウイルスはAH3が主流 低年齢層ではAH1pdm09も、脳症などの重症例に留意を
2016/11/16:日経メディカル
 今シーズン流行しているインフルエンザウイルスは、A(H3N2)亜型(AH3)が87%と大半を占めていることが分かった。低年齢層ではA(H1N1)pdm09亜型(AH1pdm09)も目立っており、脳症などの重症例への注意が必要になっている。国立感染症研究所感染症疫学センターがまとめている「インフルエンザウイルス分離・検出状況」(11月13日現在報告数)で明らかになった。
 それによると、2016年第36週(9月5日~11日)から第44週(10月31日~11月6日)までに検出されたインフルエンザウイルスは171件だった。ウイルスのタイプ別では、AH3亜型が148件(87%)と大半を占めていた(図1)。AH1pdm09は11%で、B型のビクトリア系統と山形系統は2件、1件(それぞれ1%)だった。



<年齢階層別にみたインフルエンザウイルス検出状況>
(11月13日現在報告数。国立感染症研究所)
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(インフルエンザ情報:2016.11.18)タミフルが1歳未満でも使用可能になります。

2016年11月19日 09時39分18秒 | 小児科診療
 以下のニュースが飛び込んできました。
 新型インフルエンザ発生の際は、例外的に認められた経緯もありましたが、今回は正式に認可されるようです。

■ タミフル、0歳児にも24日から保険適用へ
(2016年11月18日 読売新聞)
 インフルエンザ治療薬のタミフルが月内にも1歳未満の乳児に保険で使えるようになる。厚生労働省の検討会議で了承され、24日から保険適用となる見通しだ。
 1歳未満は、安全性と有効性が確立していないとして対象外となっていた。
 子どもがインフルエンザにかかると、脳症などの重い合併症を起こす恐れがある。また、欧米では1歳未満の乳児へのタミフルの使用が認められていることから日本感染症学会など関連3学会が対象の拡大を要望していた。
 10〜19歳の子どもへの使用は、薬の添付文書で、服用後に飛び降りなどの異常行動が報告されているとして警告されており、原則、使用が見合わされている。
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(インフルエンザ情報:2016.11.18)「昨年より2カ月早い流行開始」

2016年11月18日 08時14分23秒 | 小児科診療
 やはり今シーズンは流行の立ち上がりが早いようです。
 皆さん、ご注意を。

 そうそう先日、TVで感染予防対策を分析し「うがいは無効、マスクも無効(感染者がウイルスをまき散らかさない点では有効)、手洗いだけが有効」と伝えていました。
 まあ、医学関係者では以前から常識でしたけど(^^;)。
 ただ、手で鼻を触るクセがある人にはマスクは有効と思われます。顔を触るクセがある人はニキビのリスクも高いと聞いたことがありますね。

□ ヤフー、ビッグデータ分析で昨年より2カ月早いインフルエンザ流行を予測
2016年11月16日:INTERNET Watch
 ヤフー株式会社は16日、ヤフー検索のデータをビッグデータ分析した結果として、まもなく「インフルエンザの流行入り宣言」ラインに到達する見込みと発表した。



 インフルエンザの流行入り宣言は、厚生労働省が毎週報告している「インフルエンザ定点当たり報告数」の定点あたりの数が1を越えた時点で宣言されるもの。11月11日に公開された数値は「0.59」だった。
 この数字をヤフー検索データを使ったロジックに基準として当てはめると、次回公開時となる11月18日における数値は「1.05」となり、流行入り宣言の基準である「1」を超えるとの予測値が出たという。
 2015年冬のインフルエンザの流行入り宣言は、1月15日に出されており、もしこの予測値が正しい場合は2カ月も早いことになる。また、過去10年では、新型インフルエンザの流行により8月の時点で定点報告数が1を越えていた2009年を除くと、もっとも早い宣言となる。
 ヤフーでは、予測値にはブレがあるとしながら、直近のデータでも患者数が増えている傾向に変化はないため、例年より早めのインフルエンザ対策を推奨している。
 ヤフーでは、検索・広告・ショッピング・地域情報・ソーシャル上のトレンド情報などのカテゴリーにおける膨大なデータを分析した「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」を定期的に発行しており、インフルエンザ感染状況についても、「厚生労働省の定点患者数予測数値」と、全国のリアルタイムの流行状況を可視化した「インフルエンザ状況マップ」と合わせて毎年報告している。
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里山から下りてくるイノシシ。

