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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

テブナンの定理 と 重ね合わせの理 ①

2011-01-08 19:09:13 | 電子回路
左上の回路で抵抗に流れる電流i1~i3を求める場合、オームの法則では解けないので、一般にキルヒホッフの法則を使います。やってみましょう。(i2の方向は実際には逆かも知れませんが、とりあえず、この方向で考えます。実際の方向は最後にわかります)

[i3=i1+i2]
9 i1+3(i1+i2)=8
5 i2+3(i1+i2)=6

この連立方程式を解きます。
12 i1+3 i2=8 -----------①
3 i1+8 i2=6 =12 i1+32 i2=24 -----------②

②-①は
32 i2-3 i2=24-8
29 i2=16
i2=0.55
(数値がプラスということは、i2の向きは図の通りということです)

これを①に代入して
12 i1+1.65=8
12 i1=6.35
i1=0.53

i3=i1+i2 だから
i3=1.08
とでましたが、まあ結構じゃまくさいですよね。そこで、「テブナンの定理」の登場となります。

【テブナンの定理】
中断の図の、3Ωに流れる電流iを求めます。
まず3Ωを取り払い、端子電圧vを定めて、次の2つの作業をします。

<1> vの値を求める。
<2> vから見た回路インピーダンス(Ri)を求める。

<1>は
v=5(8-6)/(9+5)+6 (回路電流を求めて、5Ωの電圧降下を6Vの電源に加算)
v=6.71(V)

<2>は、電源のインピーダンスはゼロだから1本の電線と考えると、9Ωと5Ωの並列合成抵抗がRiになります。よって
Ri=(9×5)/(9+5)
Ri=3.21(Ω)

<1>と<2>より元の回路は、下図のように、内部インピーダンスがRiの電源vに負荷抵抗R(3Ω)が接続された回路と等価になります。OKですか?

ということは、3Ωに流れる電流iは
i=v/(Ri+R)
i=6.71/(3.21+3)
i=1.08

となって、さっきキルヒホッフの法則で求めたi3と一致しましたね。あとはオームの法則ですべて解けます。
実に簡単に解けるでしょ?(^^)

【おまけ】
練習のための[おまけ]を付けます。暇つぶしにどうぞ。
右図の回路をキルヒホッフの法則で解くのは大変です。こんなときこそテブナンの定理です。センターの3Ωを取払って、端子電圧a、bを求めます。

<1>電圧aは10×4/5=8 電圧bは10×3/5=6
よってa-b間電圧vは8-6=2(v=2)

<2>a-b間の回路インピーダンスRiは、電源を1本の電線として、(1Ωと4Ωの並列)と(2Ωと3Ωの並列)の直列だから、
Ri=4/5+6/5 =2

vとRiの値から等価回路は下図のようになります。よって
i=2/(2+3) =0.4

[ついでに]元の回路の4Ωに流れる電流を求めます。4Ωを取払ったときの回路電流Iは、
I=10/{(4×2)/(4+2)+3} =2.3(A)

よってa点を流れる電流Iaは、
Ia=2.3×2/6 =0.77(A)
よって、このときのa点の電圧は
a=10-1×0.77 =9.23(V)

次にa点から見た回路インピーダンスは、{(2Ωと3Ωの並列との3Ωの直列)と1Ωとの並列}だから、
Ri={6/(2+3)+3}/[{6/(2+3)+3}+1]=0.81

よって
i=9.23/(0.81+4) =1.92(A)

よって、元の回路のa点の電圧は
Va=1.92×4 =7.68(V)

はい。これですべてが求まりますね。(^^)

関連記事:テブナンの定理 と 重ね合わせの理 ② 2011-01-13
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デシベル(dB)の話②

2010-12-26 19:15:52 | 電子回路
デシベル(dB)は、実は1/10 ベル(B)なのです。
例えば、

10は log10=1 よって1B(1ベル)
100は log100=2 よって2B
1000は log1000=3 よって3B
10000は log10000=4 よって4B

という具合です。
このように対数変換したものをベル(B)として扱うことにより、掛け算が足し算になり、割り算が引き算になって計算が楽になります。またダイナミックレンジ(最小値~最大値の幅)の広い数値を扱う場合にも重宝する(対数圧縮)のですが、いかんせんベルは数値が小さくなりすぎ、その点は不便なので、ベルに10を掛け、1/10を表すデシ(d)を付けてデシベル(dB)としたのです。つまり

100は 10log100=20 よって20dB

ということです。
ここで、「あいや待たれい!100は40dBではなかったか」と仰る御仁もおられるでしょう。
その通り。通常、100=40dB ですね。

これは10倍してデシベルとするはずのものを、20倍してデシベルとしているからですね。では何故20倍するのでしょう。これを、電力比の対数変換(デシベル)から考えて見ましょう。
電力比W1/W2をデシベルで表すと、

