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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

交流の実効値①(RMS)

2010-11-16 19:22:15 | 電子回路
「基礎電子工学 交流編」松下電器工学院 編著 p39~p41の補足


【実効値の定義】直流と同じ「仕事」をする交流の値

電力:W=i^2・R
電力量(仕事量):Ws=i^2・Rt [電力量=電力×時間]

上のグラフは縦軸に電力(I^2・R)、横軸に時間(t)をとったものです。よって黄色で示す面積は電力量(I^2・Rt)になります。
左の交流と右の交流の半周期の面積が同じであれば、この2つの交流の電力量は同じですね。ということは左の交流の実効値をi(rms)、右の交流電流の実効値をIとすると、

i(rms)=Iになります。(上の定義より)

さて、右の波形の電力量は
Ws=I^2・Rt4

左の波形の電力量は
Ws=i1^2・Rt1+i2^2・R(t2-t1)+i3^2・R(t3-t2)+i4^2・R(t4-t3)
=R{i1^2・t1+i2^2・(t2-t1)+i3^2・(t3-t2)+i4^2・(t4-t3)}

両者の電力量は同じだから(Rを払って)
I^2・t4=i1^2・t1+i2^2・(t2-t1)+i3^2・(t3-t2)+i4^2・(t4-t3)
I^2={i1^2・t1+i2^2・(t2-t1)+i3^2・(t3-t2)+i4^2・(t4-t3)}/ t4

この式から、実効値の2乗は「各電流値の2乗の加算平均」であることがわかりますね。
そして実効値は
I=√[{i1^2・t1+i2^2・(t2-t1)+i3^2・(t3-t2)+i4^2・(t4-t3)}/ t4]となります。

よって実効値のことを「2乗平均、平方根」Root Mean Square の頭文字を採って、RMSと呼ぶわけです。


【サイン波での試み】
サイン波の半波を10分割して「2乗平均、平方根」を計算してみました。
下図のエクセルの表です。
実効値(RMS)は理屈どおり、0.707107=1/√2 となりますね。

関連記事:交流の実効値② 算数としての微分と積分 2010-11-22

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