2016年11月14日 06時19分04秒 | 小児科診療
 隣町でイノシシが出現し、老人が襲われて死亡する事件がありました。
 おそらく、山にエサが乏しくて下りてきたのでしょうが・・・。

 私も里山近くの小中学校で学びましたが、野生動物を見かけたのは1回しか記憶にありません。
 頻度は昔より圧倒的に増えています。
 最近できた道路には小動物(タヌキ、イタチ)が自動車にひかれた姿を時々目にします。
 獣道を道路が寸断したのでしょう。
 いろんな理由で、ヒトと動物が棲み分ける境界が曖昧になってきました。

■ 庭でイノシシに襲われ夫死亡、妻は負傷 群馬・桐生市
2016.11.112:TBSニュース
 11日夜、群馬県桐生市で60代の夫婦が自宅の庭でイノシシに襲われ、夫が死亡、妻がけがをしました。
 11日午後9時半ごろ、桐生市広沢町の酪農業・丹羽正雄さん(67)方から「夫婦でイノシシにかまれた」と119番通報がありました。
 警察が駆けつけると、丹羽さんが自宅の庭で倒れていて、病院に運ばれましたが、その後、死亡が確認されました。死因は、かまれたことによる出血性ショック死でした。妻の八重子さん(60)も足などをかまれ、けがをしていますが、命に別状はないということです。
 警察によりますと、物音がしたため、2人で庭に出たところ、イノシシに襲われ、イノシシはそのまま逃げたということです。
 付近ではイノシシの目撃情報が度々寄せられていて、警察は注意を呼びかけています。


 イノシシに出会ったときにどうしたらよいか?

 イノシシの走るスピードは時速45kmだそうです。
 たしか100m走世界記録保持者レベルが時速40km程度ですから、一般人は逃げても逃げ切れません。
 クマと同じように、ゆっくり後ずさりしてその場を離れるのがよいとされています。
 大声を出して騒ぐと、イノシシもパニックになり襲ってくるので、叫んではいけません。

 それから、傘をバッと広げるとイノシシが驚いて逃げていくこともあるそうです。
 クマの場合、傘を振り回して自分を大きく見せるとよいと読んだことがあります。
 里山に入るときは傘が必需品?
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(インフルエンザ情報:2016.11.11)岩手と福井で2カ月早く流行期入り

2016年11月11日 13時53分09秒 | 小児科診療
 今年は流行の立ち上がりが早いとこのこと。
 でもまだ当院では診断例ゼロです。

■ インフル患者報告数、昨年同期の4.7倍 〜岩手と福井で2カ月早く流行期入り
CBnews | 2016.11.09
 インフルエンザの1週間当たりの患者報告数が、昨年同期の約4.7倍となっていることが7日、厚生労働省が発表した患者報告で分かった。岩手と福井の両県では、昨シーズンに比べて2カ月ほど早く流行期入りの目安を上回った。患者が増加傾向の自治体は、手洗いやマスクの着用に加え、咳や発熱などの症状が出た場合、早めに医療機関を受診するよう呼び掛けている。

◇ 全国平均は前週比27%増
 10月24日から30日までの週の全国の患者報告数(定点医療機関約5000カ所)は、前週比27%増の定点当たり0.47人。29都道府県で前週の報告数を上回った。全国の報告数は、昨年の同期(0.1人)に比べて大幅に多い状況となっている。
 都道府県別では、沖縄県が11.4人で最も多く、以下は福井(1.66人)、岩手(1.08人)、栃木(0.96人)、鹿児島(0.74人)、秋田(0.72人)、茨城(0.57人)、埼玉と長崎(共に0.56人)、富山(0.51人)、北海道(0.5人)などの順だった。
 今シーズン(9月5日以降)の入院報告数(基幹定点医療機関約500カ所)の累計は210人。昨シーズンの同じ期間に比べて約4倍の報告数となっている。年齢別では80歳以上が82人で最も多く、60歳以上が全体の6割超を占めている。

