徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

全日本ソフトテニス選手権大会2018(第73回天皇賜杯・皇后賜杯)

2018年10月27日 16時36分19秒 | テニス
 唐突ですが、私は中学から大学まで、軟式テニス(今のソフトテニス)をしていました。
 現在のように「部活制限」などない時代です。
 土曜日も日曜日も、コートが開いていなければふつうのグラウンドで乱打。
 相手の足元に返す練習はこれが一番よいと今でも思っています。
 おそらく、頭の中の7〜8割はテニス三昧の日々。

 戦績は・・・
 中学時代は、県大会3回戦。
 高校時代は、インターハイ出場。
 大学時代は、北日本優勝・東日本準優勝・全日本3位(ただし医学部限定の大会です)

 その頃、テレビ放送されるのは硬式テニスのみ。
 軟式テニスの方が競技人口は多かったはずですが、テレビ放送されることはほとんどありませんでした。
 硬式テニスも、今でこそグランドスラム(全豪、全米、全仏、ウインブルドン)の他にも日本選手が出場する大会は放送されるようになりましたが、当時はまだウインブルドンくらい、それも深夜放送でしかお目にかかれませんでした。
 
 と、日本中心のアジアにしか普及していないソフトテニス。
 ああ、アフリカにも少しあるかな。
 珍しくソフトテニスの試合中継をしていたので、録画して見てみました。

 私が現役だった30年前と大きく違うのは、サーブです。
 昔はファーストサーブはエースを狙って思いっきり打ち込むのがふつうでした。
 今はカットサーブがふつうなのですね。
 はずまないから攻められない・・・ちょっとストレスがたまりそう。
 それから、ダブル前衛という布陣も昔はなく、斬新に見えます。
 
 さて、全日本ソフトテニス選手権大会(熊本開催)の男女決勝です。

 男子決勝: 船水颯人/上松俊貴(早稲田大学)vs 中本圭哉/鈴木琢巳(福井県庁)

 早稲田の前衛・後衛の布陣 vs 福井のダブル前衛の対決。
 なのでガップリ四つと言うより、どちらが得意な形に持ち込めるかの主導権争いというゲームでした。
 結局、船水選手のロブが効いて、福井ペアをあと一歩ネットに詰めさせなかった早稲田ペアが勝利をもぎ取りました。
 いや〜船水選手の腰を落としたストロークの安定性は素晴らしい。
 「腰を落として振り切ればどこへでもシュートボールが打てるんだぜ」と言わんばかりのプレイは、錦織圭君を彷彿とさせます。
 それから風上でもロブが打てるのが“半端ない”。
 相棒の上松選手の反応・センスも素晴らしい。
 あんなにそつなく無駄ない動きでボレーを決める選手は、そうはいないと思います。
 一方の、体が大きくてインパクトのある鈴木選手は、なんと4回目の決勝だそうですが、残念ながら優勝経験はなし。今回も勝利の女神は微笑んでくれませんでした。

 女子決勝: 林田リコ(東京女子体育大)/宮下こころ(明治大)vs 志牟田智美/泉谷朋香(東芝姫路)

 昨年は林田/宮下ペアが67年ぶりに高校生で優勝したそうです。
 それぞれ別の大学へ進学したため、所属大学名が異なります。
 一方の志牟田/泉谷ペアは、その前年の優勝者だそうです。

 ゲームはガップリ四つの、手に汗握る展開でした。
 定評ある林田の強打を志牟田がなんとかしのぎ、責めさせない配球でストローク戦は互角。
 前衛も持ち味を十分に発揮していました。
 最後は僅差で前年優勝の林田/宮下ペアが二連覇を達成。

 ゲームを見ていると、体がムズムズしてきました。
 ああ、自分もテニスをやりたい。
 でも現役を退いて30年たった現在、もう走れません(T_T)。


<動画>
■ 男子準決勝:中本・鈴木(福井県庁) 対 村田・広岡(NTT西日本)
■ 男子準決勝①
■ 男子準々決勝 村田・広岡(NTT西日本) 対 桂・髙月(ヨネックス)
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2018ウィンブルドン、錦織圭の進化

2018年07月11日 05時37分22秒 | テニス
 一昨日の夜、錦織圭 vs ガルビスの対戦をWOWOWで見ていました。
 第一セットは相手のサービスが絶好調、錦織君の調子は悪くはないものの突破口がつかめず終始押される形で取られてしまいました。
 さらに第一セット終了後、腕の痛みを訴え、トレーナーからマッサージを受ける姿を見て、「ああ、これまでか・・・」と見るのをやめて寝てしまいました。