10log(W1/W2) dB ですね。この式を変形していきます。

10log(W1/W2)=10log(I1^2 R)/(I2^2 R) dB
10log(W1/W2)=10log(I1/I2)^2
10log(W1/W2)=10log(I1/I2)+10log(I1/I2)
10log(W1/W2)=20log(I1/I2) dB

このように電流比のデシベルは 20log(I1/I2) dB になりますね。
また I=V/R ですから、

10log(W1/W2)=20log{(V1/R)/(V2/R)}
10log(W1/W2)=20log(V1/V2) dB

このように電圧比のデシベルも 20log(V1/V2) dB になります。
つまり、そもそもデシベルは仕事率(電力比、音圧・振動レベル等)を表す単位ということですね。

関連記事:デシベル(dB)の話 2007-08-15
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複素インピーダンス(jωLと1/jωC)

2010-12-22 20:16:33 | 電子回路
交流電圧VとコイルLによる閉回路において、電流I sinωtが流れているとすると、コイルの起電圧eは、
e=-L d Isinωt /dt =-LI d sinωt /dtです。

起電力の代数和=0  だから
V+e=0
V+(-LI d sinωt /dt)=0   よって
V=LI d sinωt /dt   となります。

d sinωt /dt =ωcosωt  だから
V=LI ωcosωt  cosωt=sin(ωt+π/2)だから
V=ωLI sin(ωt+π/2) となります。

この式より、Vは電流I sinωt を基準にすると、位相がπ/2[rad]進んでいることがわかります。よってVの最大値は
V=jωLI  であり( jは、I に対してVがπ/2[rad]位相進み)
V/I=jωL  より

回路インピーダンスは jωL(Ω)になります。

交流電流I とコンデンサCによる閉回路において、Cの端子電圧がV sinωtすると、電流I は
I=CV d sinωt /dt   となります。
(Q=CV、Q=∫I (t) dt より、V=1/C ∫I (t) dt 、dV/dt=1/C I、I=C dV/dt )

d sinωt /dt =ωcosωt  だから
I=CV ωcosωt  cosωt=sin(ωt+π/2)だから
I=ωCV sin(ωt+π/2) となります。

この式より、I は電圧V sinωt を基準にすると、位相がπ/2[rad]進んでいることがわかります。よってIの最大値は
I=jωCV  であり( jはVに対してI がπ/2[rad]位相進み)
V/I=1/ jωC  より

回路インピーダンスは 1/ jωC(Ω)になります。

関連記事:
ベクトルと複素数 2010-12-18
交流回路のまとめ 2011-01-21
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ベクトルと複素数

2010-12-18 15:30:09 | 電子回路
【ベクトル量とスカラー量】
私たちが一般に使っている量や数は多くの場合スカラー量であり、これは「大きさ」のみを表します。これに対してベクトル量は「大きさ」と「方向を」表します。図には3つのベクトル量を示していますが、このように、ベクトルの大きさは矢印の長さで、方向は矢印の向き、つまりx座標と矢印によって成す角度[rad]で表します。このような図をベクトル図といいます。

さて、周波数(ω)が同じ2つの交流を想定してみます。これを瞬時値の式で表すと
e1=Em1 sin(ωt+φ) e2=Em2 sin(ωt+θ)

のようになりますね。e1とe2は最大値(大きさ)と位相(方向)のみが異なっているので、これはベクトルで表すのに打って付です。では、瞬時値の式をベクトルで表してみましょう。次のようになります。
e1 → vE1=E1 ∠φ  ただし、E=Em /√2 [ベクトルの大きさは実効値]です
e2 → vE2=E2 ∠θ  ∠φ ∠θ を偏角といいます

上の図の青矢印は、このE1 ∠φとE2 ∠θを表したものです。

[ベクトルの加算]
交流をベクトル表示すれば、2つの交流の加算(減算)が楽にできるようになります。
実は図のvE3は、vE1とvE2を足し算したものです。式で書けば
vE3=vE1+vE2
ベクトルの加算を実際にどのようにするかは、上の図から明らかですね。

では、vE1=10 ∠π/8 、vE2=7 ∠π/3 として、加算値vE3を求めてみましょう。
まず、vE3の大きさE3は上の図より
E3=√(a^2+b^2) ですね。(三平方の定理)

また、vE3の偏角は
∠ atan(b/a) ですね。

そして、
a=10cos(π/8)+7cos(π/3)
b=10sin(π/8)+7sin(π/3)

ですね。ここはよ~く考えてくださいよお。(^^)

関数電卓でaとbを計算すると
a=12.739 b=9.889 となりました。よって

vE3=√(12.739^2+9.889^2) ∠atan(9.889 / 12.739)
vE3=16.127 ∠0.66[rad]
vE3=16.127 ∠π/4.76[rad]

となります。参考までにvE3を瞬時値の式で表せば
e3=16.127×√2 sin(ωt+π/4.76)

