左上の回路が前回検討した回路です。14300ものゲインを持つじゃじゃ馬で、IN1に+0.1Vを入力すれば出力は電源電圧の+15Vに張り付き、-0.1Vを入力すれば出力は電源電圧の-15Vに張り付くというものでした。
それでは右の回路のように、1本の抵抗RF(9kΩ)を追加してOUTとIN2を接続するとどうなるでしょう(IN2はグランドから切離す)。端子を点線にしている1kΩはまだつなぎません。Q2のベース電流を無視量、つまり入力インピーダンス=∞Ωとすると、OUTの電圧がaVだけ上昇すれば、IN2もまったく同じaV上昇します。つまり、OUTの電圧=IN2の電圧になります。ここが重要なところですよ。OKですか?
そしてaVが、IN1=0.1Vを超えると、IN1よりもIN2の電圧が高くなり、出力OUTは-15Vに向きを変えて瞬時に変化します。IN2の値は出力OUTと同じですから、次にOUTの電圧がIN1=0.1Vを下回れば、OUTは再び+15Vに向きを変えて瞬時に変化します。このようにOUTはIN1の電圧を境に、オーバーシュート、アンダーシュートを繰り返しますが、振動し続けるわけではありません。IN2の電圧がIN1の電圧を横切れば、出力OUTが必ず引き戻すように動作するので、“しばらく”するとIN2の電圧=IN1の電圧=0.1Vとなる地点でOUTは静止します。“しばらく”の期間は遅くてもμsecオーダーですから無視量として、瞬時にOUTは静止すると考えて問題ありません。つまり出力OUTを抵抗(今の場合は9kΩ)でIN2に接続すれば、IN1=IN2=OUT(=0.1V)となるのです。OUTとIN2を抵抗(0Ωも可)で接続することをフィードバックするといいます。
つまりIN2の電圧=IN1の電圧となる値にOUTは静止するということです。であるなら、いよいよ次が大詰めです。端子を点線にしている1kΩを接続するとどうなるでしょう。見てきたように、出力OUTはIN1=IN2になる電圧で静止するのですから、OUTは9kΩと1kΩで分圧した値が0.1Vになるような値に決まります。つまり
0.1=OUT×1k / 9k+1k 1k=OUT×1k OUT=1
このように、OUT=1Vになります。入力はIN1=0.1Vですから、ゲインは10ということですね。1kΩを3kΩに取り替えると、OUTは0.4Vとなり、ゲインは3になります。これは実際に計算してみてくださいね。先に結論をお話しますと、右の回路図で、あとに接続した1kΩをR1、フィードバック抵抗の9kΩをR2とすると、この増幅回路のゲインは
Gain=1+R2/ R1
となります。最後に下の図をみてください。もうお気づきですね。これがオペアンプなのです。
関連記事:
差動増幅回路の妙③ 2段目とエミッタフォロワ 2011-04-27
差動増幅回路の妙① エミッタ接地増幅回路 2011-04-13
それでは右の回路のように、1本の抵抗RF(9kΩ)を追加してOUTとIN2を接続するとどうなるでしょう(IN2はグランドから切離す)。端子を点線にしている1kΩはまだつなぎません。Q2のベース電流を無視量、つまり入力インピーダンス=∞Ωとすると、OUTの電圧がaVだけ上昇すれば、IN2もまったく同じaV上昇します。つまり、OUTの電圧=IN2の電圧になります。ここが重要なところですよ。OKですか?
そしてaVが、IN1=0.1Vを超えると、IN1よりもIN2の電圧が高くなり、出力OUTは-15Vに向きを変えて瞬時に変化します。IN2の値は出力OUTと同じですから、次にOUTの電圧がIN1=0.1Vを下回れば、OUTは再び+15Vに向きを変えて瞬時に変化します。このようにOUTはIN1の電圧を境に、オーバーシュート、アンダーシュートを繰り返しますが、振動し続けるわけではありません。IN2の電圧がIN1の電圧を横切れば、出力OUTが必ず引き戻すように動作するので、“しばらく”するとIN2の電圧=IN1の電圧=0.1Vとなる地点でOUTは静止します。“しばらく”の期間は遅くてもμsecオーダーですから無視量として、瞬時にOUTは静止すると考えて問題ありません。つまり出力OUTを抵抗(今の場合は9kΩ)でIN2に接続すれば、IN1=IN2=OUT(=0.1V)となるのです。OUTとIN2を抵抗(0Ωも可)で接続することをフィードバックするといいます。
つまりIN2の電圧=IN1の電圧となる値にOUTは静止するということです。であるなら、いよいよ次が大詰めです。端子を点線にしている1kΩを接続するとどうなるでしょう。見てきたように、出力OUTはIN1=IN2になる電圧で静止するのですから、OUTは9kΩと1kΩで分圧した値が0.1Vになるような値に決まります。つまり
0.1=OUT×1k / 9k+1k 1k=OUT×1k OUT=1
このように、OUT=1Vになります。入力はIN1=0.1Vですから、ゲインは10ということですね。1kΩを3kΩに取り替えると、OUTは0.4Vとなり、ゲインは3になります。これは実際に計算してみてくださいね。先に結論をお話しますと、右の回路図で、あとに接続した1kΩをR1、フィードバック抵抗の9kΩをR2とすると、この増幅回路のゲインは
Gain=1+R2/ R1
となります。最後に下の図をみてください。もうお気づきですね。これがオペアンプなのです。
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