 しかし翌日朝のニュースを見て驚きました。
 逆転で錦織君が勝利し、日本人として23年ぶりのベスト8入りを果たしたのです。
 それも第二・第三セットはタイブレーク。
 体力というより、精神力で勝ったのではないかと感じました。
 勝利に対する執念ですね。

 23年前にベスト8入りした日本人とは・・・テレビでお馴染みの松岡修造です。
 今でもその時の映像が目に焼き付いています。
 海外中心のツアーに参加するプレーヤーがまだ少なかった当時、彼の活躍は衝撃的でした。
 
 さて、準々決勝は宿敵ジョコビッチ。
 12連敗中ですが、今回はどうでしょうか。
 実力は伯仲、あとは勝利に対する執念。
 今の錦織君は、精神面で自滅することはないと思います。
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第71回全日本ソフトテニス選手権大会(2016年、山口県)を観て

2016年12月08日 09時09分30秒 | テニス
 唐突にかつ久しぶりにテニス、それもソフトテニスの話題です。
 NHKで件名の大会の放映をしていたのを見つけ、録画して後でみてみました。

<参考>
組み合わせ表
動画(YouTube)

 男子決勝は
 「水澤/長江組(NTT西日本広島)」VS.「船水/星野組」(早稲田大学)
 というカード。

 さすがにトップレベルとなると、躊躇なくラケットを振り切っていてボールに伸びがあります。
 水澤、長江、船水の3選手は日本代表です。
 でも、私が注目したのは星野選手。
 体の使い方がリラックスしていてすごく自然なんですね。
 これは練習して獲得できるセンスではありませんので、天性のものなのでしょう。
 これからまだまだ伸びると思います。

 さて、実力も伯仲している中、何が勝負を分けるのかというと・・・一つは「我慢」でしょうか。
 自分の得意な体勢でボールを打てれば素晴らしい球筋になるのは誰もが同じ。
 速いボールを打てるだけなら、いくらでもいるはず。
 しかし試合中はそんなチャンスは滅多に訪れません。
 少し崩れた体勢で如何にボールをコントロールするか、が問われます。

 それは練習の中で培われること。
 無理に決めようとするとミスが多くなる。
 どの程度までバランスが崩れていても自分のボールとして打ち込めるかは足腰の鍛錬にかかっています。

 攻めが無理と判断した際は、我慢してボールをつなぎ、チャンスを待つ忍耐力が要求されます。
 しかしつなぎボールが甘くなれば容赦ない攻めが襲ってきます。
 つなぎボールは「攻められないよう深く」が基本です。

 トップレベルでは攻めのシュートボールの威力にはあまり差はありませんので、忍耐力とつなぎボールの精度で勝負が分かれるのではないかと考えます。

 そして攻めは、相手のバランスを如何に崩すか。
 相手がダブル前衛(今はダブルフォワードと呼ぶのですね)、頭越えのログで体勢を崩し、次に足下にシュートボールを鎮める。
 ダブル前衛の間のセンターを狙い、お見合い(ボールの譲り合い)を誘って中途半端な返球を期待する、等々。

 これは優勝した船水/星野ペアが徹底して実行した戦術です。

 女子の試合も見ましたが、男子より攻めと守りの組み立てが甘い印象がありました。
 なぜそんな無理な体勢から攻めるのかなあ・・・前衛に捕まるのはわかっているだろうに、なんて場面が多々ありました。

 この大会の放映をみて、あらためて錦織選手が活躍するテニスの世界を振り返ると・・・、そのレベルの高さに愕然とします。
 1球1球に込められた意味がわかり、無理なこと・無駄なことをするとすぐにポイントを失ってしまうゲーム運び。
 やはり世界を転戦してお金を稼いでいる人達は、ひと味違う。

 もっとも、忍耐力とつなぎボールの精度という点は共通していますが。
 錦織選手が最近上位で安定しているのは、まさにこれができるようになったからだと思います。
 数年前までは、途中で集中力を切らして我慢できなくなる捨てゲームを時々見かけました。

 ・・・昔取った杵柄(といってもインターハイに出ただけですが)で、偉そうな言葉を並べてしまいました。お許しを(^^;)。
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躍動する34歳、ロジャー・フェデラー