ですね。√2倍するのを忘れないように。

【複素数を使う】
(ここからは下の図を見てください)
複素数は一般に a+jb の形で表されます。
さて、aはいいですが、jbのjっていったい何でしょう。

Jの定義は
j^2=-1
j=√-1

です。jは2乗して-1になるもの、つまりjは-1の平方根。このような数は存在しえません。よって、jを「虚数」といいます。

複素数は a+jb のように、実数+虚数の形で表されたものです。aを実部、jbを虚部といいます。そもそも、「世のすべての数は複素数」なのです。そして特例として、b=0のときに複素数は実数となり、a=0のときに複素数は虚数となります。
OKですね?(^^)

さて、前節ではベクトルをベクトル図で表しましたが、複素数の実部を横軸(x座標)にとり、虚部を縦軸(y座標)にとれば、ベクトルを複素数で表すことができます。下の図を参照してください。このような座標を複素平面といいます。

では、図に従って、vE1とvE2を複素数で表してみましょう。
vE1=9+j3
vE2=4+j6

となりますね。
では、vE1とvE2を加算してみましょう。
vE1+vE2=(9+4)+j(3+6)
vE1+vE2=13+j9

このように実部と実部、虚部と虚部をそれぞれ加算し、結果をa+jbの形(複素数)にすればいいのです。そして
vE3=vE1+vE2
vE3=13+j9

であることは、図より明らかですね。このようにベクトルを複素数で扱うと加減算が非常に簡単になります。

ベクトルを「大きさと偏角」で表す方法を「極形式」、複素数で表す方法を「直交形式」といいます。

vE3=13+j9 は直交形式ですね、これを極形式に変換してみましょう。
vE3=√(13^2+9^2) ∠atan(9/13)

となりますね。実に簡単でしょ。

[jの性質]
1×j=j j×j=-1 -1×j=-j -j×j=1

となります。これを複素平面でみると、 jをカケるとπ/2だけ左回転することがわかりますね。ということは、jを1回カケると位相がπ/2進み、jで1回割ると位相がπ/2遅れるということですね。この概念は今後L(コイル)やC(コンデンサ)による位相問題を考えるときに非常に重要、かつ便利なものになります。

さて、複素数を使うとベクトルの加減算だけではなく、掛け算、割り算も簡単にできます。ベクトル図では、これは無理ですね。やってみましょう。

(a+jb)×(c+jd)
= ac+jad+jbc-bd
=(ac-bd)+j(ad+bc)

ということですね。

次に割り算です。
(a+jb)/(c+jd) は、分母分子にc-jdをカケます。c+jdに対するc-jdを「共役複素数」といいます)やってみましょう。

(a+jb)/(c+jd)
=(a+jb)(c-jd)/(c+jd)(c-jd)
={(ac+bd)+j(bc-ad)}/(c^2+d^2)
=(ac+bd)/(c2+d2)+j(bc-ad)/(c^2+d^2)

ということですね。

関連記事:
複素インピーダンス(jωLと1/jωC) 2010-12-22
交流の実効値③ サイン波 2010-11-24
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トランジスタ増幅回路

2010-12-13 20:35:47 | 電子回路
(図はエミッタ接地増幅回路です)

Ic=hFE×Ib (hFEを直流電流増幅率といい、トランジスタの特性のひとつです)
Ie=Ib+Ic 
Ic=Ie-Ib

トランジスタがこのように動作しているとき、Vbe(ベース、エミッタ間電圧)は約0.6~0.7Vです(理屈上ダイオードの順方向電圧と同じ)。ここでは0.7Vとしましょう。するとIb=(V1-0.7)/R1

hFE=100とすると(2SC1815でこれくらいです)
Ic=100(V1-0.7)/R1
Ie=(V1-0.7)/R1+100(V1-0.7)/R1 =101(V1-0.7)/R1
よってIc≒Ie Ib≒0

さてもっとも注目すべき点は、Icが定電流であることです。それ故R2の影響を受けません(IeR1+IcR2 <V2-0.2Vの範囲にて)。よってR2の値が変われば、出力Voがリニア(直線的)に変化します。通常Vo=V2 /2辺りになるように調整します。というのはV2 /2をニュートラル電圧として、V2の電圧範囲をVoがもっとも大きく変化できる(フルスイングできる)からです。このニュートラル電圧を一般に「動作点」といいます。<br>

ここでV1が+α増加したとします。するとIeの増加分は ⊿Ie=α/R1 です。出力電圧Voの変化分をβとすると、Ic=Ieとして β=(α/R1)×R2 =αR2/R1 。よって
β/α=R2/R1 となって、図のトランジスタ増幅回路のゲイン(増幅倍率)は、おおむねR2/R1であることが分かります。

【直流設計】
では具体的に数値(定数)を入れて、直流設計をしてみましょう。
V2=20V
動作点:Vo=V2 /2 =10V 、Ic=1mA と決めて、
ゲイン:×10の増幅回路を設計します。

