徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

早くも熱中症の季節到来

2014年05月31日 08時37分09秒 | 小児科診療
 まだ5月というのに、日中の最高気温30℃越えの日が続きます。
 思わず「今年は“冷夏”じゃなかったの?」と突っ込みたくなりますね。

 早速、当地域でも熱中症患者が発生しました。

館林で 80代男性熱中症で搬送(2014.5.30:NHKニュース)
 群馬県の館林地区消防組合消防本部によりますと、30日午後3時すぎ、群馬県館林市の80代の男性が体調不良を訴えて病院に運ばれ、熱中症と診断されました。
 男性は午前中、農作業をしていて、午後になって体調不良を訴えたということですが、意識ははっきりしていて命に別状はないということです。
 前橋地方気象台によりますと、30日の館林市の最高気温は32度8分だったということで、気象台ではこまめに水分を取ったり、冷房を適切に利用したりして、熱中症に十分注意するよう呼びかけています。


 今週末は幼稚園・保育園の運動会が予定されているところがあります。
 注意して望みましょう。
 心配な方はこちらを参考にしてください。

<追加記事>
初夏の熱中症:高齢者、特にご注意 暑さに慣れず、高湿度(毎日新聞 2014年05月31日)
 なぜ初夏は危険なのか。原因は順応性にある。気温が急に高くなる初夏は、暑さに慣れていないため汗がうまくかけず、スムーズな体温調節ができない。桐蔭横浜大の星秋夫教授(生(せい)気象学)は「暑さの厳しくない早朝などに、30分程度のジョギングやウオーキングなど軽い運動をしたり、シャワーではなく、しっかり入浴して汗をかきやすくしたりしておくことが大切」と話す。
 梅雨になると湿度が上昇し汗が蒸発しにくいため、さらに体温調節が難しくなる。京都女子大の中井誠一名誉教授(運動生理学)は「真夏日ではなくても、湿度の高い日は熱中症への警戒が必要」と話す。


 もうすぐ6月。ホタルの舞う季節ですね。
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“ワクチン拒否”を考える

2014年05月23日 21時52分02秒 | 小児科診療
予防接種のレクチャーを担当することになり、その準備でこの1ヶ月間は予防接種・ワクチンのことばかり考えていました。
このブログの更新も滞りがち(笑)。
それもようやく先日終了し、今はホッと一息ついているところです。

テーマは「“ワクチン拒否”を考える」にしました。
賛成派も反対派も、スタートは「子どもの命を守る」なのに、どこですれ違ってしまうんだろう。
以前から感じていた矛盾を解決すべく、この機会にワクチン反対派の本も数冊読みました。
まあ、接種を受ける子どもの保護者たちの漠然とした不安・疑問がモンスター化したものがワクチン反対本という意味で。

副反応被害者の家族が書いたもの
ワクチン反対を唱える医師が書いたもの
社会派ジャーナリストが書いたもの
等々。

どの本にも賛成できることと賛成できかねることが書かれていました。
ジャーナリストの書いた本は、あまりにもでたらめでうんざりしましたが。
総じて、副反応被害者を重視するあまり他のことが目にも耳にも入らなくなる傾向があり、さらに集団の中の免疫弱者へのまなざしが欠けていると感じました。

一方、某医学書に「予防接種の目的」という文章を見つけました。
以下の4つのステップからなります;

予防接種の目的
1.接種した個人を守る。
2.接種した集団を守る。
3.集団を守ることにより、接種できない免疫弱者を守る。
4.感染症を根絶する。


つまり、「感染症根絶」という最終目標に近づくためには、「集団を守る」「接種できない免疫弱者を守る」ことは避けて通れない道なのです。
日本人は現在、1と2の間で行ったり来たり。なかなか先へ進めません。
日本のワクチン行政の滞りや腰の重さは、「感染症根絶」というメインテーマを忘れているからではないでしょうか。
将来3までステップアップし、いずれ4を達成できる日が来ることを期待したいと思います。

より詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
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