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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

デシベル(dB)の話②

2010-12-26 19:15:52 | 電子回路
デシベル(dB)は、実は1/10 ベル(B)なのです。
例えば、

10は log10=1 よって1B(1ベル)
100は log100=2 よって2B
1000は log1000=3 よって3B
10000は log10000=4 よって4B

という具合です。
このように対数変換したものをベル(B)として扱うことにより、掛け算が足し算になり、割り算が引き算になって計算が楽になります。またダイナミックレンジ(最小値~最大値の幅)の広い数値を扱う場合にも重宝する(対数圧縮)のですが、いかんせんベルは数値が小さくなりすぎ、その点は不便なので、ベルに10を掛け、1/10を表すデシ(d)を付けてデシベル(dB)としたのです。つまり

100は 10log100=20 よって20dB

ということです。
ここで、「あいや待たれい!100は40dBではなかったか」と仰る御仁もおられるでしょう。
その通り。通常、100=40dB ですね。

これは10倍してデシベルとするはずのものを、20倍してデシベルとしているからですね。では何故20倍するのでしょう。これを、電力比の対数変換(デシベル)から考えて見ましょう。
電力比W1/W2をデシベルで表すと、

10log(W1/W2) dB ですね。この式を変形していきます。

10log(W1/W2)=10log(I1^2 R)/(I2^2 R) dB
10log(W1/W2)=10log(I1/I2)^2
10log(W1/W2)=10log(I1/I2)+10log(I1/I2)
10log(W1/W2)=20log(I1/I2) dB

このように電流比のデシベルは 20log(I1/I2) dB になりますね。
また I=V/R ですから、

10log(W1/W2)=20log{(V1/R)/(V2/R)}
10log(W1/W2)=20log(V1/V2) dB

このように電圧比のデシベルも 20log(V1/V2) dB になります。
つまり、そもそもデシベルは仕事率(電力比、音圧・振動レベル等)を表す単位ということですね。

関連記事:デシベル(dB)の話 2007-08-15

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