① Vo=10V、Ic=1mAから、最初にR2が決まります。
R2に流れる電流が1mAであり、端子電圧が10VになるようなR2は
10/1m=10kΩ です。

② ゲイン:×10にするためには、R2/R1=10 だから
R1=R2/10 =10k/10 =1kΩ です。

③ R1にはIe=1mAが流れるので
V1=1k×1m+0.7 =1.7V

となって、これですべての定数が決まりました。(中段の図参照)
この状態で交流信号を入力した場合の波形を下図に示します。

関連記事:トランジスタの端子接地 2009-12-16
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コイルとコンデンサの無限大放電

2010-12-07 20:20:24 | 電子回路
上の図のRL回路とRC回路は電源スイッチがONになっており、定常状態にあります。よって、RL回路はVL=0、IL=V/R、RC回路はVc=V、Ic=0 です。

この状態で、電源スイッチをOFFすると同時に、下の放電スイッチをONにした瞬間を下の図に示しています。放電抵抗が10R、およびR/10になっていることに注目してください。RL回路は、Lを流れていた電流IL=V/Rを維持するためのVLを放電するので、VL=-10Vとなり、RC回路は(Cの端子間電圧VC=Vを維持するためのIcを放電するので)Ic=10V/Rとなります。もしRL回路の放電抵抗が100RならVL=-100V、 RC回路の放電抵抗がR/100ならIc=100V/R と非常に大きな値になりますね。さて、もしRL回路の放電抵抗が∞Ω、RC回路の放電抵抗が0Ωであれば、VLとIcはどうなるでしょう?

これが無限大放電であり、コイルの電圧放電が一般に開閉サージと呼ばれるものの原理です。

関連記事:
エネルギとしての電荷と磁気① 2010-11-29
エネルギとしての電荷と磁気② 2010-12-03
開閉サージ の考察① 2009-06-17
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エネルギとしての電荷と磁気②

2010-12-03 22:05:41 | 電子回路
磁気(磁束)

磁束Φと磁束φは異なります

コンデンサが電流を溜め電荷Q としてエネルギを蓄えるように、コイルは電流に比例して発生する磁束Φをエネルギとして蓄えます。(「電荷」と同じように表せば、コイルは端子電圧(VL)を積分し「磁束」としてエネルギを蓄える容器として働きます)

さて、磁束ΦはΦ=LIの式が成り立ちます。この式のIはコイルに流れる電流を意味し、図の回路の場合、スイッチオンの時点ではΦ=0であり、時定数(R/L)secにてΦ=0.63LI、その後、定常状態に至りVL=0、Φ=LIとなります。(過渡特性)
Φ=∫v(t) dt と表すこともできます。

Φ=LI と Φ=∫v(t) dt は必須です。覚えましょう。(^^)

Φ=LIの両辺をLで割ればI=Φ/Lとなり、この式より、磁束Φが一定であれば、Lのインダクタンス(容量)が大きければコイル電流は小さく、インダクタンスが小さければコイル電流は大きくなることがわかります。

【電圧放電】
上の回路が定常状態にあるとき、VL=0ですから、抵抗Rの端子間電圧はVですが、下の回路のようにRの片端を0Vに接続するとどのような動作になるでしょう。

VL=-Vとなり、それ故に抵抗Rの端子間電圧は変化無くVであり、図のようにILは同一方向に流れ続けます。これがコイルLの磁気による電圧放電です。抵抗Rで消費される電力W(i^2R)は下図のような特性になります。(放電が終わると磁気は0になり、VL=0になります)

電力Wの曲線が構成する(黄色の)面積が電力量Wsです。電力量Wsはエネルギ消費量ですから、Lは磁気としてエネルギを溜めるということですね。

このエネルギは:
EL=1/2 LI^2 の式で表されます。導出は添付図の式を参考にしてください。

関連記事:
エネルギとしての電荷と磁気① 2010-11-29
絵で見るコイルとコンデンサの過渡特性 2010-11-11
コイルとコンデンサの無限大放電 2010-12-07
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エネルギとしての電荷と磁気①

2010-11-29 19:12:14 | 電子回路
電荷

あたかも水道の蛇口から流れ出る水をバケツに溜めるように、コンデンサは流入する電流(Ic)を電気量として溜める容器として働きます。この溜めた電気量を「電荷」といいます。

電荷はQ(クーロン)で表し、Q=CVの式が成り立ちます。この式のVはコンデンサの端子電圧を意味し、図の回路の場合、スイッチオンの時点ではQ=0であり、時定数(CR)secにてQ=0.63CV、その後、定常状態に至りIc=0、Q=CVとなります。(過渡特性)
Q=∫i(t) dt と表すこともできます。

Q=CVとQ=∫i(t) dt は重要。とくに前者は必須です。覚えましょう。(^^)