◇ 感染拡大で入院患者の面会制限も
 前週に比べて患者報告数が倍増した福井県は、流行期入りの目安(定点医療機関当たり1.0人)を超えた。こうした状況を踏まえ、同県は予防対策として、せっけんを使った手洗いやマスクの着用、咳やくしゃみが出そうな時にハンカチやティッシュペーパーで口を覆う「咳エチケット」を心掛けるよう求めている。
 岩手県も「今シーズンは、やや早く発生が始まっている」と指摘。感染の拡大に伴い、同県内では入院患者への面会を制限する動きも出てきた。県立釜石病院(釜石市)は、発熱や咳などの症状がある人は患者への面会を控えるよう要望。看護師から面会の許可を受けた場合でも、マスクを着け、手を消毒してから面会することを促している。


近隣では、群馬県でも栃木県でも学級閉鎖のニュースが・・・

■ 高崎でインフルエンザによる学級閉鎖 /群馬
毎日新聞2016年11月8日
 高崎市立佐野小学校は7日、2年生の1クラス(児童26人)で8人が欠席し、このうち6人がインフルエンザのような症状のため、8~12日の5日間、このクラスを学級閉鎖すると決めた。高崎市内でのインフルエンザによる学級閉鎖は今季初めて。


■ インフルエンザ、栃木県内で流行期入り 過去5年間で最も早く
2016年11月11日:下野新聞
 県保健福祉部は10日、県内76カ所の定点医療機関からのインフルエンザ報告数が10月31日~11月6日の1週間で1・66人となり、今季初めて流行水準(1人)を超えて流行期に入ったと発表した。流行期入りが9年ぶりに越年した昨シーズンより10週早く、過去5年間でも最も早い。
 区別では安足の3・09人が最も多く、宇都宮市と県南がそれぞれ2・06人。県西、県東、県北の3地区は流行水準に至っていない。
 県内のインフルエンザ流行期入りは例年12月頃で、1~3月にかけて患者数が増加する。今年は9月5~11日の週から増加傾向が続き、昨年の同時期と比べて大幅に高い水準で推移した。

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(インフルエンザ情報:2016.11.11)10代患者の異常行動、安全対策を継続

2016年11月11日 08時07分49秒 | 小児科診療
 タミフルが10歳代の使用禁忌となってからしばらく経ちます。
 その後、タミフルを服用していなくてもインフルエンザ患者に異常行動が見られることが判明し、その因果関係は不明確となりました。
 しかし、タミフルを10歳代に使用してもよい、と解禁できるかというと、それを否定・肯定できる根拠が乏しいのが現実です。
 今年の会議でも「タミフルは10歳代に使用禁忌」のままでいく、という方針になったようです;

■ 10代インフルエンザ患者の異常行動、安全対策を継続
2016/11/8:日経ドラッグインフォメーション
 厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の安全対策調査会は2016年11月4日、10代のインフルエンザ罹患者における異常行動について、最新の研究報告を基に議論した。その結果、これまでと同様、抗インフルエンザ薬の服用の有無にかかわらず、インフルエンザ罹患者に対して異常行動や転落に関する注意喚起を行うなど、予防的な安全対策を継続することで一致した。
 会合では、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦氏が、インフルエンザ罹患に伴う異常行動について、2015/2016シーズンの研究結果を報告した。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の委託事業「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究」による成果で、同様の研究は今回で10回目。「突然走り出す」「飛び降りる」といった重度の異常行動の発生件数は58件で、過去10シーズンで3番目に少なかった。年齢や性別、発熱から異常行動発現までの日数といった発生状況は、例年と同様の傾向だった。岡部氏は、「抗インフルエンザ薬の種類、使用の有無と異常行動については、これまでと同様、特定の関係に限られるものではないと考えられる」とまとめた。
 続いて、厚労省事務局が、オセルタミビルリン酸塩(商品名タミフル)、ザナミビル水和物(リレンザ)、ペラミビル水和物(ラピアクタ)、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(イナビル)のそれぞれに関して、国内での副作用報告状況を説明した。一部の薬剤で重篤副作用症例の報告件数が2014/2015シーズンに比べて増加していたが、いずれも「推定使用患者数の増加に伴うもの」と分析した。
 タミフルの場合、原則として10代の患者に対する使用を控えるよう添付文書の「警告」欄に記載されているのに対し、他の抗インフルエンザ薬では、添付文書の「重要な基本的注意」において、小児・未成年者に対し予防的な安全対策を講じるよう記載されている。今回の研究報告においても例年と同様、抗インフルエンザ薬の種類による明確な違いは見られなかったことから、調査会の委員からは「タミフルの添付文書上の記載を、他の抗インフルエンザ薬と同様の扱いにすることは可能か」という質問が挙がった。これに関して、別の委員は「この10年間、10代の患者におけるタミフル使用例が極端に少なく、データの正確な分析は困難ではないか」と指摘。厚労省は、安全性に関する情報提供の在り方について総合的に評価できるよう、他の文献情報の収集などを並行して行っていく方針を示した。
 調査会の座長である国立成育医療研究センター総長の五十嵐隆氏は、「抗インフルエンザ薬と異常行動については、因果関係を示唆する結論は得られていない。一方で、現在の予防的な安全対策を変更する積極的な根拠はない」とまとめた。調査会はインフルエンザ罹患者における異常行動について調査を継続する見通しだ。

