今シーズンは昨シーズンより花粉飛散量が多く、小児科の当院でも花粉症患者さんが多く受診されています。
「昨シーズンは市販薬でしのげたけど、今年は我慢できないので来ました」
と目の周りを赤くしてくるお子さんが目立ちます。
幼児も結構いますね。
一般論ですが、カゼと花粉症は初期は区別が困難です。
両方とも「くしゃみと鼻水(水っぱな)」で始まります。
ただ、目のかゆみが出ると花粉症の可能性が高くなります。
それから、経過が異なります。
カゼでは、数日すると水っぱなが濁ってきて青っぱな傾向になり、痰が絡んで咳が始まり、1〜2週間で治っていきます。
一方の花粉症はくしゃみ&水っぱなが1週間後も2週間後も変わらず続きます。
なので私はどちらか判断が付きかねるときは、
「2週間後には正体がわかりますよ」
「症状が続いたら、また来てみてください」
とお話ししています。
この際、クスリはどうするか、迷います。
花粉症の可能性が高いときは抗アレルギー薬を処方しますが、
微妙なときは漢方薬をお勧めしています。
代表的な小青竜湯という漢方薬は、水っぱなによく聞きます。
その原因がカゼでも花粉症でも効いてしまうので、ちょうどよいのです。
さて、関東地方では先週からスギ花粉飛散がピークを迎えています。
東京はずっと「非常に多い」ですね。
さらにヒノキ花粉飛散も始まったようです。そのピークは4月上旬〜中旬にかけてで、だいたいゴールデンウィーク頃まで飛散が続きます。
スギ花粉症の患者さんの8割はヒノキにも反応しますので、4月下旬に一旦症状が軽くなっても油断禁物です。
新型コロナで不要不急の外出は自粛中の今日ですが、花粉症という視点からも患者さんの外出はお勧めできません。
<参考>
■ スギ花粉に加え都内などヒノキ花粉の飛散始まる 日曜以降は大量飛散注意