2015年08月30日 08時51分47秒 | テニス
 全米オープンの前哨戦であるウエスタン・アンド・サザン・オープン(米シンシナティ)で、世界ランキング2位のフェデラーが同1位のジョコビッチを決勝戦で破り、この大会7回目の優勝を勝ち取りました。

■ フェデラー ジョコビッチを一蹴!2年連続7度目V
2015年8月24日:スポニチ
 テニスのウエスタン・アンド・サザン・オープン(米シンシナティ)男子シングルス決勝が23日(日本時間24日)に行われ、第2シードのロジャー・フェデラー(34=スイス)が、第1シードのノバク・ジョコビッチ(28=セルビア)に7―6、6―2で快勝し、2年連続7度目の優勝を飾った。
 フェデラーはこれまで決勝に進出した7回とも優勝と、相性のいいこの大会で1度もブレークを許さない強さ。また、両者の対戦も、今年のウィンブルドン決勝など3戦続けてジョコビッチが勝っていたが、これでフェデラーの21勝20敗となり、勝ち越した。フェデラーは試合後「あと何年ここで試合をできるかわからないが、何回も戻ってこれるように、ベストを尽くす」と約束。
 一方、ジョコビッチはこの大会5度の決勝進出で一度も勝てず。この大会に勝てば、ATPマスターズ9大会すべてを制覇するところだったが、持ち越しとなったため「5回決勝を戦って、1度も勝てない。だから、ロジャー(フェデラー)が引退するのを待つことにするよ」と冗談めかして言うとフェデラーは「君がいつかこのタイトルを取ることを、本当に願っているよ」と返していた。


 フェデラーは既に34歳で体力のピークを過ぎています。
 しかしこの大会の彼は、躍動するアグレッシブ&エレガントなプレーで魅せてくれました。
 サーブの調子がよく、とくにキックするセカンドサーブが有効でブレークされたゲームはゼロ。
 長いラリーになると不利になるため、セカンドレシーブは前に出てネットを取る戦法。
 それがうまく行き得点に繋がるのは体調がよいのでしょう。

 しかしすごい34歳です。
 余談ですが、彼には男の子の双子と女の子の双子の計4人のお子さんが居るそうです。

■ フェデラーの驚異語るジョコビッチ「男子テニスを支配するプレー」
tennis365.net 2015年8月29日
 31日から開催する全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)に第1シードで出場し、同大会の前哨戦であるシンシナティ決勝ではR・フェデラー(スイス)に敗れて準優勝に終わったジョコビッチが、対戦した34歳のフェデラーの変化について語った。
 ウィンブルドン後の最初の大会としてシンシナティ大会に登場したフェデラーは、特にそのサービスで目を見張る成果を出していた。
 5試合で10セットを戦ったフェデラーは、そこでプレーしたサービスゲーム39ゲームで1度もブレークを許さなかった。大会を通して相手に握られたブレークポイントもわずか3ポイントと、驚きの統計を叩き出していた。
 フェデラーは相手のセカンドサービスでは、より一層ネットへつめるプレーを見せ、相手にプレッシャーを与え1ポイントを短くするように努めていた。それを続けようとする彼の考えは、大会を通して上手くいっていた。
 「自分にとってよりチャレンジになるものに思えたし、対戦相手に集中するより自分にとってはより楽しくもあった。だからこれまでとは違うスタイルをトライしたんだ。それはあの大会だけかも知れないし、ニューヨークでもするかも知れない。ここからより前へ進むために、良いアイデアを与えてくれるかも知れないと思っている。」とフェデラーは自分のプレーに対する考えを述べていた。
 シンシナティの速いコートで新しいことを試すにはちょうど良いと感じていたフェデラーの変化を、ジョコビッチも察していた。
「そうさ、彼(フェデラー)はいつもより多くネットへ出てきて、ポイントを短くしようとしていた。そしてそれを上手くやっていたし、明らかに戦術的な変化を加えようとして、若い世代の選手にも対処しようとしていた。」とジョコビッチもフェデラーの変化を感じていた。
 シンシナティでのフェデラーのプレーを見ると、フェデラーが全米オープン前にあまり大会には出場しなかったものの、全米オープンで上位進出しても全く驚きはしないとジョコビッチは感じてた。
 ジョコビッチは「彼は未だに男子テニスを支配するだけのプレーをしている。グランドスラムや他の大きな大会の決勝の舞台へ勝ち上がっている。彼はしっかりレベルを上げて戦ってくるんだ。いつも彼に勝つためにはかなりの苦労を強いられるんだ。」と、未だ衰えを知らないフェデラーのテニスの凄さを実感していた。
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2014.9.4「錦織圭 vs バブリンカ」戦

