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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

昇圧チョッパ 降圧チョッパ 双方向DC/DC(電流可逆型チョッパ)①

2012-09-09 00:45:50 | 電子回路
【イントロダクション】

スイッチング電源としての「チョッパ」とは1次側(入力)と2次側(出力)が非絶縁の「DC/DC コンバータ」です。昇圧型と降圧型があり、昇圧型は「昇圧チョッパ」「昇圧コンバータ」「ステップアップチョッパ」「ステップアップコンバータ」などの名称で呼ばれ、降圧型も「降圧チョッパ」「降圧コンバータ」「ステップダウンチョッパ」「ステップダウンコンバータ」と同様です。

この回路を話題にする時、さてどう呼ぼうか?と、ふと考えたりもしますが、ここでは「昇圧チョッパ」「降圧チョッパ」と呼ぶことにします。

そして本稿は図の「電流可逆チョッパ」を説明する目的で起草しました。この回路を始めて目にしたときの感動は忘れません。昇圧チョッパと降圧チョッパが巧妙に融合し「双方向DC/DC コンバータ」を構成しています。話の最後の「電流可逆チョッパ」にたどり着くまで、少し長い道のりになりますが気長にボツボツと行きましょう。

余談ですが、絶縁型のDC/DC コンバータも紹介しておきます。「フォワード型」や「フライバック型」と呼ばれるものが絶縁型の代表です。フォワード型を非絶縁にしたものが降圧チョッパ、フライバック型を非絶縁にしたものが昇圧チョッパと言えます。よって動作原理のみを考えると「両者は同じ」になります。

余談をもう1つ。最近ネット検索をしていて気づいたのですが、昇圧チョッパの解説をするWeb サイトは数多くありますが、「コイル電流を急変(遮断)させることにより生じる高電圧が昇圧の原理である」と大間違いの説明をしているサイトが少なくないことに驚いています。しかしこれも致し方ないことのようにも思えます。物理で学ぶ電磁気学の最初に登場するのは、誘導起電力の式 e=-Ldi/dt でしょう。そしてこの式に「開閉サージ」などの事例も絡めて、コイル電流の急変で生じる高電圧を「昇圧」としてインプットしてしまうのではないでしょうか。もしかしたら、いいかげんな教師はそのように教えているのかも知れません。

さてイントロが長くなりました。では「昇圧チョッパ」の話から長い航海に旅立ちましょう。リンク【昇圧チョッパ】に飛んでください。


関連記事:
「昇圧チョッパ 降圧チョッパ 双方向DC/DC(電流可逆型チョッパ)② 2012-09-10」
「ステップダウンチョッパ 2010-04-05」
「エネルギとしての電荷と磁気① 2010-11-29」

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