Q=CVの両辺をCで割れば V=Q/ Cとなり、この式より、電荷Qが一定であれば、Cのキャパシタンス(容量)が大きければCの端子電圧は小さく、キャパシタンスが小さければ端子電圧は大きくなることがわかります。

【電流放電】
上の回路が定常状態にあるとき、Vc=Vですから、抵抗Rの端子間電圧は0Vですが、下の回路のようにRの片端を0Vに接続するとどのような動作になるでしょう。

抵抗Rの端子間に電圧Vcが加わり、図のように電流Icが反対方向に流れます。これがコンデンサCの電荷による電流放電です。抵抗Rで消費される電力W(i^2R)は下図のような特性になります。(放電が終わると、電荷は0になり、Vc=0になります)

電力Wの曲線が構成する(黄色の)面積が電力量Wsです。電力量Wsはエネルギ消費量ですから、Cは電荷としてエネルギを溜めるということですね。

このエネルギは:
Ec=1/2 CV^2 の式で表されます。導出は添付図の式を参考にしてください。

関連記事:
エネルギとしての電荷と磁気② 2010-12-03
絵で見るコイルとコンデンサの過渡特性 2010-11-11
コイルとコンデンサの無限大放電 2010-12-07
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交流の実効値③ サイン波

2010-11-24 22:10:42 | 電子回路
交流の値(大きさ)の表し方には

最大値:Em(0-P)
平均値:E ave
実効値:E rms

の3つがあります。実際には、最大値(0-P値)と実効値がよく使われます。
サイン波交流電圧の瞬時値は

e(θ)=Em sinθ の式で表されます。(θ=ωt)rad

では、この瞬時値の式から、最大値、平均値、実効値を求めてみましょう。
最大値=Em ですから、これは問題ないですね。

【サイン波交流の平均値】
さて平均値とは、半周期の瞬時値を加算平均した値です。図で見ると、黄色の面積が瞬時値の加算値で、この面積を半周期:πで割り算したものが平均値です。

早速やってみましょう。
e(θ)=Em sinθ の半周期の面積:Esは
Es=∫0→π Em・sinθdθ です。
Es=Em[-cosθ]0→π 
Es=Em{1-(-1)}
Es=Em・2 これが半周期の面積ですから、平均値はπで割って

E ave=Em・2/π となります。簡単でしょ?(^^)

【サイン波交流の実効値】
さて次は、少しだけ計算がじゃまくさい、実効値を求めてみましょう。
実効値=√(瞬時値の2乗の平均値) でしたね。

よって、実効値:E rmsは
E rms=√Em^2 √{(∫0→π sin^2θdθ)/π}
E rms=Em・√{(∫0→π sin^2θdθ)/π} を計算すれば得られます。

まずは、「瞬時値の2乗の平均値」(定積分の部分/π)を計算します。
さて sin^2θ はどうやって積分すればいいのでしょう。

これは少し技を使います。「加法定理」より
cos(θ+θ)=cos^2θ-sin^2θ
cos2θ=cos^2θ-sin^2θ

sin^2θ+cos^2θ=1 ですから cos^2θ=1-sin^2θ よって

cos2θ=1-sin^2θ-sin^2θ
cos2θ=1-2sin^2θ (2倍角の公式を知っていれば、一気にここまで来ます)
2sin^2θ=1-cos2θ
sin^2θ=1/2(1-cos2θ)
∫sin^2θdθ=∫1/2(1-cos2θ)dθ これなら積分できそうです。

∫0→π sin^2θdθ
=∫0→π 1/2(1-cos2θ)dθ
=1/2∫0→π 1-cos2θdθ
=1/2[θ-1/2 sin2θ]0→π
=1/2(π+0)
=π/2

これを実効値の式に当てはめます。
E rms=Em・√{(∫0→π sin^2θdθ)/π}
E rms=Em・√{(π/2)/π}
E rms=Em・√(1/2)
E rms=Em・1/√2 

となってサイン波交流の実効値は、最大値:Em×1/√2 ということですね。

【おまけ】
加法定理

sin(A+B)=sinA・cosB+cosA・sinB (サインコサイン、コサインサイン)
cos(A+B)=cosA・cosB-sinA・sinB (コスコス、ひく、サンサン)
tan(A+B)=(tanA+tanB)/(1-tanA・tanB) (1ひくタンタン、タン加タン)

関連記事:交流の実効値② 算数としての微分と積分 2010-11-22
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交流の実効値② 算数としての微分と積分

2010-11-22 21:56:03 | 電子回路
y=x^4+x^3+x^2+2 を微分すると 
y’=4x^3+3x^2+2x 

y=4x^3+3x^2+2x を積分すると
Y=x4+x3+x2+C (Cは何らかの定数であり、積分定数といいます)

y=2x^4+4x^3+3x^2+5 を微分すると
y’=8x^3+12x^2+6x 

y=8x^3+12x^2+6x を積分すると
Y=2x^4+4x^3+3x^2+C

では
y=10x^4+12x^3+12x^2+5 を積分すると? はい、やってみましょう。(^^)