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2015-16シーズンのインフルエンザワクチンの有効性報告

2016年11月08日 08時10分35秒 | 小児科診療
 昨シーズンのインフルエンザワクチンの有効性に関する情報が届きました。
 日本ではなくフィンランドとイギリスからの報告です。

 フィンランド報告の結論は、不活化ワクチン(現行の日本のワクチンと同等)と経鼻生ワクチン(日本では未承認)の効果を比較したところ、不活化ワクチンの方が有効率が高かったというもの。
 経鼻生ワクチンが登場した時は「有効率9割」を謳い、これでインフルエンザ流行は制御できる、と関係者は喜んだのですが、敵も然る者でなかなか一筋縄にはいきません。
 この報告での有効率も「生ワクチン約50%、不活化ワクチン約60%」と私から見るとドングリの背比べ程度、どちらも他のワクチンより低く満足できる数字ではありません。

 イギリス報告は、ワクチン株と流行株が一致しなくても、有効性は保たれるという結論。しかし有効率が50%台ですから、これもドングリの背比べレベルですね。

 インフルエンザウイルスと人類との闘いはエンドレスで続きます。

■ 2歳のインフルエンザを予防、2015-2016年のワクチンの実績  フィンランドの統計から
from Euro surveillance : bulletin Europeen sur les maladies transmissibles = European communicable disease bulletin
2016年11月8日:MEDLEY
 去年の統計から、2歳児がインフルエンザワクチンを打つことでインフルエンザが予防されていたことが報告されました。

◇ フィンランドで2015/16年にインフルエンザワクチンは効いたのか?
 フィンランドの研究班が、2015年から2016年にまたがるひと冬(以下「2015/16年」)の統計からインフルエンザワクチンの効果を計算し、結果を専門誌『Eurosurveillance』に報告しました。
 研究班は、フィンランド全国の統計から、ワクチンを接種した子どもと接種していない子どもを合わせて55,258人分のデータを解析しました。
 ワクチンを接種した子どもと接種していない子どもを比べて、検査でインフルエンザと確認された人数が減っているかを計算しました。

◇ 2種類のインフルエンザワクチンが使われた
 2015/16年の予防接種として、フィンランドでは2種類のインフルエンザワクチンが使われました。

・3価不活化ワクチン
・4価経鼻生ワクチン

 不活化ワクチンというのは、インフルエンザウイルスを殺して感染力をなくしたものを注射するワクチンです。日本で普通に使われているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。
 経鼻生ワクチンというのは、鼻からスプレーするタイプのインフルエンザワクチンです。生きたウイルスをワクチンとしたものです。鼻の粘膜で免疫力を発揮する「IgA」というタイプの抗体が作られるという考えで使われます。
 3価・4価というのは、ワクチンが対応しているウイルスの数を現します。ワクチンとウイルスの型が一致しなければ高い予防効果が発揮できないのですが、どの型のウイルスが流行するかは正確に予測できないので、3価ワクチンは3種類、4価ワクチンは4種類のウイルスを防ぐように作られています。
 3種類よりも4種類に対応したワクチンのほうが、型が一致しやすいと考えられます。
 つまり、4価ワクチンのほうが予防効果を現しやすいと考えられます。日本では2015/16年の予防接種から、以前の3価不活化ワクチンをやめて、4価不活化ワクチンが使われています。
 ここで紹介する統計では、経鼻生ワクチンとして4価ワクチンが使われている分、経鼻生ワクチンに有利な条件で予防接種が行われています。

