BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

Sライト級10回戦

2010-12-29 22:57:20 | Boxing
亀海喜寛 VS ホセ・アルファロ

亀海 6ラウンドKO勝利

考察 ~亀海~

ディフェンスに秀でているのは巷間言われる通りで
注目すべきはオフェンスマインド。
スウェーからショルダーブロックまで全てが次の攻撃の伏線になっている。
現代のトレンドであるスピード型、連打型とは一線を画すが、
距離によるパンチの選択と相手の反応(主にカウンター)を予期した防御は
高域で融合しており、時にインサイドで被弾するのは偵察を兼ねてのものだろう。
攻防兼備のボクサーで、あとは世界へ打って出るためのより明確な勝利が欲しい。
木村ノリオ(一発変換できない)との対戦がなかったことがまことに悔やまれるところ。
その木村との関連で言えば、たとえばコテルニクと対戦した時、
相手の堅牢なブロックを破れるだろうか。
あるいは破れないまでも、手数と精度で上回ってポイントを奪取できるだろうか。
日本の山を超える機会を逸したのだから、東欧の山をぜひ登ってもらいたい。
現状のSライト級はタレントがそろっており、割って入るのは帝拳といえども容易ではない。
もしウクライナで元王者を前王者を破れば、西岡に並ぶ快挙となる。


考察 ~アルファロ~

ボディを露骨に嫌がる姿勢は誰が見ても明らかで、
ガードも高く上げてはいるが、小堀の左フックを被弾したように
ディフェンス意識も高くなく、視界も広くない。
パンチ力に依存した一発屋と呼ぶのが適切なファイターで
まさに踏み台となるにふさわしい。
毎ラウンド開始の30秒~1分は攻勢を心掛けるものの続かず、
回を重ねるごとにボディへのダメージを募らせ、精神も擦り減っていった。
ボディが効いた時どうするか。
手数で相手を止める。
カウンターで止める。
足を使う。
様々なプランがあるが、そのどれも実行できなかった。
最後のダウンは嫌倒れで、続行可能な状態ではあっただろうが、
カウントされている最中にレフェリーから視線を逸らすのは愚の骨頂。
王座への返り咲きは不可能と断言する。