テレキャス&ストラトの部屋

RolandのGT-001とzoomMS-50GでDAW制作を楽しんでいるよ

ギブソンレスポールの塗装について考える

2020年07月24日 | 楽器
今回はギブソンレスポールの塗装についての再考察

当ブログの過去記事でも塗装に関する記事が多い

音作りよりも塗装に注目が集まっているように感じる

まぁ、何に関心があるか?は人それぞれだと思う


少し整理しておきたい

ギブソンレスポールの塗装はラッカー塗装

正直な話、素人の目にはポリ塗装と目視で識別するのは難しい

触ってみてもあまり違いが感じられない

ある年代からギブソンは塗装の方法を変更したのだ

それ故にヴィンテージで採用される塗装と現代のギターの塗装は違うということ
経年変化で褪色もしない

打痕などにも強い皮膜を形成しているのだ

技術的なことは分からないが・・

楽器店の店員さんはそんな認識でギブソンをお客さんに説明しているようだ

私もギブソン辞典で読んだことがある

50年前にはラッカーの褪色(変色)はクレームだった

当時のギブソンは希望するお客さんに無償で再塗装していたそうだ

結構なロスになる

時間や経費のロスになる

「塗装丈夫にした方が良くねぇ!?」

という流れに至ったのだ


丈夫といってもポリ塗装などと比較すると繊細なのだ

硬化までの時間や効果後の強度などにも差があるようだ

塗装は強ければ良いのか?

それをよしとするならば、厚く硬い皮膜を作れば良いのだ

何故に手間とコストがかかる伝統的なラッカーを採用するのか?

それは仕上がりの差なのだ

効率を重視するライバルであるフェンダーとの差別化なのだ

ラッカー塗装に触れた時の独特な質感はポリ塗装では味わえない

磨いた時の輝きも異なるように感じる

実際のところ、薄いラッカーは音色にも影響を与えると言われているのだ

ギブソンがラッカーを頑なに使い続けるにはそれなりの理由があるということ


当然ながら、ヘッドもラッカーで塗装されている


ラッカー塗装の弱点の一つは乾燥に時間がかかること

完全乾燥した後に徐々に硬化していくのだ

かなりの時間がかかる

もちろん、生乾きの状態で出荷するはずもないが・・・

そこまで時間をかけることも無理なのだ

仮にそれをユーザーや販売店が求めるならば

確実に価格に反映されることになるのだ

読者の皆さんはどのようにお考えだろうか?

「大事に使ってね そのうちに乾くから」

「無理しちゃダメだよ 気をつけてね」

がギブソンの願いであり本音だと思う

振り返れば、私が無知だった

そんな情報も知らぬままにナットを強く締め込んだのだ



塗装を保護する為に出荷時にはあまり強く締めていない

究極、指で軽く締め直す程度で良いという

数年という時間を経て徐々に工具で締めていくという儀式があるようだ

繰り返しになるが・・・

そんなことを知らなかったのだ

手放した日本製のトーカイも購入数週間でナットが緩んだ

トーカイもラッカーだがギブソンとは少しことなる

ラッカーの下地にポリを吹くというハイブリッドな塗装方法

ラッカーの輝きを感じつつ、ポリの強さも併せ持つという

優れものなのだ

しかしながら、その質感は限り無くストラトなどのポリに近い

ギブソンのギラッとした感触やヌルッとした質感は皆無なのだ

硬化したとはいいつつもギブソンの塗装はデリケートなのだ

爪などを立てると簡単に傷になる

良い悪いではない

先に述べたように一長一短なのだ

万能な物など存在しないのだ

細部にまでギブソン魂を感じるのだ





塗装で検索している人はすでにギブソンをお持ちなのだろうか?

それともこれから購入する人なのだろうか?

すでに塗装から卒業した私には謎なのだ

弾き込むほどにそんなことはどうでも良い気がしてくるのだ


傷や打痕も勲章という感じなのだ

常連読者の方はすでにご存じだと思うが私のレスポールは再塗装済みなのだ

現在は不具合や不備もなく元気に活躍してくれている

私自身も知識を増し、それなりに成長しているのだ

本音を言えば、二本目のレスポールを買っても良い感じなのだ

失敗や試行錯誤を繰り返しながら、一人前のレスポール弾きに成長したのだ

ギターは応えてくれる

他人の評価というよりはぎたーと自分との対話なのだ

成長した証として良く鳴るようになる

ある時からギターの成長カーブが急になる




ライバルであるフェンダーのギターも同様なのだ

この感覚は廉価のギターでは味わったことがない

言葉や理屈では説明し難い

何が起こっているのだろうか?


比較すると総じてフェンダーのギターやケースは作りが丁寧なのだ

古い年代は知らないが・・・

あくまでも現代的なモダンなギターの話

以前にもお話したが・・

ストラトは故障&トラブル知らずなのだ

海外製ギターの印象が変わったのだ

総じて安定しているようだ

それはフェンダーの計算であり願いでもある

一方のギブソンは良くも悪くもムラがある

手作業の行程も多いのだ

ストラトを緻密なマシンと喩えるプロもいる

一方でレスポールをバイオリンのようだというプロもいる

トップのカーブが古典弦楽器を彷彿とさせるのかもしれない

トップの板を平らにした方が何倍も作業が楽なのだ

それでもギブソンは頑なに伝統を貫くのだ

クラフトマンシップを感じる

当たりの個体があれば、ハズレの個体があるのも当然

良くも悪くも賭けなのだ

当たりのギターを引いたならば、格安でカスタムショップに肉薄するギターを
手にできるという特典?がある

確立は低いがカスタムショップ製にもハズレがあるようだ

ギターとはそういう楽器なのだ

工場のライン生産ですら個体差があるという

不良というレベルではないのだ

私も過去のギター歴において当たりもハズレも引いてきた

ハズレを何で買ったのか?

伸び率に期待していたギターもあった

テンションが高いまま勢いで買ったギターもあった

ギターを選ぶ時に冷静でいることは難しい

ワクワクとドキドキが止まらない

自分でも分かるくらいに興奮しているのだ

初めてのデートや恋人が初めて部屋を訪れた時の感じだろうか?

こんな喩えで良いのだろうか?

私はギターにセクシーさを感じる

異性を感じるのだ

男友達というよりは異性の恋人の匂いを感じる

ギターを手放す時はそういう感情が萎えた時だと思う

レスポールの塗装が剥がれた時に私は少し悲しくなった

楽器店やメーカーへの苛立ちのような感情は皆無だった

むしろ、救済というような得たいの知れない感情が芽生えた事を覚えている

ここで言うところの救済とは塗装の修理という意味

その手間と出費を惜しいと感じなかった

後に塗装剥がれが自分の無知であったという事実を知った時のショックを忘れない

機会があれば、何かの形で巷のレスポール弾きに伝えたいと考えていた

購入後に丁寧にメンテすれば、塗装は剥がれないという事実をお伝えしたかった

行きつけの楽器店の定連さんでもヘッドの塗装割れがなく使っている人もいる

ちなみに私のメンテの師匠である楽器店のお兄さんも私と同じポカをした

ギターコレクターのお兄さんは修理することなくそのまま使っているという

ギターとの関わりは千差万別なのだ

時に過剰な知識はプレイの邪魔になる

しかしながら、無知も痛い

絶妙なバランス感覚が必要なのだ😉 



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