コロンブドール

Les Films de la Colombe d'Or 白鳩が黄金の鳩になるよう人生ドラマを語る!私家版萬日誌

目から鱗 いい話 ー米国流育ち・育て方ー  

2007-08-05 | Ma chanson  et 金言科白
 新聞を整理していましたら、先々月の読売新聞「時代の証言者」に
日本ユニセフ協会大使で、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生が1951年に
米留学した体験を ー第二の青春実感 ー として、日米の教育の差異を述べられていました。
こんな処に、アメリカの優秀な指導者が多く輩出された理由が分かります・・・・。

 以下、抜粋してみましたので・・・・
 私が要約するより、先生直接の言葉の方が伝わると思いますのでー。


日野原「アメリカでは、アトランタのエモリー大医学部で、
     ポール・ビーソン教授の指導を受けたんだけど、
     何もかもが日本とは違ったね」


1) See ではなく DO する。そして人に教えなさい!
       人に教えて初めて自分の分からない点がはっきりする


「教育する側の姿勢も違ったね。
日本だと手術の見学ばかりで、なかなかメスを握らせてくれない。
それが、「早く手術をしなさい、先生がそばにいるから」と言うんだ。
see(見る) の連続でなくdo(実行)になるの。それに、まだ初心者なのに、
「十分にできてはいないけど、人に教えなさい」と早く教えるよう指示するんです。
人に教えて初めて自分の分からない点がはっきりするからね」


2) アメリカの学生は5分間で要領よく報告する訓練を受ける

「症例検討会にも感心しました。
 アメリカの学生は5分間で要領よく報告する訓練を受けているんです。
 これが日本だと、冗漫で、まとまらないんだよね」


3) 幅広い一般的な知識がないとだめ。いつでも専門は深められる!

「何もかもが、日本とは違ったね。 高血圧は東洋人に多い病気と言うことで、
 ビーソン教授が「こ の病棟には高血圧の患者が少なくない。
 きょうは、ドクターヒノハラが、インターンや学生に眼底検査のやり方を
 指導してください」と,僕に検眼鏡を渡したの。
 カルチャーショックだったね。日本では眼科医しかやらないと言ったら、
 「のぞいたらわかるのに、どうして。日本の心臓専門医の担当はそんなに 狭いのですか」
  とけげんな顔をされて。1年間、夜になると病棟に通って、
  患者さんの眼底所見を見たものです。
 アメリカでは、循環器を専門 に勉強しようと思っていたのだ けど、
  幅広い医学的な知識がないとだめなんだと言うことがよくわかりましたね。
  ベースがあれば、いつでも専門は深められるでしょ」


               読売新聞  07.6.25  「時代の証言者」から


MEMO:

日野原 重明 Shigeaki Hinohara  医師

1911年山口県生まれ。1937年京都帝大医学部卒業。1941年聖路加国際病院の内科医となり、内科医長、院長等を歴任。現在、聖路加国際病院名誉院長・同理事長、聖路加看護大学名誉学長をはじめ、国内外の医学会の会長・顧問等数々の要職を勤める。1993年勲二等瑞宝章、2005年文化勲章受章。専門領域は内科学 (循環器)のほか、予防医学、健康教育、医学教育、看護教育、終末医療、老年医学、生命倫理と幅広い。

長年に渡る全国での講演活動や多くの著作を通じ、医師としての立場・医療という領域を超え、いのちの大切さ、平和の尊さなどを、特に次代を担う日本の子どもたちに訴え、多くの人々から支持を得ている。(財)ライフ・プランニング・センター理事長、日本音楽療法学会理事長、新老人の会会長。2007年4月9日、日本ユニセフ協会大使に就任。
           (財団法人日本ユニセフ協会からのHPから転記)
コメント (1)
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