さて実は、「積分は面積を求める計算」です。
やってみましょう。

図の三角形の面積は、はい1ですね。([底辺×高さ]/2)
これを積分で求めてみます。

この三角形の斜辺は
関数:y=2x の x=0の点とx=1の点を結んだものですね。

y=2x を積分すると、Y=x^2 。そしてxに1を代入するとY=1となって、先に求めた面積:1と一致します。順を追ってやれば次のようになります。

Y=∫(0→1) 2x dx (2xをx=0~1まで積分するという意味です:定積分といいます)
Y=[x^2+C]0→1 (積分演算をして[ ]で囲みます)
Y=(1^2+C)-(0^2+C) (積分した式にx=1とx=0を代入して引き算します)
Y=1 (解:この三角形の面積)

もし、x=0.5~1までの面積を求める場合は、Y=∫(0.5→1) 2x dx と書いて、同じ計算をします。


【ランプ波(ノコギリ波)の実効値】
では、図のようなランプ波の実効値(rms)を積分で求めてみましょう。

黄色の面積は平均値ですよ。勘違いの無いように。
このランプ波の最大値=1、平均値=0.5であることは、この図から明らかですね。

さて、実効値はどうなるでしょう。
実効値(RMS)は:Root Mean Square(2乗平均、平方根)ですから
2乗平均して、平方根を計算すればいいわけですね。

このランプ波の半波が作る三角形の斜辺は、関数 v=t で表せます。これを2乗すると
v^2=t^2 です。この関数を波形として表すと、2次関数ですから下図のようになります。
 
黄色で示している面積が2乗平均です。さっそく定積分して面積を求めてみましょう。

V^2=∫(0→1) t^2 dt
V^2=[(1/3)t^3]0→1  t=1を代入して
V^2=1/3 =0.33   これが2乗平均です。よって実効値は
V=√(1/3)=0.577 と求められます。

関連記事:
交流の実効値①(RMS) 2010-11-16
積分(意味と約束事) 2007-10-10
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交流の実効値①(RMS)

2010-11-16 19:22:15 | 電子回路
「基礎電子工学 交流編」松下電器工学院 編著 p39~p41の補足


【実効値の定義】直流と同じ「仕事」をする交流の値

電力:W=i^2・R
電力量(仕事量):Ws=i^2・Rt [電力量=電力×時間]

上のグラフは縦軸に電力(I^2・R)、横軸に時間(t)をとったものです。よって黄色で示す面積は電力量(I^2・Rt)になります。
左の交流と右の交流の半周期の面積が同じであれば、この2つの交流の電力量は同じですね。ということは左の交流の実効値をi(rms)、右の交流電流の実効値をIとすると、

i(rms)=Iになります。(上の定義より)

さて、右の波形の電力量は
Ws=I^2・Rt4

左の波形の電力量は
Ws=i1^2・Rt1+i2^2・R(t2-t1)+i3^2・R(t3-t2)+i4^2・R(t4-t3)
=R{i1^2・t1+i2^2・(t2-t1)+i3^2・(t3-t2)+i4^2・(t4-t3)}

両者の電力量は同じだから(Rを払って)
I^2・t4=i1^2・t1+i2^2・(t2-t1)+i3^2・(t3-t2)+i4^2・(t4-t3)
I^2={i1^2・t1+i2^2・(t2-t1)+i3^2・(t3-t2)+i4^2・(t4-t3)}/ t4

この式から、実効値の2乗は「各電流値の2乗の加算平均」であることがわかりますね。
そして実効値は
I=√[{i1^2・t1+i2^2・(t2-t1)+i3^2・(t3-t2)+i4^2・(t4-t3)}/ t4]となります。

よって実効値のことを「2乗平均、平方根」Root Mean Square の頭文字を採って、RMSと呼ぶわけです。


【サイン波での試み】
サイン波の半波を10分割して「2乗平均、平方根」を計算してみました。
下図のエクセルの表です。
実効値(RMS)は理屈どおり、0.707107=1/√2 となりますね。

関連記事:交流の実効値② 算数としての微分と積分 2010-11-22
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絵で見るコイルとコンデンサの過渡特性

2010-11-11 23:23:34 | 電子回路
図の2つの回路において、スイッチを入れた時の電圧:VLとVCの変化(過渡特性)と、電流:ILとICの過渡特性をグラフに示しています。

コイルの端子電圧VLは電源電圧Vから減少し始め、一定時間後に0Vとなります。回路電流ILは0Aから増加し始め、一定時間後V/R(A)に達し安定します。コンデンサの端子電圧VCは0Vから増加し始め、一定時間後、電源電圧Vに達し安定します。回路電流ICはV/R(A)から減少し始め一定時間後に0Aとなります。

