王者 プーンサワット・クラティンデーンジム VS 挑戦者 李冽理
李 ユナニマスディシジョンで王座奪取
考察 ~李~
徳山のシルエットが随所に重なって見えたファンは多いと思う。
自分もその一人だからだ。
王者のサンデーパンチ(左フック)を警戒した時計周りのサークリングからのジャブは
スクエアスタンスの左肩から真っ直ぐに伸び、自身の距離を構築した。
相手はガードを高く掲げるので、視界の両端が必然的に狭くなる。
豆タンク型の王者に細野は真正面から打っていき、逆に相手の高速ジャブを被弾した。
互いに正対した状態のジャブの差し合いは10cm以上のリーチ差が無ければ互いに届くのだ。
それを一切拒否し、視界の端から真っ直ぐに入るジャブと視界の外から回り込んでくるフックが
王者の焦り、苛立ち、迷いなどの負の情動を喚起したといえる。
まさに徳山の間合いを彷彿させた。
その徳山はペニャロサ相手に窮屈そうな左フックも使っていたが、
相手に左右の違いがあるとはいえ、これほど左フックや右アッパーを功打するとは思わなかった。
一つ下の階級、初めての長丁場、陣営内部の不協和音などマイナス要素ばかりを考えたが、
まさに徳山の世界初挑戦に優るとも劣らぬ鮮やかなボクシング。
コーナーに詰められても、目のフェイントと右の的確さ、ダッキングでたやすく抜け出し、
右ストの軽打から左フックの引っかけでピボットするところなど、
本人も徳山の映像を参考にして研究と練習を重ねたんだろうな。
試合前のロングインタビュー映像と試合後の放送席とのやりとりから、
ボクシングIQだけでなく、元々の頭の良さとプライドも感じさせる。
やたらと感謝の念とキモチだけを強調するスポーツ選手が多い中、
新王者・李の落ち着きと賢明さは特筆に値する。
冬場の減量も問題なさそうだ。
浜田剛史は100点満点をつけるが管理人採点では99点。
敵地タイで奪取していれば120点だった、というのは冗談。
オプションは一つ自腹で買い取って無難な相手を選ぶか、
細野あるいは下田の挑戦のために大橋や帝拳が買い取りに出るか。
敵地での再戦は必須だろう。
これをクリアすれば文句無しに徳山の後継者となることができる。
それにしてもこの内容と結果に底浅い我が洞察を恥じるほかない。
2010年の Upset of the Year 決定!!
考察 ~プーンサワット~
数えてはいないが、手数ではおそらく2倍ぐらい出したのでは?
そして前進度(そんなもんはないが)では4倍以上に達したのでは?
評価上々の盤石王者にして油断があったのだろうか。
コットを思わせる高速で真っ直ぐのジャブが機能せず、
ラウンドを重ねるごとに連打から一発強打にシフトせざるを得なかった。
だがジャブは長く、ストレートが速くとも、
クラウチングで構える王者は飛び込むワン・ツーを持っておらず、
攻勢を強めた後半は確かにジャッジにはアピールしたが、
KOの予感は遠ざかるばかりではなかったか。
打ち合いもカウンターにも全くひるむところを見せなかった王者にして、
この夜の挑戦者のカウンターにはひどく狼狽していたからだ。
体格とリーチから畢竟インファイトするしかなくなるが、
その距離を潰すための布石たる自慢のジャブにクロスカウンターを合わされた。
おそらく長いキャリアの中でも初めての経験で、
自身にもセコンドにも最後までプランを修正することができなかった。
elusiveなだけの相手なら中盤以降に捕まえる力はあるが、
近距離で打ち合いに応じるアウトボクサーもおそらく初体験だろう。
ステップ幅が大きい選手との対戦経験も豊富に違いないが、
全ラウンド摺り足でカウンターとフェイントを間断なく予感させる相手もおそらく初めて。
日本のリングや日本人挑戦者(ではないが…)には好感触しかなかっただろうが、
相手はコリアンファイターの”スピリット”を備えた日本製アウトボクサーだった。
しかし、これだけで評価を地に落とすことはなく、
当然リベンジの舞台がプロモーターからは用意されるはず。
