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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

定電流①

2010-01-08 21:30:31 | 電子回路
定電圧源があれば定電流源もあります。定電流源の回路記号は図のように瓢箪(ひょうたん)で表します。とにかく定電流なのですから、その意味は読んで字のごとく常に電流が一定なのです。仮に左図の電流源を1Aの定電流源とすると、R=10ΩならRの端子電圧、つまり定電流源の端子電圧は10Vです。100Ωなら100Vです。1Ωなら1Vです。そして0Ωなら0Vとなります。とにかく抵抗値がどんな値でも電流値は変わらず1Aなのです。ふむふむ、それがどうした。ってところですかな?

もう少し我慢して付き合ってください。定電圧源の内部インピーダンスは直列に入りましたが、定電流源の内部インピーダンスは右図のように並列に入ります。そして定電圧の場合とは逆に、抵抗値が大きければ大きいほどよい定電流源となります。
 
定電流:I=I1+I2ですからRiが大きいほどよいことは図から明らかですね。うん?わかんない?I2が一定だったらまだいいんだけど、Rの値で端子電圧が変動するとI2も変動してしまうわけですね。はてさて、この定電流という概念がなぜ私達にとって重要かというと、まず第一に私たちはもっぱらトランジスタを使うことになるからです。実はトランジスタは定電流を実現する代表格の素子なのです。

そのことによって電圧増幅など私たちにありがたい機能をたくさん提供してくれるのです。ではトランジスタの定電流機能を見ていきましょう。

さて下図の回路の場合、IEの電流値はいくらですか?これはもう、ちょちょいのちょいで1mAとなりますね。いまはIBは考えません。よってIE=ICです。このICが実は定電流なのです。コレクタ抵抗CR=10kΩとするとCRの両端電圧は10Vです。CRが1kΩなら両端電圧は1Vです。CRが100Ωなら両端電圧は0.1Vです。CRが50kΩなら両端電圧は50V...、ちょっと待ってください。それでは電源電圧を越えてしまいます。

そもそもICが定電流を保つためにはC-E間にある程度の電圧を必要とします。CR=10kΩの場合はコレクタ電圧が10VですからVce=9Vです。これは全然問題ありません。CR=18kΩの場合はVce=1Vとやや怪しくなってきます。

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