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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

ADCとDAC③ 逐次比較型AD変換器

2010-04-27 20:13:03 | 電子回路
ではいよいよAD変換器(ADC)にいきましょう。ADCはDACの逆でアナログ入力をディジタルに変換して出力する回路です。これには幾つかの方式があるのですが、ここではいままでの事柄を組み合わせることによってできる逐次比較型ADCを紹介します。図のように、逐次比較型ADCはUP/DWNカウンタとDAC(R-2Rラダー)とコンパレータの3要素で構成され、コンパレータのマイナス入力端がアナログ入力、カウンタの出力がディジタル出力になります。
(カウンタIC、HC191はコンパレータ出力がLでアップカウント、Hでダウンカウントする)

具体的に数値を入れてAD変換の動作を見てみましょう。アナログ入力電圧が2.5Vとします。またカウンタは0000から始まるとします。0000をR-2RでDA変換すると0 (V)ですからコンパレータの出力はLとなりカウンタはアップカウントしていきます。カウンタの出力が0011になるとR-2Rの出力が3Vとなりコンパレータの出力がHとなります。するとカウンタはダウンカウントを始め、結果として0010と0011を繰返しこの値がAD変換出力となります。アナログ入力が4.5Vになると、カウンタ出力は0100と0101を繰返します。

このようにADCの原理も簡単ですね。R-2Rを2倍の段数にしてカウンタを2個使えば8bitのADCとなり変換精度は格段に向上します。またクロック(Clock)周波数を上げれば変換速度が上がります。

関連記事:
ADC とDAC② R-2R抵抗ラダーの妙 2010-04-24
同期カウンタ74HC191 2010-04-12

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2 コメント

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逐次比較ADの場合 (kaoaru)
2013-02-22 12:53:33
ハードウェアだけで、逐次比較ADコンバータを構成する場合、4040のようなバイナリカウンタとコンパレータ、そしてクロックがあれば充分です。

ただ、問題は値によって変換時間が異なるのが大きな欠点です。でも、アップカウントだけでできるのですから、これほど簡単なものはありませんし、同期カウンタでなくてもいいのがメリットです。

マイコンのプログラミングだけでAD変換する場合でもそんなに精度が出せませんし、プログラムを焼く必要がない、というのもいいでしょう!

逐次比較方式だと8ビット分解能が速度も含めて扱いやすいでしょうね!実際、バーブラウンの逐次比較型ADコンバータも8ビットでした・・・1個1万以上するヤツでしたね!

ADコンバータって難しく考えてしまいがちですけど、用途に見合ったものをあてがえればそれでいいのですが、未経験の分野だとそういうことがわからない・・・まるで、新商品のカップめんみたい!・・・食べてみないと「うまい」かどうかはわからない・・・。
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学習用ですね (ホロン)
2013-02-22 20:23:08
ADCもいろいろな方式がありますが、まずどうやってアナログ量をディジタル値に変換するのかという手法をひとつでも知っておけばいいと思うのです。その意味では逐次比較型が一番考えやすいですね。あくまでも実験としてこれを手作りするのはいいですが、計測器を作るためにまさか自作のADCを使う人はいませんよね。バーブラウンやアナログデバイセズの1個1万円を買うわけです。で結果的にはこの方が安いと。

確かに用途に適しているADCを選ぶとなると難しいですよね。まるで新商品のカップめんですか。なるほど。(^^)
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