こんなニュースを見つけました;
■ 「その検査や治療,本当に必要?」17学会がトップ5リストを発表
(2013.2.25:MTPro)
2月21日,米国の17学会が米国内科専門医認定機構財団(ABIM Foundation,以下ABIM)の運営するキャンペーン“Choosing Wisely”で「一般的に行われているが,必ずしも必要のない検査や治療トップ5」を発表。今回,2回目のリストを発表した米国家庭医学会(AAFP)を除く16の学会が同キャンペーンに初めて加わった。
この中のアメリカ小児科学会が発表したリストは以下の通り;
【米国小児科学会(AAP)】
1.明らかなウイルス性呼吸器疾患(副鼻腔炎,咽頭炎,気管支炎)に抗菌薬を使用しない
2.4歳以下の小児の呼吸器疾患に鎮咳薬や感冒薬を処方したり,勧めたりしない
3.軽度頭部外傷の小児に対する緊急CTは必要ない:画像診断の適応判断には臨床観察やPECARN(Pediatric Emergency Care Applied Research Network)クライテリアを用いる
4.単純熱性痙攣の小児に対する神経画像診断(CT,MRI)は必要ない
5.腹痛に対するCTのルーチン検査は必要ない
1は日本でも同じ状況です。風邪で熱があれば抗生物質・・・私が医者になった四半世紀前は当たり前でしたが、現在は減ってきていると思われます。
私はいわゆる’かぜ’には抗生物質を処方していませんが、気管支炎所見があるとウイルス性とマイコプラズマ/クラミジアの鑑別が困難な場合もあり抗生物質を処方することがありますね。
一方で、副鼻腔が発達していない乳児の膿性鼻汁に「副鼻腔炎(=蓄膿症)」と名付けて延々と抗生物質を投与している耳鼻科医は珍しくありません。内科系と外科系の考え方の違いなのかなあ。
2はアメリカと日本で温度差がありそうです。以前かぜ薬について調べたことがあり、純粋な医学的問題に限定されない医療行政・医療システムの問題をも内包しており簡単には説明しかねますので、こちら「かぜ薬のお話」をご覧ください。
3・4・5はCT撮影装置のある病院レベルでの話。アメリカでも気軽に撮影される傾向があるのでしょうか。ちなみにCTスキャン1回でレントゲン写真100回分の被爆(!)があります。
■ 「その検査や治療,本当に必要?」17学会がトップ5リストを発表
(2013.2.25:MTPro)
2月21日,米国の17学会が米国内科専門医認定機構財団(ABIM Foundation,以下ABIM)の運営するキャンペーン“Choosing Wisely”で「一般的に行われているが,必ずしも必要のない検査や治療トップ5」を発表。今回,2回目のリストを発表した米国家庭医学会(AAFP)を除く16の学会が同キャンペーンに初めて加わった。
この中のアメリカ小児科学会が発表したリストは以下の通り;
【米国小児科学会(AAP)】
1.明らかなウイルス性呼吸器疾患(副鼻腔炎,咽頭炎,気管支炎)に抗菌薬を使用しない
2.4歳以下の小児の呼吸器疾患に鎮咳薬や感冒薬を処方したり,勧めたりしない
3.軽度頭部外傷の小児に対する緊急CTは必要ない:画像診断の適応判断には臨床観察やPECARN(Pediatric Emergency Care Applied Research Network)クライテリアを用いる
4.単純熱性痙攣の小児に対する神経画像診断(CT,MRI)は必要ない
5.腹痛に対するCTのルーチン検査は必要ない
1は日本でも同じ状況です。風邪で熱があれば抗生物質・・・私が医者になった四半世紀前は当たり前でしたが、現在は減ってきていると思われます。
私はいわゆる’かぜ’には抗生物質を処方していませんが、気管支炎所見があるとウイルス性とマイコプラズマ/クラミジアの鑑別が困難な場合もあり抗生物質を処方することがありますね。
一方で、副鼻腔が発達していない乳児の膿性鼻汁に「副鼻腔炎(=蓄膿症)」と名付けて延々と抗生物質を投与している耳鼻科医は珍しくありません。内科系と外科系の考え方の違いなのかなあ。
2はアメリカと日本で温度差がありそうです。以前かぜ薬について調べたことがあり、純粋な医学的問題に限定されない医療行政・医療システムの問題をも内包しており簡単には説明しかねますので、こちら「かぜ薬のお話」をご覧ください。
3・4・5はCT撮影装置のある病院レベルでの話。アメリカでも気軽に撮影される傾向があるのでしょうか。ちなみにCTスキャン1回でレントゲン写真100回分の被爆(!)があります。