このように、コイルとコンデンサは互いに鏡像のような特性を示しています。まるで利き腕が逆の、双子の兄弟のようですね。

過渡特性以降を定常状態といいますが、定常状態においては、コイル回路の場合コイルの端子電圧は0Vであり、V/R(A)の電流が流れています。コンデンサ回路の場合は、端子電圧は電源電圧Vと同電圧であり電流は0Aで静止しています。このことは先に示した特性グラフから読み取れますが、直流回路におけるこのコイルとコンデンサの逆特性は重要なポイントとして理解しておく必要があります。

【時定数】
下図はコイル電流:ILと、コンデンサ電圧:VCの過渡特性グラフを再度示しています。
電源オンの時点から、ILの場合はV/R(A)の63%に達する時間:TL 、VCの場合はVの63%に達する時間:TCを時定数(sec)といいます。(* Vは電源電圧)

TLは計算式: L/R 、TCはCRで、求められます。
例えば

L=100mH、R=200Ωとすると
100×10^-3 ÷ 200 = 500×10^-6  TL=500μSec

C=1μF、R=300Ωとすると
1×10^-6 × 300 = 300×10^-6 TC=300μSec
となります。


【おまけ】
しかしなぜ電源オンから時定数後に電源の63.2%になるのか? これは

v(t)=Ldi(t)/dt+Ri(t)  v(t)=1/C ∫i(t)dt+Ri(t)

この方程式(微分方程式)を解けば得られます。
解は
i(t)=V/R e^-(1/CR)t v(t)=V(1-e^-(1/CR)t) 

あるいは
i(t)=V/R (1-e^-(R/L)t) v(t)=V e^-(R/L)t 

となります。(1/CRとR/Lは一般にωの記号で表します)
CRとLRの過渡特性(1次遅れ系)を示す、
x=e^-ωt と x=1-e^-ωt は覚えておくとなかなか便利ですぞ。


さて、i(t)=E/R e^-(1/CR)t を積分すると
∫ i(t)dt=E/R ∫e^-(1/CR)t dt
∫ i(t)dt=(E/R)(-CR e^-(1/CR)t)

t=0からt=CRまで定積分すると、t=CRのCの端子電圧が得られるはずです。

=(E/R)[-CR e-^(1/CR)t]0→CR
=(E/R){-CR e^-1 +CR}
=(E/R)(CR)(1-0.368)
=EC×0.632 これがt=CRの電荷Qです。

1/Cをかけて
端子電圧Vc=E×0.632 となり、確かに電源電圧の63.2%になりますね。

関連記事:
エネルギとしての電荷と磁気① 2010-11-29
コイルに定電圧、コンデンサに定電流 2010-02-28
時定数後は63% 2009-05-25
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CRスナバー回路は磁気リセット回路

2010-11-03 18:07:36 | 電子回路
本回路はフォワード型スイッチング電源の一例です。トランスの1次側回路に注目してください。スイッチングトランジスタのCE間に、点線で囲んだCR回路が取り付けてあります。(幾つかのメーカー製電源を調べてみましたが、このCR回路はすべて付けてありました)

トランジスタがスイッチングすると、トランスの1次側の自己インダクタンス:L1によって、開閉サージが発生します。上記のCR回路はこの開閉サージを吸収するためのもので、一般にスナバー回路と呼ばれます。ここまでは問題ないですね。

しかし最近まで、もうひとつ疑問点が残っていました。
トランジスタのスイッチングによって1次巻線に流れる電流は一方向のみです。すると、コアのBH曲線に見るように、電流がゼロになってもコアが磁化されたままになります。この残留磁束をリセットするためには、1次巻線に逆電流を流さなければなりません。

そこで、ハタと気づきました。CRのスナバー回路がサージ吸収する原理です。トランジスタがオフした時に、L1の励磁電流はスナバー回路のCに流れ込み電荷として蓄えられることによってサージ電圧を吸収します。しかしこの回路はL1とCによる直列共振回路になっているので、L1の励磁電流がすべてCの電荷に置き換われば、こんどはCからL1に向かって逆電流が流れます。この逆電流がL1の残留磁束をリセットするのです。(抵抗RはLC共振による振動を適切に減衰させるためのものです)。むしろ、この磁気リセット機能がCRスナバー回路の主たる目的でしょう。これに気づいたときは、目から鱗でした。

まとめると、このように用いられるCRスナバー回路は、サージ電圧を吸収すると共に、コアを磁気リセットするという、とても巧妙な回路なのですね。

関連記事:
LC共振回路 2007-10-03
可飽和リアクトル(マグアンプ、磁気増幅器)によるPWM 2010-10-26
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可飽和リアクトル(マグアンプ、磁気増幅器)によるPWM

2010-10-26 22:11:06 | 電子回路
スイッチング電源の出力電圧を安定(定電圧)化する方法はいろいろ考えられますが、その方法の一つとして、可飽和リアクトルを使った安定化回路を紹介します。