◇ インフルエンザワクチンでインフルエンザは予防できたのか?
 対象者55,258人のうち、経鼻生ワクチンを使った子どもは8,086人、不活化ワクチンを打った子どもが4,297いました。
 統計解析の結果、4価経鼻生ワクチンによる予防率は51%、3価不活化ワクチンによる予防率は61%と計算されました。

◇ インフルエンザワクチンは注射で
 インフルエンザの経鼻生ワクチンと不活化ワクチンの効果は、報告によって幅があり、どちらが効くのかは最近まで意見がまとまっていませんでした。
 2016/17年の予防接種については、アメリカの政府機関である疾病管理予防センター(CDC)から、経鼻生ワクチンは使うべきでないという意見が示されています
 ここで紹介した研究でも、経鼻生ワクチンは4価という有利な条件にもかかわらず、不活化ワクチンよりも計算上低い予防率しか出せていません。
 インターネットの噂などで「日本のインフルエンザワクチンは粘膜に抗体を作らないので効かない」という憶測がときどき語られますが、実際の結果は不活化ワクチンのほうが効いているように見えます。憶測ではなく実際の結果を見なければ、本当に効いているかどうかはわかりません。
 日本ではインフルエンザの経鼻生ワクチン(商品名フルミスト®など)は承認されていません。一部の医療機関が提供していますが、もし見かけることがあっても、普通の注射するワクチンを打ってください。


<参照文献>
Effectiveness of the live attenuated and the inactivated influenza vaccine in two-year-olds - a nationwide cohort study Finland, influenza season 2015/16. Euro Surveill. 2016 Sep 22.

■ 予測が外れても有効、2015-2016年のインフルエンザワクチン 〜イギリスの統計から
2016年11月12日:Medley
 今年のインフルエンザは10月から早くも学級閉鎖が出るなどで話題になっています。予防接種はまだ間に合います。去年のイギリスの統計から、流行を予測したワクチンの型が合っていなくても予防効果があったことが報告されました。

◇ イギリスで2015/16年にインフルエンザワクチンは効いたのか?
 イギリスの政府機関であるイングランド公衆衛生庁などの研究班が、2015年から2016年にかけての一冬(以下「2015/16年」)のインフルエンザ予防接種についての統計を、専門誌『Eurosurveillance』に報告しました。

◇ ワクチンと流行の型が合わなかった
 イギリスでは、2015/16年に流行したインフルエンザの型は主にA(H1N1)pdm09(A型インフルエンザの一種)とBビクトリア系統(B型インフルエンザの一種)の2種類でした。この年に、イギリスでインフルエンザ予防接種に使われた注射は、Bビクトリア系統に対応していないものでした。つまり、予測が外れ、注射したワクチンが対応していない型のウイルスが流行してしまいました。

◇ 型が合わないB型でも有効率54%
 研究班は、インフルエンザのような症状で医師の診察を受けた人の検査データを集計しました。遺伝子検査(リアルタイムPCR法)でインフルエンザかどうかを診断し、ワクチンによってインフルエンザが予防された割合(予防率)を計算しました。
 次の結果が得られました。
 全体の期末調整ワクチン有効率は、インフルエンザが確認されたプライマリケア受診に対して52.4%(95%信頼区間41.0-61.6)、インフルエンザA(H1N1)pdm09に対して54.5%(95%信頼区間41.6-64.5)、インフルエンザB型に対して54.2%(95%信頼区間33.1-68.6)だった。
 全体として、ワクチンの有効率は52.4%でした。ウイルスの型ごとに計算すると、A(H1N1)pdm09に対しては54.5%で、インフルエンザB型に対しては、型の不一致があったにもかかわらず、54.2%の有効率でした。