2014年09月04日 05時57分59秒 | テニス
2014年全米オープン準々決勝。
たった今、進行中のゲームです。

現在セットカウント1-1。
世界ランキング4位のバブリンカを相手にがっぷり四つに組み、互角に渡り合っています。
さすがにバブリンカ、すべてにおいてハイレベル。
ショットの精度が高く少し余裕を与えるとすぐに winner が飛んできます。
それにしても自分のショットを信じて攻めきれている錦織が素晴らしい!

スタミナが心配されましたが、セットカウント2-1とリードしました。
双方一歩も譲らず、間違いなく世界最高レベルのラリー戦です。

・・・かっ、かっ、かっ、勝っちゃった!

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ジョコビッチ、フェデラーの8回目の優勝を阻む!

2014年07月07日 06時22分47秒 | テニス


ウィンブルドン・テニスの話題です。
2014年の男子決勝は第1シードのノバク・ジョコビッチと第4シードのロジャー・フェデラーの対戦となりました。
イギリスと日本は時差がありますので、ライブ放送は日本では真夜中となり録画予約済み。
ところが虫の知らせなのか、2時過ぎにふと目覚めて眠れなくなり、仕方なくテレビのスイッチをつけると・・・その激闘の真っ最中。
それもセットカウント2-2、ゲームカウント4-3とこれ以上ないくらい盛り上がっていました。
4セット目にジョコビッチがマッチポイント握ったものの、その後フェデラーが奇跡的に5ゲーム連取し逆転しての第4セットらしい。
解説の話しぶりから、近年まれに見る激闘で、1980年のビョルン・ボルグとジョン・マッケンローの伝説の死闘に優るとも劣らない様子。

(あ、私は根っからのフェデラーファンですのでコメントはフェデラー応援視線です)

私にとって、なによりフェデラー(当年32歳)が躍動していることにうれしく見入りました。
ショットの切れは良く、不利になってもネットに出る積極性。
そこにいるのは、紛れもなく全盛期のフェデラーだ!
・・・インタビューによるとフェデラー自身も驚いている様子でした。
残念ながらウィンブルドン8回制覇という新記録は生まれませんでしたが、彼のエレガントなプレーを堪能できただけでも私は大満足です。



コーチ達の顔ぶれも話題になりました。

優勝したジョコビッチには17歳でウィンブルドンを制したボリス・ベッカーがサポート。
ラケットをブンブン振り回すサーブは250km/hrあったとか。
横っ飛びのジャンピングボレーで席巻したのははや30年前になるのですねえ。
でも、ネットプレー主体のベッカーとグランドストローク中心のジョコビッチに共通項が見いだせない私・・・。

フェデラーのコーチは、ベッカーと同時代に活躍したステファン・エドバーグ(エドベリとも)。
華麗なネットプレーと“世界一美しいバックハンド”の持ち主でした。
うん、彼のエレガントさはフェデラーに通じるものがあるなあ。
二人とも世界ランキング一位経験者というビッグネームであり“コーチ達の代理戦争”と揶揄されるほどでした。
しかし、二人の風貌をみると、過ぎ去った年月を感じざるを得ません。
引き締まったナイスミドルのエドバーグと、おにぎりのように膨らんだベッカーの対比が興味深い。

あ、マレーのコーチを務めるイワン・レンドルも二人と同時代の超大物です。

他の選手達はというと・・・
全仏を制したラファエル・ナダルは4回戦で消え、昨年優勝したアンディ・マレーも準々決勝で消えました。
錦織君は4回戦まで進みました。
彼に勝ったラオニッチは準決勝でフェデラーに負けました。
伊達さんも無駄な力が入らないいいテニスをしていましたが、ここぞと言うときに体力負けしてしまったのは仕方ないかな。
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全仏オープン、ナダル5年連続9度目の優勝