一般的には、2次側の出力電圧を絶縁フィードバックして、1次側のスイッチングをPWM制御することによって、出力電圧を安定化する方法がよく用いられますが、ここでは1次側のディユーティ比を50%に固定して、2次側単独で安定化することを考えます。
(効率等はとりあえず無視)

上の回路を見てください。トランスで降圧した後、2次側の出力を整流、平滑して、その後にPWM制御によるステップダウンチョッパ(降圧コンバータ)を構成しています。実際にこんな回路はあまり見かけませんが、これでも安定化できるはずです。

さて、下の回路が本稿のテーマの、可飽和リアクトルを用いた安定化回路です。2次側をPWM制御するという点で、上のステップダウンチョッパとほぼ同じと考えていいでしょう。両回路とも同じように動作するなら、可飽和リアクトル式(マグアンプ式)の方が、部品点数も少なく、ずっとシンプルにできます。ステップダウンチョッパの方は、太線のブロック図に、さりげなくPWMと記入していますが、実際にはコントロールデバイス(TL494等)と周辺に幾つかの部品が必要であり、結構複雑になります。

では可飽和リアクトル式が動作するメカニズムを、順を追って見ていきましょう。
コアを有するコイル(リアクトル)はコイル電流に比例して磁界(H)が大きくなり、コア内部の磁束密度(B)が増加しますが、可飽和リアクトルは、図のBH曲線に見るように磁束密度が急峻に立上り、すぐに磁気飽和に至るように作られています。コイル電流を「入力」、磁束密度を「出力」とすると、少しの電流増加により大きな磁束密度が得られることになり、これが、可飽和リアクトルがマグアンプ、磁気増幅器と呼ばれる所以なのでしょう。磁束密度が垂直に立ち上がれば増幅度が∞となり理想的です。理想オペアンプのゲインが∞とされるのと同じですね。

さて、トランスの2次側には降圧されたデューティ比50%の矩形波が出力され、ONパルスの期間に電流が可飽和リアクトルを流れるのですが、磁気飽和するまではインダクタンスが非常に大きく、飽和すると急に小さくなる(空芯コイルと同じ)ので、可飽和リアクトルは、飽和-非飽和によってON-OFFするスイッチと捉えることができます。よってONパルスの電圧印可に対して、磁気飽和するまでの時間分遅れて導通しOFFパルスまで電流が流れます。

ということは、磁束が飽和するまでの時間(期間)を調整できれば、可飽和リアクトルのON-OFF期間が調整できる、つまりPWM制御ができそうです。

回路図を見てください。もし、RFとRIによる分圧値がRefよりも大きくなれば、トランジスタ:Q2が動作し、トランスの2次側がOFFパルスの時に、点線で示す電流(Reset Current)が流れ(増加し)、過飽和リアクトルの磁束は極性が反転して大きくなります。すると、次にONパルスに切り替わった時には、逆極性の磁束を押し戻してから磁気飽和に至るため、可飽和リアクトルのOFF期間が長くなります。ということはON期間(導通期間)が短くなり、出力電圧が低下して、結果的に、RFとRIの分圧値がRefと一致するように制御されるのです。これは正にPWMですね。実に巧妙なやり方だと思います。

RFとRIによる分圧値がRefよりも小さくなれば?
さて、考えてみましょう。(^^)

「降圧コンバーターをオンラインで購入する場合はアールエスコンポーネンツが便利です。規格ごとに検索ソートがかけられ商品選択がしやすく、業者価格での部品購入が可能です」

関連記事:
ステップダウンチョッパとフォワード型SW電源 2010-08-25
ステップダウンチョッパ 2010-04-05
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負荷の定電流駆動(電圧電流変換)

2010-09-21 11:11:46 | 電子回路
定電流源は一般に、図のように丸を重ねた瓢箪(ひょうたん)のような図記号で表します。
オペアンプのフィードバックラインは定電流ですから、ここに負荷を挿入すれば定電流駆動になります(右上)。しかし、この回路で流せる電流値はオペアンプのドライブ能力がリミットですから数十mAが限界です。

そこで、もっと大きな定電流を負荷に流したい場合は、トランジスタを使って下図のような回路を構成します。両回路とも定電流回路の定番です。

両回路において、INに-2Vを入力すると負荷に200mAの電流が流れ、-10Vを入力すると1Aの電流が流れます。動作メカニズムについては、エミッタ接地型の方は分かりやすいですね。コレクタ接地型は、いかにもオペアンプの動作特性を利用して設計していると言わんばかりのカッコイイ回路です。これが定電流動作となるメカニズムについては、はい、皆さんで考えてみてくださいね~。(^^)ヒントは差動増幅回路ですよ~。


関連記事:
定電流① 2010-01-08
オペアンプ入門④反転増幅回路と応用 2010-02-01
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