◇ インフルエンザワクチンは外れても効果はある
 インフルエンザは毎年違った型が流行します。ワクチンはその年に流行するウイルスの型を予測して作られますが、予測が外れることもあります。ワクチンとウイルスの型が一致しないときは、予防効果が低くなります。
 しかし、この研究でも報告されているとおり、型が一致しなくても予防効果がまったくないわけではありません。
 2016年の日本では、10月から学級閉鎖が一部の学校で行われるなど、すでにインフルエンザの流行が話題になっています。ワクチンを打ってから免疫がつくまでに数週間かかるのですが、流行が始まってから打ってもある程度の効果は期待できます。
 まだ今年のインフルエンザワクチンを打っていない方は、今からでもぜひ検討してください。


<参照文献>
Effectiveness of seasonal influenza vaccine for adults and children in preventing laboratory-confirmedinfluenza in primary care in the United Kingdom: 2015/16 end-of-season results.
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効いたよね、早めの○○○○!

2016年11月06日 06時10分11秒 | 小児科診療
 もはや定番化した、テレビのCMで流れてくるフレーズです。
 小児外科医が「風邪に有効な薬はほとんどない」と一刀両断されている記事を見つけましたので紹介します。
 お子さんが医院を受診し、もらった薬の名前があるでしょうか?

■ 効いたよね、早めの風邪薬?
2016.7.4:読売新聞)より一部抜粋
 風邪とはのど・鼻の粘膜にウイルスが炎症を起こしているのですから、風邪を治すためにはウイルスを殺す必要があります。ですが残念ながらそういう薬は存在しません。人類は風邪ウイルスを退治できないのです。風邪がひどくならないうちにクリニックを受診すれば、早く風邪が治ると思っている人が多いでしょう。これはウソです。
 朝、鼻水とくしゃみが少々出てクリニックに行くとします。しかしこの段階で医者にできることはほとんどありません。翌日には咳が出るかもしれません。そうすると、咳止めの薬が必要になる。さらに翌日には発熱するかもしれません。そうすると今度は解熱剤が必要になるかもしれません。いったい、何度受診すればいいのでしょう?
 結局、風邪薬を飲んでも、その時点で風邪の進行がピタリと止まり、風邪が治癒するということはありません。風邪薬を飲んでも飲まなくても、一定の期間(つまり免疫細胞がウイルスを駆除するまで)風邪の症状は続きます。ただ、薬によってやや症状が和らぐだけです。
 その効果もはっきり言って大したことはありません。ある咳止めと民間療法のハチミツの効果を比較したら、ハチミツの方が効果があったという科学的なデータもあります(ただし、1歳未満のお子さんはボツリヌス菌感染のリスクがあるので、ハチミツを飲んではいけません)。そもそも咳とは風邪に対する防御反応なので、弱い咳くらいならば、むしろ出た方がいいという解釈も成り立ちます。
 しかしクリニックを受診すると山のように薬が処方されることがあります。咳に対してオノン、シングレア、キプレス、アイピーディ。でも、これらは咳止めではありません。喘息ぜんそくのアレルギー止めです。貼り薬のホクナリンテープ。これも咳止めではありません。気管支拡張剤です。こうした薬は風邪の咳には何の効果もありません。
 鼻水に対してはペリアクチンやポララミンが処方されます。これらは第一世代抗ヒスタミン剤です。つまりアレルギー止めですね。確かに保険適応ですが、風邪はアレルギーではないので矛盾した処方と言えます。そしてペリアクチンは説明書に「過量投与により(中略)死に至ることがある」と書かれています。さらに本剤は熱性けいれんとの関連が疑われており、眠くなるという副作用もあります。つまり薬が脳の中に入り込んでしまうわけですから、危険度の高い薬と言えます。
 では第二世代の抗ヒスタミン剤(ザジテン、アレジオン、アレロック、アレグラ、ザイザル、ジルテック、セルテクトなど)などであれば眠くならないから安全という意見もあるかもしれません。しかし重ねて言いますが、風邪はアレルギーではありません。さらに第二世代の抗ヒスタミン剤は風邪に対して保険適応はありません。

ではどうするか?