2014年06月12日 21時18分25秒 | テニス
 2014年の全仏オープンが終わりました。
 女子はシャラポアが2度目の優勝、男子はナダルがグランドスラムを狙うジョコビッチとの死闘の末、5年連続9度目の優勝。
 なんと彼は、全仏オープン66勝1敗(唯一の負けは6年前のソダーリング戦)。
 生涯グランドスラム14勝となり、歴代2位のピート・サンプラスに並びました。



 期待された錦織君は予選から勝ち上がったクーリザンに無念の初戦敗退。
 彼は昨年までとはひと味違うレベルの高いテニスをしていましたが、1セット目をタイブレークで落とすと気持ちが切れてしまったのか、ショットに切れがなくなり撃沈。体の故障もあったようです。
 コーチのマイケル・チャンは歯がゆい表情。
 体調を整え、6月末に始まるウィンブルドンでの奮闘を期待したいところです。

 四強の一角、フェデラーも不調ではありませんでしたが、ショットの切れや伸びが全盛期からみると見劣りすることは否めず、途中で姿を消しました。マレーは準決勝でナダルに敗退。

 それにしても男子決勝は“死闘”と呼ぶにふさわしい、凄まじい試合でした。

 ナダルとジョコビッチ、二人とも世界最高の技を出し切り、体力も使い果たした戦い。
 精密機械のようなジョコビッチのショットがラインを割る。
 ナダルがプレーの合間に苦しくて動きが止まる。
 長いラリーで息が切れた選手に次のプレーを急かせる審判が酷に思えました。
 そんな中、最終ゲームの前にスタンドにウェーブが起こりました。
 二人の選手を少しでも休ませようとする観客の気遣いにも思え、主審も知らんぷりしてあえて止めずに流したことが心憎い演出に見えました。

 表彰式のプレゼンテーターは往年の名選手ビヨルン・ボルグ。
 私の世代のヒーローです。
 全仏オープンを5回制した彼が最初に優勝したのはなんと40年前・・・光陰矢のごとし、自分も年を取るはずだあ・・・。

 表彰式の際、準優勝のジョコビッチに対する拍手が鳴り止まず、彼は男泣きしていました。
 優勝者のナダルも泣いていました。
 
 胸の熱くなる、記憶に残る戦いとなりました。
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「サンプラス vs アガシ」(World Tennis Day, 2014)

2014年03月16日 07時26分16秒 | テニス
 テニスの話です。
 「ワールド・テニス・デイ」とは、現役&往年の名選手がエキシビジョンで対戦する企画。
 私が見たのはロンドン大会で、対戦カードは2つ;

1.「パット・キャッシュ vs イワン・レンドル
 1980年代に活躍した往年の名選手です。
 現在はアンディ・マレーのコーチとしても有名なレンドル。彼は8回の4大大会優勝を果たすものの、ついにウィンブルドンだけは勝てなかった悲劇のヒーロー。
 そのチャンスの一つをつぶされた相手がキャッシュであり、因縁の対決(?)。
 そして、キャッシュが4大大会を制したのは、その時のウィンブルドンだけです。
 「カモシカのように長い手足でアグレッシブなプレイ」というイメージがあったレンドルは、今や体型が大きく変わり、メタボの中年おじさん(53歳)化してました。フットワークもヨボヨボフラフラ・・・でも引きつけて振り切ったときのフォアに往年の輝きが垣間見えました。

2.「ピート・サンプラス vs アンドレ・アガシ



 40歳以降のテニスファンには垂涎のカードではないでしょうか。
 幾多の名勝負伝説を生んだ対戦です。
 とくにサンプラスはシニア参戦していないので彼がテニスをしている姿を見るだけでも価値がありそう。
 猫背で入場するサンプラスが昔を思い出させます。大分髪の毛が薄くなったなあ。
 一方のアガシはスキンヘッドでウェアもパンツも靴も全身真っ赤。なんだか還暦祝いの火野正平のよう(笑)。
 昔から奇抜なウェア・ファッションでファンを楽しませたことを思い出しました。
 内股でひょこひょこオモチャのように歩く姿も変わりません。

 さて、肝心のテニスは・・・。
 サンプラスのリターンの時の様子は昔のまま。ラケットをくるくる回して口を半開きにしてペロペロ舌を出す、は虫類のような仕草。
 プレイは年齢相応で、時折鋭いショット(当時は「ピストルショット」と呼ばれたらしい)を見せるものの、彼の持ち味である「サーブ&ボレー」は少ししか見ることができませんでした。
 現在のサンプラスはゴルフはやるけどテニスラケットを握ることはないらしい。
 試合後のインタビューでも「もうテニスはやらん」と言ってましたね。ちょっと残念。

