アレックス・ロビラ フェルナンド・トリアス・デ・ベス 著 ポプラ社
何の含蓄も無い、近年希に見るクズ本。これではまるで「3匹の子豚、ブー・フー・ウー」ではないか。童話としてなら「ブー・フー・ウー」の方がずっと面白いし救いもある。数世紀前ならまだしも、今何故、3匹の子豚の亜形を使って、人生の成功を確定的に語る必要があるのか。時代錯誤も甚だしい。読み始めて数ページで既に結末が見え、それ故の不快感がその後ずっと伴うが、”やはりそうであったか”と、読み終えた後の余韻は不快極まりない。悪役に回された黒い騎士の扱いも残酷で、無能で判断力の乏しい人間はこの世では不要であると、言っているかのごとくである。こんなものなら、ちょっと気の効いたRPGでも、例えば「テイルズ・オブジ・アビス」などのように、多くの可能性を秘めた豊かな人生を雄弁に語っている創作物は山ほどある。特に、自己形成の過程にある少年・少女達には、観念を固定化する怖れのあるこのような本は読ませたくない。”世界中で話題騒然”、”日本でも一気に50万部突破”などのキャッチコピーに誘われて買ったが、お金と時間の無駄以外の何ものでもなかった。
とある雑誌のコラムに、このようなものがベストセラーになるというのは、やはり今の社会はどこか変なのだ、と書かれていたが、まったく同感である。
何の含蓄も無い、近年希に見るクズ本。これではまるで「3匹の子豚、ブー・フー・ウー」ではないか。童話としてなら「ブー・フー・ウー」の方がずっと面白いし救いもある。数世紀前ならまだしも、今何故、3匹の子豚の亜形を使って、人生の成功を確定的に語る必要があるのか。時代錯誤も甚だしい。読み始めて数ページで既に結末が見え、それ故の不快感がその後ずっと伴うが、”やはりそうであったか”と、読み終えた後の余韻は不快極まりない。悪役に回された黒い騎士の扱いも残酷で、無能で判断力の乏しい人間はこの世では不要であると、言っているかのごとくである。こんなものなら、ちょっと気の効いたRPGでも、例えば「テイルズ・オブジ・アビス」などのように、多くの可能性を秘めた豊かな人生を雄弁に語っている創作物は山ほどある。特に、自己形成の過程にある少年・少女達には、観念を固定化する怖れのあるこのような本は読ませたくない。”世界中で話題騒然”、”日本でも一気に50万部突破”などのキャッチコピーに誘われて買ったが、お金と時間の無駄以外の何ものでもなかった。
とある雑誌のコラムに、このようなものがベストセラーになるというのは、やはり今の社会はどこか変なのだ、と書かれていたが、まったく同感である。
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