 可能なことは「暖衣・飽食・睡眠・衛生」です。つまり、(冬ならば)暖かくして、よく食、たっぷり寝て、風呂で体をきれいにすることです。当たり前? ええ、ですがこういう当たり前のことが案外できていないんです。集団保育を続ける限り風邪は簡単には治りません。働くママがお子さんの風邪のケアに専念するのは大変ですので、祖父母の力も借りて少しの間お子さんを集団から離して自宅で保育するのも重要です。
 そして3歳未満のお子さんならば、保護者が鼻水を吸引器で何度も吸ってあげてください。3歳以上のお子さんには洟はなのかみ方を教えて一緒に洟かみをやってください。鼻水が出るのは風邪に対する人間の防御反応です。鼻水の中にはウイルスがウヨウヨいます。鼻水は薬ではほとんど止められないし、止めるという発想は正しくありません。出し切ってしまうことが正解です。
 人間には免疫という病気と闘う防御力があります。もちろんあなたのお子さんにもそういった自然のパワーが備わっています。その力を活用してください。そしてパパ、ママには自分が主役になってお子さんの風邪を治したという成功体験を実感してほしいと思います。薬に頼ることより、お子さんの自然治癒力を引き出すことの方がはるかに重要です。


 風邪の症状は、体に侵入した病原体(ウイルスや細菌)を追い出すための免疫反応だからそれを弱める薬は必要ない、という意見は昔からあり、この先生の言うことにも一理あると思います。
 実際に近隣では風邪で受診すると「抗菌薬(抗生物質)」「抗ヒスタミン薬(鼻水止め)」「抗アレルギー薬」など“全部入り”の「かぜ薬セット」が処方される医院もありますし。
 「この薬を処方した医師は、この患者さんのウイルス性風邪をどう考えているんだろう・・・細菌感染?アレルギー?」と聞いてみたくなることもしばしば。
 そういう医院は、大抵「小児科標榜医」といって、もともとの専門が小児科以外の医師が多いですね。
 まあ、「薬をたくさんくれるほどよい医者」という習慣・意識が残っている患者さんには、とってもいい医者に映りますけど。

 この記事のようにかぜ薬が必要ないなら、小児科医も必要なくなるのでは?
 という疑問さえ生まれてきそうです。

 以前、「風邪診療における小児科専門医の存在価値はなにか」と話題になったことがありました。
 一応の結論として「その風邪が、自宅で安静にして治るのを待てばよいのか、薬による治療が必要なのか、を見極める役目」ということになりました(^^;)。

 風邪にもいろんな種類があります。
 冬のRSウイルスやインフルエンザ、春のヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザ・ウイルス、春と秋のライノウイルス、夏のエンテロウイルス、アデノウイルス・・・小児科医は風邪の種類で季節を感じる職業です。
 そして、各々の風邪ウイルスの特徴・経過を知っており、どんな合併症の可能性があるかを、実際に重症患者の診療経験があるので体で知っています。
 つまり小児科医は、その患者さんの風邪の経過が予想できるので、適切なアドバイスが可能なのです。

 さて、かぜ薬の話に戻ります。
 私は診療に漢方薬を導入しています。

 発熱の患者さんに使う薬を考えると、西洋医学と漢方薬の違いがわかりやすいので紹介します。
 西洋医学では解熱剤・・・脳に働きかけて熱を強制的に下げる薬。
 漢方薬では解表剤・・・体を温めて熱を上げて免疫反応を強化することにより風邪を追い出す薬。
 
 いかがでしょう。
 記事の内容に沿った薬は、漢方薬の方ではありませんか?

 一般に、西洋医学の薬はピンポイント攻撃です。
 体のシステムのある部分だけをブロックしたり、病原体をやっつけたり。

 一方の漢方薬は、複数の生薬の集合体で、体がその病態に対応できるよう微調整します。
 病原体が悪さして生じた炎症を抑えてくれます。

 私自身、かぜ気味の時は漢方薬しか飲みません。
 体が楽になります。
 ただし、風邪に用いる漢方薬は20種類を超えるので、「この患者さんにどの漢方薬が合っているか」を見立てるのは医師の役目です。
 患者さんにも広く勧めているのですが、子どもにとって「苦い」という高いハードルがあります(^^;)。
 飲ませ方のコツもアドバイスしています。

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スズメバチ、なぜヒトを襲う?