 一方のアガシはフットワークもショットも切れ味抜群。
 ライジングで球を捉えてコンパクトなスイングで振り切る潔さは昔を彷彿とさせます。
 40歳過ぎても動体視力が落ちていない感じで、その鋭いショットにサンプラスが棒立ちになること多数。
 うん、こちらはバッチリ練習しているな。奥さんのグラフとやっているのかな。
 解説によると10歳代の子どもたちもテニスをしているらしい。アガシとグラフの子どもたち・・・最強のテニス遺伝子です。彼ら(彼女ら)が活躍する時代が来るかもしれませんね。

 

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2014年全豪オープンはレジェンド達の同窓会

2014年01月23日 05時50分08秒 | テニス
 今年の全豪オープンは見ていて楽しい。

 昨夜のWOWWOWライブでは準々決勝で新生フェデラー(ランキング6位)がマレー(同4位)を3-1下して復活ののろしを上げました。
 お気に入りのフェデラーが元気なのは喜ばしいことで、試合内容もまあまあだと感じましたが、なんだか物足りない・・・
 と、その時気づきました。
 数日前のナダル-錦織圭の熱戦のインパクトが強く、そちらの方が明らかに迫力があったのです。
 復活後ばく進中のナダルと攻撃テニスに磨きをかけ昨シーズンとはひと味違う錦織。
 一本一本のショットに緊迫感があり、見応え十分。
 セットカウントこそ3-0のストレートですが、タイブレーク2回を含め、3時間を超える熱戦でした。
 あと一つ何かをつかめば錦織君のベストテン入りは間違いないでしょう。
 とにかく、昨年のフレンチオープンではナダルに名前負けしてよいところがなかった錦織君の成長に目を見張ったゲームでした。

 錦織選手が2013年12月に往年の名選手マイケル・チャンをコーチとして迎え入れたことは以前に触れました。
 実は現在、「レジェンド」と呼ばれる往年の名選手達が現役選手をコーチとしてバックアップする例が多いのです。
 例えば、マレーにはイワン・レンドル(グランドスラム8勝)。
 マレーを下したフェデラーには”グラスの貴公子”ステファン・エドバーグ(グランドスラム6勝、ダブルスを入れると9勝)。
 さらにジョコビッチのコーチにはボリス・ベッカー(グランドスラム6勝)。あ、ジョコビッチは準々決勝でバブリンカ(ワウリンカ)に負けてしまいました。

 なんだか1980~90年代の同窓会でもしているようですね。
 思い起こせば、1989年にマイケル・チャンが17歳でフレンチオープンを制したときの決勝の相手がエドバーグでした。
 皆さん元気そうで何よりです。

 さて、明後日は「フェデラー VS ナダル」という、実質上の決勝戦です。楽しみ。

<2014.1.24 追記>
 フェデラーはストレートでナダルに負けてしまいました。残念。
 ナダルが良すぎた!
 スピンボールでフェデラーをネットに付かせない戦法をフェデラーは破ることができませんでした。
 フェデラーは随所で積極的なプレーを見せたものの、unforced error(凡ミス)が多くてプラスのカウントに至らず。
 しかし、昨シーズンよりは力強い印象を受け、今シーズンはグランドスラム上位で戦う姿をたくさん見ることができそうな予感・・・楽しみです。
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2014年シーズンに臨む錦織圭はひと味違う

2014年01月12日 20時49分08秒 | テニス
 先日、WOWWOWで錦織圭&伊達公子の今、を放映していました。
 2013年シーズンは二人とも順調な滑り出しでしたが、後半になり伸び悩み、よい成績を残せませんでした。

 番組内での錦織君のプレイ分析。
・トップ選手と比較して、試合時間が長い。このため、シーズン後半に疲れが蓄積して体の切れが悪くなる。
・その原因は、決め球の不在。ショットの鋭さがないために、ラリーが長引いてしまう。
・長いラリー中に根負けしてしまうゲームも目立った(フレンチオープンのナダル戦がよい例)。

 その後、コーチを1990年代の名選手マイケル・チャンへ依頼しました。
 チャンは身長175cmと錦織君よりも小柄ながら、フレンチオープン優勝(1989年、17歳2ヶ月の最年少記録)経験者で、最上位世界ランキングは2位を記録しています。
 コートを縦横無尽に走りまわり、ボールを拾いまくる姿が目に焼き付いています。ネットに出てきた相手選手の頭上を越えるロビング・ショットのコントロールも絶妙でした。

 彼は錦織君のプレイを見て「エースを取れるフォアがあればランキング上位に食い込める」と判断し、一歩踏み込んで振り切る練習をトコトンやらせています。
 錦織君が「いじめられてます」と豆だらけの手を見せてくれました。
 でも、その表情は充実感に満ちているようにも見えました。

 2014年1月13日、全豪オープンが始まります。
 昨シーズンとはひと味違う錦織選手に注目!