長谷川に敗れた時のウィラポン的な存在になることが予想される。
李 ユナニマスディシジョンで王座奪取
考察 ~李~
徳山のシルエットが随所に重なって見えたファンは多いと思う。
自分もその一人だからだ。
王者のサンデーパンチ(左フック)を警戒した時計周りのサークリングからのジャブは
スクエアスタンスの左肩から真っ直ぐに伸び、自身の距離を構築した。
相手はガードを高く掲げるので、視界の両端が必然的に狭くなる。
豆タンク型の王者に細野は真正面から打っていき、逆に相手の高速ジャブを被弾した。
互いに正対した状態のジャブの差し合いは10cm以上のリーチ差が無ければ互いに届くのだ。
それを一切拒否し、視界の端から真っ直ぐに入るジャブと視界の外から回り込んでくるフックが
王者の焦り、苛立ち、迷いなどの負の情動を喚起したといえる。
まさに徳山の間合いを彷彿させた。
その徳山はペニャロサ相手に窮屈そうな左フックも使っていたが、
相手に左右の違いがあるとはいえ、これほど左フックや右アッパーを功打するとは思わなかった。
一つ下の階級、初めての長丁場、陣営内部の不協和音などマイナス要素ばかりを考えたが、
まさに徳山の世界初挑戦に優るとも劣らぬ鮮やかなボクシング。
コーナーに詰められても、目のフェイントと右の的確さ、ダッキングでたやすく抜け出し、
右ストの軽打から左フックの引っかけでピボットするところなど、
本人も徳山の映像を参考にして研究と練習を重ねたんだろうな。
試合前のロングインタビュー映像と試合後の放送席とのやりとりから、
ボクシングIQだけでなく、元々の頭の良さとプライドも感じさせる。
やたらと感謝の念とキモチだけを強調するスポーツ選手が多い中、
新王者・李の落ち着きと賢明さは特筆に値する。
冬場の減量も問題なさそうだ。
浜田剛史は100点満点をつけるが管理人採点では99点。
敵地タイで奪取していれば120点だった、というのは冗談。
オプションは一つ自腹で買い取って無難な相手を選ぶか、
細野あるいは下田の挑戦のために大橋や帝拳が買い取りに出るか。
敵地での再戦は必須だろう。
これをクリアすれば文句無しに徳山の後継者となることができる。
それにしてもこの内容と結果に底浅い我が洞察を恥じるほかない。
2010年の Upset of the Year 決定!!
考察 ~プーンサワット~
数えてはいないが、手数ではおそらく2倍ぐらい出したのでは?
そして前進度(そんなもんはないが)では4倍以上に達したのでは?
評価上々の盤石王者にして油断があったのだろうか。
コットを思わせる高速で真っ直ぐのジャブが機能せず、
ラウンドを重ねるごとに連打から一発強打にシフトせざるを得なかった。
だがジャブは長く、ストレートが速くとも、
クラウチングで構える王者は飛び込むワン・ツーを持っておらず、
攻勢を強めた後半は確かにジャッジにはアピールしたが、
KOの予感は遠ざかるばかりではなかったか。
打ち合いもカウンターにも全くひるむところを見せなかった王者にして、
この夜の挑戦者のカウンターにはひどく狼狽していたからだ。
体格とリーチから畢竟インファイトするしかなくなるが、
その距離を潰すための布石たる自慢のジャブにクロスカウンターを合わされた。
おそらく長いキャリアの中でも初めての経験で、
自身にもセコンドにも最後までプランを修正することができなかった。
elusiveなだけの相手なら中盤以降に捕まえる力はあるが、
近距離で打ち合いに応じるアウトボクサーもおそらく初体験だろう。
ステップ幅が大きい選手との対戦経験も豊富に違いないが、
全ラウンド摺り足でカウンターとフェイントを間断なく予感させる相手もおそらく初めて。
日本のリングや日本人挑戦者(ではないが…)には好感触しかなかっただろうが、
相手はコリアンファイターの”スピリット”を備えた日本製アウトボクサーだった。
しかし、これだけで評価を地に落とすことはなく、
当然リベンジの舞台がプロモーターからは用意されるはず。
長谷川に敗れた時のウィラポン的な存在になることが予想される。