2016年11月05日 06時36分33秒 | 小児科診療
 お役立ち情報を紹介します。

 昔、「カラスはなぜヒトを襲うか?」という番組を見たことがあります。
 その近くに子育て中の巣があると、ヒナを守るために親ガラスは近づくヒトを襲う、という答えでした。

 では昆虫であるスズメバチは?

 答えは「同じ」でした(^^)。 
 スズメバチを見かけたとき、「カチカチ」「ブーン」という音が気になったら要注意、その後集団で襲ってくる信号です!

■ スズメバチ、なぜ人を襲う? 〜繁殖期、女王や幼虫守る
2016年9月29日:読売新聞
 この秋、スズメバチによる被害が各地で相次いでいる。刺されると痛いだけでなく、時には死亡する危険もある。ハチはなぜ人を襲うのか。
 ハチによる被害は毎年、8~10月に集中する。この時期のハチは繁殖期で、巣を守るため、外部からの刺激に敏感になっているという。
 今月11日には岐阜県飛騨市でマラソン大会の参加者115人が、16日には東京都日野市で校外活動中の小学生ら10人が、ハチに刺される被害に遭った。飛騨市ではキイロスズメバチ、日野市はオオスズメバチとみられる巣が、被害現場近くで見つかった。
 ハチの生態に詳しい玉川大学(東京)農学部長の小野正人さんは「巣に近づいた人をハチが襲うのは、働きバチが女王バチや幼虫を守るための防衛反応」と話す。集団生活を営むスズメバチは「社会性昆虫」と呼ばれ、今の時期に翌年の女王バチを育てている。一つの巣には何百、何千もの働きバチがいるそうだ。
 巣の防衛範囲は、巣を中心に半径5~10メートル。人が近づくと、まず2、3匹のハチが「監視役」として飛び回り、侵入者の様子を偵察する。「カチカチ」という歯ぎしりのような音や、「ブーン」という羽音で警告してくる。この時、うっかり手で振り払うなどすると、針から毒液の香り成分を噴出させ、「敵が来た」と仲間に警報を送られてしまう。「働きバチは香りを感知すると、一斉に飛びかかってきます」と小野さん。
 スズメバチは針で刺す際に皮下に毒を注入し、激しい痛みと腫れをもたらす。気をつけたいのは、以前刺された経験がある人。初回の被害で体内に毒への抗体ができ、次に刺された時に、強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が起きることがある。血圧が急に下がり、呼吸困難になるなどして、30分程度で死亡することもある。
 厚生労働省の人口動態統計によると、ハチによる死亡者は2015年に23人。大半が、アナフィラキシーショックが原因とみられるという。
 オオスズメバチは山間部で樹木の空洞などに営巣し、キイロスズメバチは住宅の屋根裏や床下などにも巣を作る。山でも住宅街でも、人との距離が狭まった時に、ハチの襲来に遭うといえそうだ。

◇ 巣見つけたら…静かに離れる
 巣を見つけたらどうするか。
 監視役のハチが飛び回っていたらスズメバチなので、静かに立ち去る。その際、黒いものを襲う習性があるので、頭をタオルなどで覆う。
 巣がまだ小さい5月ごろなら自分で駆除できるが、大きく育った今の季節は、集団で襲われる危険がある。害虫駆除業者でつくる「日本ペストコントロール協会」会長の平尾素一さんは「専門家に任せて」と話す。住宅にできた巣を駆除する自治体、費用を補助する自治体もある。また同協会に業者の紹介を依頼できる。
 刺された場合に備え、対処法も心得ておく=下図=。患部を口で吸って毒を吸い出すことは避ける。口内炎など口の中に傷があれば、毒が体内を回る恐れがあるためだ。
 アシナガバチ類、ミツバチ類も人を刺す。平尾さんは「アシナガバチも、自宅など身近な場所にできた巣は駆除したほうがいい」と話す。



<参考HP>
■ 「蜂に注意」(林業・木材製造業労働災害防止協会)
■ 「エピペン®」(ファイザー)
■ 「エピペン®の効果と使い方」(すこやかライフ)
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