錦織に全仏王者の教え コーチにマイケル・チャン氏
(2013年12月26日:朝日新聞)



 師走に世界のテニス界が注目するニュースが飛び込んだ。錦織圭(23)が4大大会の男子シングルス最年少優勝記録(17歳3カ月)をもつマイケル・チャン氏(41)=米国=をコーチに迎えると発表した。トッププロを指導した実績がないチャン氏が、錦織のラブコールを受けた理由は何か。新シーズンの開幕直前、米フロリダ州ブラデントンを訪ね、錦織とチャン氏に胸の内を聞いた。

 ――チャン氏にコーチを打診した理由は。
 「目標である世界ランキングのトップ10入りを果たし、その位置を保つには、その厳しさを経験で知る人の助言を受けたい気持ちが芽生えてきた。僕よりも背が低いし、プレースタイルも似た面がある」

 ――2年前、東京で開かれたチャリティーイベントで対決したのが縁ですね。
 「あのとき、トップ選手と戦う上で『相手を尊敬しすぎて、気後れするな』などと心構えを話してくれた。プレーで感じたのはミスをしない。穴がないオールラウンダーという印象でした」

 ――契約が本格的に動き出したのは秋ごろとか。
 「そうですね。メールで『苦手な選手は誰だ?』と聞かれ、映像を取り寄せて分析してくれたり。真剣さと情熱を感じた」

 ――12月前半、チャン氏の自宅がある米カリフォルニアでの2週間のトレーニングは相当きつかったそうですね。
 「午前は9時~11時半、午後は2時~4時がコートでの練習。その後2時間ほどジムやプールに場所を移し、さらにマッサージ。部屋に戻るのは、午後7時半ぐらいでした」

 ――日本の中学、高校の「部活」の合宿のようなイメージですね。
 「へばってましたね。カリフォルニアでも、ブラデントンに戻っても、練習から帰って寝るだけ。疲れて家族とも話せないような日々が続きました」

 ――精神面での助言というより、完全に技術、肉体の強化がメーンですね。
 「僕自身、トップ10に入るための気持ちの持ち方とかを伝授してもらうイメージだったけど、指導を受けて、技術面の相当細かいところまで直された」

 ――予想外でしたか。
 「直さなきゃいけないところが、こんなにあるんだとショックもあったけど、今までにない充実感というか、ちょっと感動しましたね。すべてが新鮮で、指摘に納得できる」

 ――自身のブログでチャン氏を「世界のトップ3のコーチに入る」と最大級の称賛をしています。例えば?
 「サーブだとトスを上げる位置。今までは真上に上げていたのを、少しだけ右斜め前に。より、ボールに力が伝わりやすいと」
 「フォアハンドでベースラインと並行して足を置いていたショットでも、ほんの少し左足を前に置くことで、腰の回転が利いて威力が増すとか。よく細かい点に気づくなと思う」

 ――これまで自分で培ってきた技術の土台を崩す怖さはないか。
 「多少ありましたね。フォームをいじるとき、今までの自分の概念と全く違うときは」

 ――反論はしない?
 「少しは言います。でも、今のところ、ほとんど言い負かされている……。押しつけじゃなく、一つひとつ丁寧に論理的に説明してくれるし、実際に言われたとおりに打ってみると、納得できることが多い」

 ――心理面で教わったことは?
 「一番心に残っているのは、練習でどれだけ自分を追い込むかによって、試合を楽に戦える、と。練習はきついですけどね。いじめられてます。ただ、今までにないやる気というか、光は見えてきた気がします」

 ――体の状態は? 腰、右足首、左ひざも大丈夫?
 「体の不安はないです。今までにない充実感で約3週間過ごせたので、シーズン最初の大会に、自信を持ってスタートできます」
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